【十人十色の美衣食住・前編】GLIM SPANKY ヴォーカル&ギター 松尾レミさんにインタビュー!
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松尾さんのInstagramを拝見していると、コスメの情報発信が多い印象です。メイクに関心を持ち始めたのはいつ頃からですか?
幼稚園の頃から、母親のドレッサーでいろんなメイクアイテムを使って遊ぶのが好きでしたね。今思うとお店にはご迷惑なことだったと思うんですが、デパートのコスメカウンターにあるテスターを顔に付けたり塗ったりして、母に叱られたりして(笑)。その頃は絵を描くことが好きだったので、多分、自分の中では絵を描くのと同じ感覚でメイクしてたんじゃないかと思います。それから本格的に興味を持つようになったのは、小学校6年生ぐらいの時に母親からアイライナーを貰ってから。中学生になってからは周囲もメイクに興味を持つ年代なので、いろいろ情報を集めてはちょこちょこと自分でも集めるようになった感じですかね。
実は今でも“今日はどんな絵を描こうかな?”という気分で、自分の顔をキャンバスに見立ててメイクを仕上げているんです。それは楽器をやるのも同じで、自分を表現していた筆がギターとかコスメとか絵の具に替わったという感じなんです。メイクで色を使ったり、アイライナーを濃くしたり、真っ赤な口紅を付けたり、といろいろ遊べるのは、私がシンプルな顔出ちだから。そんな自分の顔の特徴をポジティブに捉えるイメージで、カラーアイテムを使ったり、個性的なアイラインを引いたりしてメイクを楽しんでいます。
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普段とステージでのメイクは使い分けていると思いますが、まず普段メイクではどんなことにこだわっていますか?
デパコスもプチプラもいろいろ使うんですが、自分の肌の色をキレイに見せることを大切にしています。
肌トーンを判断するのにイエベ・ブルベ診断ってあるじゃないですか。本当はそういう事に囚われずに好きな色を使うことがメイクの楽しみだと思っているんですが、やっぱり肌の色ってそれぞれで違っていて、その人に似合う色ってあるんですよね。そんなどちらの感覚も持ちながらいろいろ試してきたんですが、最近、黄色味が強いものを付けた時にすごーく疲れ切ったような顔に見えたんです。それで、青味のものを使ったんですが、それはそれで老けて見えちゃって(笑)。だから私の肌トーンって、本当にその中間ぐらいの色味みたいです。
自分に似合わない色を付けた時、その日のテンションの下がり方がハンパない。メイクって1日のモチベーションを左右するものなので、自分の肌が生き生きと見える色を普段使いして、毎日がもっと楽しくなるよう心掛けています。
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では、ライブなどのステージメイクでこだわっていることは?
ステージメイクではめちゃめちゃ大粒のラメを付けたり、いつもは付けないようなどぎつい水色やアイスグリーンなど、海外ブランドの派手な色を使ってます。ステージは長時間なんですが、メイクは崩れにくい方で(笑)、ベースメイクは普段と同じものを使ってます。コレと言って何か特別にしていることはないんですが、メイクさんには“崩れにくいね”とよく言われます。
ヘアメイクさんが入ってくれる時でも自分の勝手なこだわりがあって(笑)、スキンケアやメイクは自分でやっちゃうんです。アイシャドウのベース部分はやっていただくんですが、ビューラー・マスカラ・つけまつ毛・アイライナー・アイシャドウなどの細かい部分は全部自分でやります! 目も片方が一重なのに片方が二重なので、ビューラーでバランスを取っているんです。唯一やってもらう部分はまゆ毛かな。まゆ毛って難しいので、そこはプロにお任せしてます(笑)。
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セルフメイクが多いとのことですが、ツール(道具)選びにもこだわりがありますか?
ヘアメイクさんに教えてもらって使っているものもあるんですが、安いけど使いやすいブラシを海外から購入したりすることもあって。ブラシって、毛の密度や形で仕上がりが全然違ってくるんです。本当はシェーディング用なのにチークに使うといい感じに仕上がったりするとか、ブラシを触ったり見ただけで、なんとなく分かるんですよね。あと最近は100均のメイクブラシでもいいブラシがあるんですよ。いろいろ試しながら使い分けています。
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松尾さんというと赤髪のイメージがあります。ヘアカラーはどんなことを意識していますか?
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60〜70年代のカルチャーがお好きとのことですが、どんなところに魅力を感じたんですか?
両親もピチカート・ファイヴが好きだったこともあって、60年代のファッションモデルが載っている本をはじめ、その時代のカルチャーに関する本が家にいっぱいあったので読んでましたね。
でも本当の意味で好きになったのは、ロックにハマってから。音楽はビートルズやローリング・ストーンズなどから入ったんですが、中学生の頃に、サイケデリックロックに出会ったんです。サイケデリックロックのカルチャーって、妖精や小人とか、きのことかを表現しているジャケットが多かったんですが、それが私の中で“あっ!コレ私の詳しいやつだ”と繋がっちゃったんです。というのも、小学生の時からイギリスの妖精文化に興味があったから。
キラキラした妖精というよりは、ゴブリンとかデーモンみたいな伝説に基づいた妖精に興味があって、そこからイギリスとアイルランドのフォークロアの文献を読み漁ったりしていたんです。それが基にあったから“繋がった”と感じましたね。あとはアルフォンス・ミュシャの絵も好きだったんですけど、それもサイケデリックロックのアートシーンでミュシャの絵をモチーフにしたポスターを目にして、“ここでも繋がっているんだ”ってなって。
あの時可愛いと思っていたものと、今聞いている音楽って繋がっているんだ、という繋がりを発見しだしたら面白くなっちゃって。カルチャーがファッションにも映画や音楽、アート、文学にも繋がっていると実感したことで、のめり込みました。
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その魅力は松尾さんが表現されるコンセプトにも影響されていると思いますが、何か気を付けていることはありますか?
楽曲を作る時、その時代のサウンドを取り入れることはあるんですが、基本的には好きに作ろうと思っています。60・70年代は好きだけどその時代に囚われすぎず、2022年という今を生きている人間として、回顧主義にならないように表現していこうと心掛けています。でもどうしても好きだから影響も受けるんですが、自分がいいと思ったものをかき集めたら、ちょっと60年代っぽいテイストが濃くなったかな、というぐらいの感覚で。モノを作る時は参考にはするけど、そこに引っ張られすぎないようにしようと思っています。年代問わず現代や過去のいいものを、純粋に取り入れて表現していきたいな、と。それはファッションやメイクでも同じことです。
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先日まで行われていた全国ワンマンツアーのグッズはご自身が考えられたと伺いました。制作にあたってこだわった点はありますか?
あと、自分の表現している音楽にちゃんと紐づくカルチャーや、バックボーンに繋がるものであることは強く意識しています。自分が見ている側だったら、ただ取って付けたものだと説得力がないというか、甘いなと思っちゃうんです。だからこのバンドはこういうカルチャーが好きで、こういうバックボーンがあって、今の時代で解釈したものを表現しているんだな、と結びつくようなグッズ作りにこだわっています。
ロックユニットGLIM SPANKYのヴォーカル兼ギター。ハスキーなロックヴォイスとヴィンテージ感あふれる骨太なサウンドで、数々の映画やテレビドラマに楽曲を提供する。2014年にファーストミニアルバム『焦燥』でメジャーデビューし、2015年にはファーストアルバム『SUNRISE JOURNEY』をリリース。アルバム制作やライブツアーを中心に活動中。
後編では、メイクについてのこだわりを徹底的に伺いました。
編集/㈱メディアム 成田恵子、執筆/北村 文、撮影/三浦藤一
撮影協力/喫茶クラウン 048-266-1207
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EDITOR
DEPACO編集部
副編集長 秀島
プロモーション歴10年以上、DEPACOの生みの親。ビューティ系企画~編集~広告~イベントまで幅広く携わる。経験とはうらはらに、百貨店入社をきっかけにデパコスに触れ始めた“保守派”でかつ、"自信はないけど少しはこだわりたい派"。趣味はアート&銭湯めぐり。
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“十人十色の美衣食住”
ひとそれぞれ、さまざまな「美」を大切にされている方々に迫ります。
今回のゲストは魅力的なハスキーなロックヴォイスでさまざまなジャンルのクリエイターや音楽マニアから賞賛を受け、数々の映画やテレビドラマに楽曲を提供し続けている、ロックユニットGLIM SPANKYのヴォーカル兼ギターの松尾レミさんです。Instagramではファッションやメイクの情報を投稿し、ファンの方からの質問にも答えるなど豊富な知識を発信し、話題を集めています。