【前編】舞台への熱い想い、甘いマスクと業界きっての美肌の持ち主!2.5次元俳優・久保田秀敏さんにインタビュー
01
美容師か俳優になることが夢だったと伺いました。美容師、俳優を目指されたきっかけを教えてください。
小学校の頃から髪をいじることは好きだったんです。今もよくあることなんですが、前髪の生え際のクセが気に入らなくて、前髪ばかりブローしていました(笑)。それがきっかけで、人それぞれ違う髪の悩みを解決してあげられたらいいなと思うようになって、美容師になりたいと夢を持つようになりました。
中学生になってからテレビのキラキラした世界にも憧れを抱くようになって、雑誌で見つけた芸能事務所のオーディションに応募しようと思ったんです。でも僕の地元は田んぼしかないような田舎なので、こんな所から華やかな世界にいけるわけがないと思い直して(笑)、やっぱり現実的な美容師を目指すことにして、美容専門学校に進みました。
専門学校を卒業してから代官山の美容室で2年ぐらい働いていた頃、渋谷を歩いていたらスカウトされたんです。でもそのスカウトマンが全身黒づくめでスキンヘッドの大柄の方だったので、怪しいと思って一旦お断りしました(笑)。ところが次の週に同じ所を歩いていたらまたその方に会ったので、事務所に行ってみたんです。そこで所属している方のプロフィールを見せてもらっていたら、最近芸能の仕事を始めたらしいという噂を聞いていた美容学校の友人のプロフィールがあって、これも何かの縁かなと思ってこの世界に入りました。
02
俳優になられて、美容師の経験が生かされていると感じることはありますか?
役者という仕事は芝居をする以外にも自分でヘアメイクしたり、メンテナンスもしたりしなければなりません。そういった美を保つための最低限のことは美容学校で学んできたので、他の俳優さんに比べたら少し高いラインを保てているのかなと思います。もともと美容への関心は高いですし、手先が器用なこともあって、学生時代にいろいろと賞をいただきました。美容師を辞めたくて俳優になったわけではなかったので、今でも美容師のほうが天職なんじゃないかと思うぐらいです。
人前に出たり、見られたりするという部分では美容師も俳優も同じだと思っています。僕から何かを提供することで、お客さまが笑顔になって、生活が豊かになるのは職業が違っても共通している部分ですし、そこにやりがいを感じています。
03
デビューされてから10年以上経ちますが、2.5次元ステージに出演され続けている理由を教えてください。
「2.5次元」という言葉ができてやっと10年ぐらいですが、ここ近年ようやく市民権を得てきたという実感があります。「2.5次元」が認知されるようになったことで、かつては「オタク」と言われていたファンの活動も「推し活」「推し事(おしごと)」という言葉になって、自分の「推し」を堂々と言える時代になったのは良い事ですよね。そのきっかけを作ったのは「2.5次元ステージ」だと思うんです。
日本のアニメは海外に誇れるコンテンツです。そのアニメをステージでリアルに表現している「2.5次元ステージ」も世界に発信できる日本が誇れるコンテンツの一つにしたいという想いがあります。演劇の世界の中ではまだ新しいジャンルですが、「2.5次元」の世界に最初から関われていることは、僕自身の一つの誇りです。
アニメやゲームの世界を原作として、その世界からそのまま飛び出してきたように具現化し、お客さまに夢をお見せすることができます。みなさんが思い描いているキャラクターや世界観を僕たちが演じることで、作品への没入感が高まるのは魅力の一つですよね。普通の演劇と芝居の表現方法は違っても、役を演じるうえではその場でちゃんと役として生きるということはどの作品も同じです。ビジュアルは確かに派手かもしれませんが、それが逆に演劇の親近感にも繋っていると思っています。
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芝居、歌、ダンス、アクションなどさまざまな要素を求められると思います。久保田さんが得意なものは何ですか?
役者なのでまず芝居と言っておきます(笑)。どれも好きではありますが、あえて得意な順番というと殺陣・アクション、次にダンス、そして最後が歌ですね。
殺陣は地元の福岡で舞う「豊前神楽(ぶぜんかぐら)」で刀を使う演目があったので、刀を握り慣れていたんです。あとは小さい頃に祖父と時代劇を一緒に観たり、実家の床の間にも模造刀が飾ってあったりしたので、刀を身近に感じていたのもありますね。
歌に対しては苦手意識があるんです。10年前と比べたら歌い方や表現力の幅は変わってきましたが、歌に対する評価が低かった時期もあって。それが悔しくて何とか克服しようと努力してきて、この10年間である程度の段階まではこれたかな、と思います。でもどうしても根本的な苦手意識があるので、自分なりに突き詰めているところです。
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役を演じるうえで楽しいと感じることはなんですか?
ストレートプレイ(※)と言われるような会話だけの劇ではなく、2.5次元ステージは殺陣・アクションに歌もダンスもある総合エンタメな舞台なので、演じるキャラクターの感情をいろんな形で表現できることは楽しいですね。あとコール&レスポンスというお客さまとの言葉の掛け合いがある作品も多くあって、お客さまとの一体感が味わえるのもいいですね。これまでのお客さまが観ているだけの演劇とは違う、新しいスタイルを楽しんでいます。
この10年、若手俳優さんを見ていると、格段に基礎スキルが上がっていると感じます。日本の役者の基礎力が上がっているということは、それだけ世界にも誇れる役者が育ちやすい、理想的な環境になってきているんだと思います。でもその先駆けだった僕たち30~40歳世代の俳優も負けないように頑張らないといけなくて(笑)。だから常に自分を磨き続けていかなければならないことも楽しいです。
※歌を用いない、台詞や芝居のみの演劇
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役作りで心掛けていることはありますか?
作品ごとに違いますが、自分の声がたまたま原作の声優さんに似ている時は、ちょっと寄せた声のトーンにすることもあります。でも声を真似たり、原作と同じように動いたりというわけではないので、基本的には自分に寄せて作ることが多いかもしれません。「2.5次元ステージ」はものまね劇やコスプレ劇ではなく、ステージで生きた会話をするのが大前提なので、原作に寄せたビジュアルを作った上でプラスαを探って表現するという感じです。キャラクターをより魅力的に見せるために、ある部分を大げさに表現することはあります。でも大きな劇場で観ると、思ったよりも強調されていないこともあるので、できるだけ大きく見せるよう心掛けています。
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演出家や共演俳優によって役作りに変化はありますか?
作品は演出家さんの色が多く出ますが、すべて演出家さんの意向通りにやるというわけでもありません。共演する俳優同士で話し合って、時には意見がぶつかることもありますが、一緒に作っていくことが最善だと思っています。作品ごとに関わるスタッフや共演者も変わりますし、俳優それぞれ育ってきた環境やスキル、携わってきた作品も違うので、なかなかまとまらないこともあります。でも一度共演した俳優さんは久しぶりに会っても役作りや表現のプランが分かるので、相乗効果でより役を深めていきやすいですね。
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2.5次元ではない役を演じる時は、どんなことを意識されていますか?
あえて意識していることはありません。大きく違うのはビジュアルぐらいで、役作りという部分では同じです。台本を読み込んで、自分の中で役のイメージを作って、どう動いたら魅力的に見えるかとか視覚的に考えていますね。自分のセリフだけでなく、掛け合いをする相手のセリフも考えたりして、基本的には共演者と話し合って作るようにしています。
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演技の勉強はどのようにされてきましたか?
これまで演技のワークショップなどに参加することもなく、現場主義でやってきました。現場でご一緒した先輩方やスタッフさんの演技や行動を“見て学ぶ”ことがベースになっていて、同じ現場になった俳優さんの何か一つでも盗むようにしていました。
みなさんそれぞれにいろんな表現があるということは、それだけ“盗める宝”があるということですし、盗むものが多ければ自分の表現の幅も広がると思ったんです。だから1~2カ月、その現場に行ってただ仕事をこなすのではなく、「この俳優さんの何が上手いと思わせるんだろう」と根本を探っては、まず真似てみましたね。以前早乙女友貴さんと共演することがあったんですが、彼は殺陣がとても上手なので、ごっそり盗んでみようと思ってよく観察しましたし、教えてもらいました。
考えてもダメだったら“盗む”ことが、ある意味近道でもあると思います。でも盗んだものをいかに自分のものにして色を足していけるか、それは毎回の課題です。純粋に負けず嫌いなので、上手になりたい、という想いが常にあります。
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これまで演じた役の中で、印象に残っている役を教えてください。
印象に残っているというより、改めて演じ直したいと思っている作品があります。『心霊探偵八雲』という、小説が原作で漫画やアニメ、映画にもなっているものがあるんですが、その作品が2013年に初主演した作品だったんです。その時スキルもないのに「楽勝だよ」なんて思っていたんですが全然出来なくて(苦笑)、ただセリフを言っているだけという感じになってしまって。10年経った今、改めてもう一度やり直したいなと反省している作品です。
演じていて楽しかった役は『薄桜鬼』の土方歳三役ですね。時代ものが好きというのもありますが、新選組のことを思って演じていると「誠」を貫いて、何が何でも国をいい方向へ変えてやろうという熱い信念に感情移入しすぎてしまいました。もちろん演じていてつらいところもあるんですが、そのつらさが楽しいというか快感になってしまって、この作品に入る時はワクワクします。
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抽選で久保田さんのサイン入りチェキをプレゼント!
後編では、久保田さんの美容へのこだわりや気になる女性のタイプについてお話を伺いました。
さらに、抽選でサイン入りチェキが当たるプレゼントキャンペーンも実施中!気になる方は、後編記事を最後までチェックしてみてくださいね。
<久保田秀敏さんプロフィール>
福岡県出身。ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズン(仁王雅治役)をはじめ、『心霊探偵八雲』(斉藤八雲役)、『憂国のモリアーティ』(アルバート・ジェームズ・モリアーティ役)、『薄桜鬼』(土方歳三役)などの2.5次元ステージを中心に、テレビや映画など幅広く活躍。公式Instagram(@hidetoshi_kubota)では趣味の写真やバイクの写真を数多く投稿している。
編集/㈱メディアム 成田 恵子、執筆/北村 文、撮影/三浦 藤一
EDITOR
DEPACO編集部
エディター 高梨
旅行誌の出版社で編集職を10年以上経験。出産を機にキャリアを見つめ直し、今後は大好きな美容の情報発信をしたいという想いでDEPACO編集部へ。美容はスキンケアやベースメイクでの“土台作り”が好き。趣味は旅と料理。
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メイクを味方につけて舞台やテレビで活躍されている、今注目の美容男子にインタビュー。それぞれの、仕事や美容への向き合い方、美容ルーティンに迫ります。
今回のゲストは美容師として活動後、スカウトされ俳優へ転身された2.5次元俳優の久保田秀敏さんです。ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンの仁王雅治役をはじめ、『憂国のモリアーティ』『薄桜鬼』などの2.5次元ステージに10年以上出演され続けている久保田さんの2.5次元への思いや美容意識についてお話を伺いました。