プロ目線で香りをわかりやすく“たとえ”表現！香水の達人
DEPACO専属ビューティーアドバイザー(DEPACO BA) 土井(写真左)

メイクやスキンケアだけでなくフレグランスにも造詣が深い、美容のプロ。昔から香水好きで、100アイテム以上は使ったという強者。甘みや深みのあるオリエンタル調の香りが好みで、レイヤリングも得意。


365日お気に入りの香りをまとっていたい香水フェチ♡
DEPACO 企画担当 下田(写真中央)

王道メゾンの香りや、トレンドのデザイナーズフレグランスはもちろん、ニッチフレグランスにも興味津々で、香りに対してアグレッシブ。惹かれがちなのは、ほのかに甘くてスパイシーさもある香り。


トレンド情報には強い！真の香水好きへの修行中ビギナー
DEPACO編集部 エディター HANACO(写真右)

ここ数年で深みにハマった香水ビギナー。ユニセックスな爽やか系一辺倒だったが、通好みの香りにも開眼しそうな予感。DEPACOの新作コスメ担当ゆえに、トレンド情報はいち早くキャッチできる強みあり。

HANACO：まずはリンゴですが、リンゴといってもいろいろな種類があって、それによって香りの印象がかなり異なりますね。蜜の甘さがあったり、爽やかな酸味を感じるものがあったり。

下田：そういう視点でいうと、これは甘いリンゴというより、グリーンアップルらしい清々しさのある香り。ジャスミンやベルガモットも効いていて、サボン系の清潔感や透明感があります。

土井：グリーンアップルって、青リンゴですよね。リンゴのなかでもフレッシュなみずみずしさを感じる果実で、これはその雰囲気がうまく表現されていて。オードパルファムで、爽やかさがあるのもポイント！

HANACO：たしかに、スーッと入ってくるような軽やかさがありますね。

土井：オードパルファムだから香りの持続時間は長めで、ラストノートにかけてすこし深みがでてくる感じ。だから、爽やかな香りを長時間楽しみたい方におすすめです。

下田：この軽やかさが〈アイアム〉らしいポイントかと。〈アイアム〉は、2021年に誕生した話題のブランドで、香りもボトルデザインもクリーンな印象。人と違う香りを探している人は、ぜひチェックしておいてくださいね。

HANACO：「ピンクレディアップル」というピンクアップルを使っているのが、こちら。この香水を手がけた調香師によると、ピンクアップルはレッドアップルよりシャキッとした食感と爽やかな味わいを備えていて、そのフルーティーで甘く繊細な風味を再現しているそうです。

下田：グリーンアップルともまた違う、みずみずしくすっきりした風味を感じますね。トップノートでピンクアップルと相性がいいレッドカラントを合わせているから、おいしそうな香り！甘ったるくはないけど、可愛らしさのある印象で。

HANACO：私も最初は、若々しいガーリーなイメージがしました。

土井：可愛らしい感じのなかに、華やかさやセクシーさも潜んでいて。「モダン プリンセス」という名前の通り、遊び心もある魅惑的なお姫さまみたい！

下田：時間が経つとフローラルになり、バニラやムスクの大人っぽさもでてきますね。

土井：リンゴ自体が主張するというより、リンゴの爽やかさを芯にして、ジャスミンなどのフローラルが広がってくるから、大人のセクシーさがあるのかな。香水に興味をもっている若い方にとって、好奇心を満たしてくれる香りだと思います。

下田：これは、私が想像するいわゆる「赤いリンゴ」をキーノートにしているもの。日本らしい心を感じる花や果実による“ジャパンアコード”が要になるシリーズで、この「キモノ ウララ」は、リンゴとスイレンが“ジャパンアコード”に。

※アコード=香りの調和のこと

HANACO：甘みより、フレッシュ感のあるリンゴという感じですね。

土井：つけたてはリンゴとメロンを中心に始まり、リンゴの香りはあくまで繊細で、メロンのみずみずしさのあるすっきりした印象です。

下田：最初は柑橘のさっぱり感もあって、落ち着いてくるとフローラルの甘みや、心地よいウッディノートも。

土井：全体を通してフレッシュ感がある、いい意味でクセの少ない香りだから、あまり香りを主張させすぎたくないシーンで使いやすいはず。

下田：「キモノ」シリーズ共通ですが、ほのかに香りをまとうのが似合うイメージがあって。控えめだけど芯のある、日本らしい美しさを感じますね。

HANACO：このシリーズには、同じ香りのボディーローションとハンドクリームもあるので、よりさりげなく香りを楽しむこともできますよ！

HANACO：次のテーマは、洋梨です。洋梨が香料として注目されるきっかけになった大人気の香りといえば、これ！

下田：〈ジョー マローン ロンドン〉を代表するヒット香水ですね。熟した洋梨のみずみずしくもふくよかな甘さと、フローラルなフリージアが合わさった、ユニセックスで楽しめるさっぱりした香りです。個人的には、熟れた洋梨独特の芳醇さからシャンパンみたいな印象があって、どこか官能的な感じも。

HANACO：基本的には爽やか系だから、万人ウケしそうですよね。私はこの香りのバスオイルを使っているのですが、キャンドルやディフューザーなどもあって。お部屋やバスルームにふわりと香らせても、家族やゲストのみんなに好まれそう！

下田：〈ジョー マローン ロンドン〉といえば、香りを組み合わせるレイヤリングを楽しみたいところ。土井さんなら、どれを合わせたいですか？

土井：フローラルな甘さとスエードのあたたかみがある「ピオニー ＆ ブラッシュ スエード」を合わせたいかな。実はこの香水のトップノートは、赤リンゴで。組み合わせることで、今回のテーマになっている「リンゴ&洋梨」の両方を楽しめますよ！

下田：リンゴと洋梨を合わせるとは、さすが！

土井：「イングリッシュ ペアー ＆ フリージア」は、いろいろな香りと合わせやすいフレグランス。「すでに持っている」という方も多いと思うので、レイヤリングで自分らしい香りの味変も楽しんでくださいね。

土井：この香水は洋梨の果実のイメージとは異なる、ガーデニアを中心にしたフローラルな香り。そこにペアブロッサムアコードやブラウンシュガーアコードが加わることで、どこか甘いラムネみたいな印象に！

下田：お菓子っぽいポップな雰囲気がありますよね。陰陽でいうと「陽キャ」で、昼夜でいうと「昼」みたいな、ポジティブな雰囲気をまとえそう。

HANACO：甘さがあるから、つけるシーンにはこだわりたいところですが…。どんなシーンでつけるのがいいでしょうか？

土井：お菓子っぽい甘さのある香りは、秋冬シーズンにつけるのがおすすめ。空気が冷たく乾燥していると、甘ったるくまとわりつかず、さらっと大人っぽく甘さをまとえるので。ざくっと編まれたニットに袖を通したくなるような肌寒くなる季節だと、甘さをエレガントに楽しめますよ。

下田：モード感のある爽やかな香りになっているのが、〈ジミー チュウ〉のブランド名を冠したこちら。トップにグリーンペアのみずみずしさがある、フルーティーフローラルな印象の香りです。

HANACO：洋梨って食べるときは芳醇な甘みが強い印象だけれど、これは弾けるような甘酸っぱいフレッシュさがある感じ。

土井：透明感のあるローズやエキゾチックなオーキッドによるフローラルな要素を引き立てるために、洋梨が一役買っていて、清々しいフローラルに。オードトワレなので、よりフレッシュさがありますね。

下田：重くなくて派手すぎないけど、華やかさもちゃんとある気が！魅力的なキラキラ感を自然にまとえるから、香りもファッションもスタイリッシュに楽しみたいときにぴったりです！

HANACO：リンゴと洋梨は「おいしそう」だけじゃない魅力が詰まっていましたね！次回は「フィグ(イチジク)」をフィーチャーする予定なので、お楽しみに。

DEPACOの香水好きな3人が、毎回テーマに沿った香水についてレビューする連載「#香り好きのフレグランスレビュー」。季節に合わせてまといたい香りをご紹介しています。

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