【十人十色の美衣食住・後編】DJ/ナレーター・秀島史香さんにインタビュー!
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声の仕事を続けられてきて、何か変化したことはありますか?
この25年でいろんなことを経験できたので、それは確実に声に乗ってきている、と感じますね。私は年齢を重ねることに対して楽観的といいますか、むしろ楽しみと思っているんです。それは素敵な先輩方が今も手の届かない存在として現役で活躍されているから。私自身がその年齢になったら、こんな人になれていたらいいな、と思う素敵な目標にしている方々が、ずーっと前にいらっしゃるんです。どんな仕事でもそうかもしれませんが、いろんな人と会い、話を聞いて、自分で考えて、実践してという経験が糧になってくるんでしょうね。
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生放送の機会も多いと体調の管理も大変だと思いますが、何か心掛けていることや大切にされている習慣はありますか?
睡眠の大切さは年齢を重ねるごとに実感していて、なるべく10時すぎにはベッドに入り、7~8時間は寝るようにしています。しっかり寝ていないとかんだり、読み間違えたり、目がしょぼしょぼしたり、しっかり自分の年齢を痛感することになるので(笑)。やっぱり声が出てなんぼの仕事なので、自分で自分を窮地に立たせないようにケアしてあげることが大切ですね。最近特に感じるようになりました。
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美しい声を保つために喉のケアなど、日常生活で気を付けていることがあれば教えてください。
喉を潤すようにはしていますね。刺激物は喉に良くないという説もありますが、あえて「これは食べない」という制限は一切していません。歌を唄うわけではないので、喋り言葉で無理なく声が出るようにという範囲ですので。声楽家の友人から、喉がカラカラしている時に無理やり喋ると痛めると聞いてからは、気がついた時に水分をこまめに摂るようにしています。
それから首を冷やさない。寝る時にネックウォーマーをしてます。布団から首って出ていますし、パジャマはどうしても首元がスースーしちゃうので、ゆる~いものなんですが、首を覆うようにしています。そのお陰なのか風邪はこの十年ぐらいひいてないですね。
あと、はちみつが好きなので、喉に良いと言われているマヌカハニーをとるようにしてます。スーっとするような味でヨーグルトに入れることが多いです。最近好きなのは豆乳ヨーグルトにマヌカハニーとプルーンを入れて、おやつ代わりにいただいています。これがコーヒーともよく合うんですよ。マヌカハニーは、はちみつの中でもちょっと高価なんですが、自分へのご褒美としていただいています。
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仕事や子育てにもお忙しい日々だと思いますが、秀島さんにとってリラックスする時間はどんなことをしている時ですか?
コロナ禍になってから毎日ちょっとした散歩をするようになったんです。シンプルに、家の近所を歩くようにしています。時間は細切れで15〜20分ぐらいなんですけど、近所にお買い物に行く途中に寄り道してみたりとか、仕事で横浜に来た時は、ちょっと海沿いを歩いてみたりとか。屋内を歩けばルートとしては最短ではありますけど、ちょっと外に出て潮風を感じながら海沿いを歩くと、すごくリフレッシュできますよ。
予定調和的に日々「時短ファースト」で過ごしていると、“あれ?このところ毎日同じルートしか通っていないかな”ということになりやすいので、たまには自分に違う景色を見せてあげたいなとおもうこともあります。 いつもと違う景色を見たり、違う人たちを目にすると、自分の中に新しい刺激が入ってくるので、意識的に違う道を歩いたりしてますね。
近所も知ったつもりになっていたんですけど、意外と知らなかった道や、知らないお店を発見することもあります。1時間ぐらい時間ができたら全然知らない駅で降りて、知らないお店に入ってみる、なんてこともしています。個人の喫茶店も大好きなので、飛び込んでみるのも楽しいですよ。新しいものを見ていたいというか、まだ知らなかったものに触れたいというか…また取材のネタハンターみたいになってますけど(笑)、でもそれが楽しいし好きなんですよね。ひとりの時間を意識的に持つことで、心の中にあるいろんなゴチャゴチャも整理できるので。
あと、コーヒーを飲む時間もリラックスできる時間ですね。人に淹れてもらうコーヒーって本当に美味しいですよね。自分で淹れると味はだいたい予想できますけど、「わ、美味しい!」と嬉しくなる味に出会えるのも、いつもと違う所に行ってこそ、と思います。
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秀島さんにとって、人には理解されないかもしれない(もしくは理解されなくてもいい)けど、自己満足のためにやっていらっしゃる趣味や習慣などはありますか?
昨年の春からチェロを習い始めたんです。チェロって“人の話す声と一番近い楽器”とも言われているんですって。「気持ちいいな」と感じる深い“倍音”っていうんでしょうか、ひとつの音だけじゃなくて周りの音も振動しているようなふくよかな音色が子どもの頃から大好きだったので。それに弾いている姿も凛としていて「なんて格好いいんだろう!」と。ステイホームの時期に時間に余裕ができたこともあって、近所の音楽教室に通うようになりました。
ところが、これが全然上手にならないんですよ(笑)。開放弦で音を出すことは出来るので、その瞬間から心地良い気分になるんです。でも、楽器って毎日触っていないとすぐ忘れちゃうし、曲の練習となると時間も取れなければ、なかなか難しくて。年上の女性の先生なんですけど、上手く演奏できなくてガタガタだったとしても、ちょっと上手にできたことを「そうです、そうです、いいですよ。大変結構です」って言ってくださって、それだけで癒されています。完全にセラピーを受けているような感覚です(笑)。
日々いろいろ忙しくてドタバタですけど、このレッスンを受けている時間は“自分だけの時間”であり、“好きなことをしている時間”になるんです。「いろいろ失敗したり、クヨクヨしたり、悩んだりするけど、今この時間は好きなことできてる!」「ずっと子どもの頃からやりたかったこと、やれているよ!」と。自分の好きなことを出来る大人になれて良かった、みたいな気持ちになっていますね。
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秀島さんにとっての「美」とは?
私が憧れている「美しい人」とは、いつも動じない人です。仕事の現場で起こったハプニングやトラブルに対して、「大丈夫、大丈夫。なんとかなるよ」と笑って対処できてる先輩を見ると、格好いいを通り超して「美しいな」って思いますね。世の中全体が“どうなるの?”となっている大きな不安の中でも、騒がずにしっかりどっしりしている人は魅力的ですね。そういう精神的に動じないというか、悠然としている人が「美しい人」だなと思います。
あとは勝負時、本番でのプレッシャーに強い人にも憧れます。ここぞという瞬間でも逃げずにいつも通りに笑って、自分らしさを発揮できる人。オリンピック・パラリンピックの選手たちもそうですけど、大舞台に限らず、誰も見ていないところでも、自分との闘いに負けず、ひるまずに挑み、自分のベストを発揮する。本当に「美しいな」と思います。
最後に「DEPACO読者」に向けてメッセージをお願いします。
出会いが多い春は、話すことがない、どんな会話をしたらいいんだろう、という悩みがありますよね。私も仕事柄、「話題ってどうやって見つけるものですか?」と聞かれるんですけど、「何かいつもと違うことを試してみては?」と答えています。同じ場所で同じことを続けていると、自分自身に飽きてきてしまうので、いつもと違う場所、違う服、違う食材、身の回りの中で小さく試してみる。例えば、初めて入ったお店で、初めて足を止めた棚の前で、いつもと違うメーカーの何かを買ってみただけでも、自分がどう感じたかを言葉にしてみる。それだけで立派な話のタネになります。
体験の絶対数が少なければ、当然話題は出てこないし、テレビで見たことを話しても限界があります。やっぱり自分の実体験の数をどれだけ増やせるかが大切だと思うんです。難しく考えないで、一歩外に出て、いつもと違う道を歩いてみる。違うものを面白がってみる。それだけで新しいきっかけに出会えますし、自分自身も楽しくなってくるはずですよ。
●秀島史香さんの愛用コスメ
〈シャネル〉ヴェルニ ロング トゥニュ(13mL) 税込3,520円
先ほどのお話にも出た畠山美由紀さんからいただいたプレゼントなんです。こういうものを贈れる女性って素敵だな、と思って。使うのがもったいなくて、まだ使っていないんですけど(笑)。ここまで来たらずっととっておきたい、お守りとして、憧れの人からいただいたプレゼントとして、大切に保管しています。いつも素敵で、女性でいることを楽しんでいる方からこういうものをいただくと“普段からネイルケアもしなきゃ”って思いますね。
〈シャネル〉ってパッケージもすごくきれいですし、女性ならではの“喜び”も感じられます。眺めていると、贈ってくれた方のことや、女性であることをさぼってはいけないってことを思いださせてくれます。〈シャネル〉の何かがわが家にある、それだけで気分がちょっと上がります。
<秀島史香さんプロフィール>
ラジオDJ、ナレーター。FMヨコハマ「SHONAN by the Sea」(日曜朝6時~)のDJをはじめ、テレビ番組やCM、機内放送、音声ガイドのナレーション、コラム執筆など幅広く活動中。著書に、『いい空気を一瞬でつくる 誰とでも会話がはずむ42の法則』(朝日新聞出版)。新刊 『なぜか聴きたくなる人の話し方』(朝日新聞出版)が、5月20日(金)に発売。
公式サイト https://fmbird.jp/dj/fumika_hideshima/(外部サイトへ遷移します)
Twitter https://twitter.com/tsubuyakifumika(外部サイトへ遷移します)
Instagram https://www.instagram.com/hideshimafumika/(外部サイトへ遷移します)
前編では、秀島さんの美声の秘密について伺いました。
編集/㈱メディアム 成田恵子、執筆/北村文、撮影/三浦藤一
撮影協力/FMヨコハマ
EDITOR
DEPACO編集部
副編集長 秀島
プロモーション歴10年以上、DEPACOの生みの親。ビューティ系企画~編集~広告~イベントまで幅広く携わる。経験とはうらはらに、百貨店入社をきっかけにデパコスに触れ始めた“保守派”でかつ、"自信はないけど少しはこだわりたい派"。趣味はアート&銭湯めぐり。
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“十人十色の美衣食住”。
ひとそれぞれ、さまざまな「美」を大切にされている方々に迫ります。
今回のゲストは、FM局のDJ、テレビやCMのナレーション、読み聞かせをはじめ、音楽コラムやレビューの執筆活動など幅広く活動され、2019年には文化庁芸術祭で放送個人賞を受賞された、耳に心地よい独特のハスキーボイスでおなじみの秀島史香さんです。
■前編はこちら→