【後編】“好き”と“似合う”が近くなり、もっとメイクが楽しくなる!美容職歴20年の美容家・瀬戸麻実さんへインタビュー【十人十色の美衣食住】
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どんなメイクが似合うのか分からない…とお悩みの方にアドバイスがあれば、ぜひ教えてください。
「自分に似合うメイクを知りたい」というお声もたくさんいただくんですけど、似合うメイクをしてどうなりたいかを伺うと、人から見られることを気にされていることが多いんですよね。確かに“好きなメイク”は自分のためですけど、“似合うメイク”は他者からの目も必要になるじゃないですか。例えば就職面接だったり、初めましての方に会う時は、“好きなメイク”より“似合うメイク”がいいと思うんです。ただプロでない限りそれを見つけるのは難しいので、とにかくトライ&エラーが大事。まずは見よう見まねでやってみて、ちょっと恥ずかしいと感じるようなら自撮りしたり、家族や周囲の人の反応を確認してほしいんです。そうやって続けていくうちに「いいじゃない」なんて言われるようになると自信に繋がっていって、“好き”と“似合う”が近くなって、もっとメイクが楽しくなってくる。とにかく似合うメイクを見つけるための模索はぜひしてほしいです。私自身も“好き”と“似合う”の模索は現在進行形ですから。
いきなり誰かに「これが似合う」って言われると、逆にそれしか出来なくなっちゃうこともあると思うんです。いわゆるパーソナルカラーを自分で自己診断して、それに執着しすぎてしまうのはよくないと考えているので、“好き”と“似合う”のどちらも見つけてもらうために「メイクアップのための色彩学」というオンラインコースも行っています。その講座は、パーソナルカラーの前に、例えば赤を身に着けると誘目性がある、ただ割合が多すぎると派手に見えてしまうといった、色そのものの特徴や効果とコスメを組み合わせている講座なんです。まずは色を楽しみながらたくさん使って、苦手意識の高いパープル系やグリーン系も使えるようになるクラスなので、いろんな色を使ってみたいという方にぜひおすすめしたいです(笑)。
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“マミ様メイク”は幅広い年代の方々から支持されていて、Instagram等でもさまざまなご相談が寄せられていると思います。瀬戸さんは皆さんにどのようなことを伝えたいと思われていますか?
お悩みで多いのが「こんな年齢でもいけますか?」とか「こんな私でも大丈夫ですか?」というようなご相談で、コンプレックスを気にされている方や年齢を気にされている方が多いんです。お悩み全般を見ていると、ほんとに人の目を気にした悩みがすごく多いんだな、と感じます。でも今って他者の目を気にせずに、自己肯定感や多様性を認めていこうという時代になっているので、だからこそ自分自身をもっと好きになってほしいです。自分が楽しめる方法を探していこう、50・60代になってもピンク使っていいよ、って言ってあげたい。
そういう発信をし続けてきたら、ダイエットやヘアスタイルを変えてイメージチェンジしようと思えるきっかけにしていただけたり、精神的に不安定で家から出られなかったけど、動画見ながらちょっとメイクして外に出かけてみようと思えてイベントに来てくださった、という方もいて、本当にうれしいです。
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瀬戸さんのすっぴん姿を拝見すると、お肌もおキレイですよね。美肌を保つために日常生活で心掛けていらっしゃることはありますか?
数年前はニキビ肌で、書き込みにも「美容の仕事をしているのにそんなに肌荒れしていていいんですか」なんてコメントもあったほど肌荒れしていたんです。それで2年前ぐらいにファスティングしたんですが、それをきっかけに肌の調子もよくなりました。スキンケアは塗ることも大切なんですがそれだけに頼るのではなく、摂取するものも大事なんですよね。そこからインナービューティの大切さを実感して、ファスティングコンサルタントの資格も取ってしまいました(笑)。
食ではあまり加工品、小麦粉や白糖を摂らないようにしていますが、全然食べないというわけではないです。料理も時間がある時に作り置きをしておいて、小鉢御前のような感覚で、バランスよく彩りも考えて食べるようにしています。お酒は好きだったんですが、最近はあんまり飲まないですね。特に地酒が好きだったんですけど、今はその土地で採れた食材に興味を持つようになって(笑)。あとおやつ代わりには素焼きのアーモンドだったり、セラミドが含まれているパイナップルを食べていますね。
運動は週1回パーソナルトレーニングと自宅で筋トレをして、週2回は4kmジョギングするようにしています。2泊以上の出張時もジョギングウエアを持っていって、必ず走るんです。音楽を聞いたり、出演したイベントや取材などを考えたりするのにちょうどいいですし、気分転換にもなるので。それからお風呂の時間も大切にしていて、温まる効果が高くて、香りがいい、漢方薬局が作っているものから各ブランドさんのものまで、幅広くいろんな入浴剤を使っています。
筋トレとか食事に気をつけていることを、たまに「体型を維持したいからやっているんですか?」と聞かれることもあるんですが、私としては気持ちがスッキリしたり、肌作りをはじめ、体のめぐりをよくするために続けていることなんです。毎日のデイリーケアが出来ていれば、高いエステなどに行かなくてもよくなるので。コツコツとケアを続けることって大切ですよね。
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数多くのメイク&スキンケアアイテムに触れられていると思いますが、スキンケアを選ばれる際にこだわられていることはありますか?
ブランドごとに強みはそれぞれあるじゃないですか。だからブランドごとにアプローチの方法は違うので、ご自身がしたいケアによって、使うブランドやアイテムが変わってもいいと思うんです。例えて言うと、何か食べたい時って冷蔵庫を見て食べるものを決めるじゃないですか。それと同じで、その時のご自身の肌に合わせて使うアイテムを選んでもいいと思うんです。だからこそ、みなさんにはコスメカウンターに行ってBAのカウンセリングを受けていただきたいんです。クチコミで聞いて使ったけど肌に合わなかったということもあるので、ご自身の肌を知るためにもぜひ店頭に足を運んでほしいですね。
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ご自身で開発されたメイクブラシもご好評とのことですが、作るに当たり心掛けられたことはどんなことですか?
これがあれば楽しくメイクしてもらえる9本をセットにしました。こだわりがあまりにも多すぎて、制作はとても大変だったんですけどね(笑)。大前提としてメイクを楽しむためには、まず思うようなメイクが出来ないと楽しくならないですよね。でも商品に付属しているブラシでは思うようなグラデーションなんかをつけたりするのは難しい場面もあります。なので、そんな問題を解決してもらうためにメイクブラシを作りました。皆さんがメイクをしてムラになるのはブラシについている粉の量が多すぎたり、ついている場所が分からないからなんです。だからあえてブラシの毛を白にしました。白だと毛にどれぐらいついているかが分かりやすいので、調整しやすくなりますよね。それにブラシの汚れ具合がすぐ分かるじゃないですか。メイクブラシを洗うタイミングが分からないというご質問も多かったんですが、このブラシなら見て、汚れていると感じた時に洗ってもらえればいいんです。もちろんご購入された方から「毛が白いから汚れが目立ちます」というお声もあります。そういう時こそ、汚れが気になるんだったら洗ってほしいんですよね(笑)。
またブラシの柄の部分をピンクゴールドにしたのも、持っているだけで気持ちが高まるといいなと思って。それから手に持った時に変な力が入らないように柄の先端に向けて細くしているのもこだわりのひとつです。ピンクゴールドって色の効果もあって、柔らかい気持ちになるので、自分にも人にも優しくなれるんですよ。柔らかい、ゆとりを持った気持ちでメイクして、楽しい気分になってもらいたいという思いも込めています。
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瀬戸さんにとって、人には理解されないかもしれない(もしくは理解されなくてもいい)けど、自己満足のためだけにやっていらっしゃる趣味や習慣などはありますか?
趣味で仏像彫刻をしています(笑)。まったく美容とは関係ない趣味をしようと思ったのがきっかけで。というのもずっと美容に携わっていますし、運動や料理などもすべて美容に関連することだったので、全く美容に関係ないことをしようと思って見つけたのが仏像彫刻なんです。まっさらな木からお地蔵様と観音様を彫刻刀で掘っていくんですが、今4体目を作っているところです。できた仏像は母親や義母に送ったりしているんですけど(笑)。これまで動いたり喋ったりという仕事をしてきたので、黙々と誰とも喋らずに木とふれあいながら掘り進めていくと、自分が“無”になれて、リフレッシュできるんです。彫刻は削って陰影をつけていくものなんですけど、メイクの陰影って色を足してつけていくものなんです。それに気づいた時、メイクと一緒だなって。結果的には美容に関係あることをしていたんですよね。人に話すと驚かれるんですが、これからも続けていきたいと思っています。
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瀬戸さんにとって「美」とは?
「美」って“衣食住”の中にも入っていないですし、なくても生きていけるものなのに、クレオパトラの時代からずっとすたれずにあるじゃないですか。動物の世界での「美」って、美しくあることで異性を惹きつけることに使われているように思うんです。でも私たち人間は美しくあることで、自分自身のテンションが上がったり、気持ちよく過ごせたりできますよね。そうやって前向きに過ごしていることで異性だけでなく、同性からも魅力的だなと思ってもらえると思うんです。それは男女関係なく、男性も美しくあることで異性・同性に関わらずに魅力的な存在になれるんじゃないかと。それが私にとっての「美」であり、なくてはならないものだと思っています。
●瀬戸麻実さんの愛用コスメ
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〈ポーラ〉B.A カラーズ コレクティッド カラースティック リップカラー・ブラッシュ 税込4,620円
※DEPACOでは、取り扱いはございません。大丸・松坂屋の店舗でお買い求めください。リップだけでなくチークにも使えるんです。マスクをつけているとチークも取れてしまいやすいので、付け直しにも使えるので便利です。誰にでもなじみやすいカラー展開なのと、ほどよいツヤ感があるのでついつい使いたくなるアイテムです。
- 〈SHISEIDO〉マスカラベース インク(6g) 税込3,300円
マスカラ下地なんですけど、まつ毛にこだわりを持たれている〈SHISEIDO〉だけあって、深いネイビーのカラーで、マスクの蒸れにも対応するカール感とコームが小さいので1本1本繊細に仕上がるのと、色がついているので、これ1本でもいいところが好きなんです。
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〈クリスチャン ルブタン〉タンフェティッシュ ルクッション(レフィル) SPF30・PA++(15g) 税込8,250円
〈クリスチャン ルブタン〉タンフェティッシュ ルクッション ケース 税込9,680円
ケースは職人さんが手縫いした刺繍が施されていて素敵で、持っているだけでテンションが上がりますよね。カバー力はとてもナチュラルで、ツヤ感もきれいに出るんです。ダイアモンド、サファイヤ、パールの細かいパウダーが配合されているので、どんな時間でもキレイな肌に見せてくれるお気に入りのアイテムです。
<瀬戸麻実さんプロフィール>
一般社団法人日本ビューティインダストリー協会 代表理事。美容職歴20年。5万人の肌に触れ、丁寧な接客と的確なアドバイスで美容部員時代の売上はアジアエリア2位。ライブコマースに多数出演し、販売力に絶大な定評がある。カウンセリングイベントは数分で満席になるほどマミーズと呼ばれるファンからの熱量が高い。メイクだけでなく、生き方やウェルネスなライフスタイルが女性から共感を呼ぶ。
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前編では、瀬戸さんのBA時代に気を付けられていたことやBA育成講師として伝えられていることなどについて、伺いました。
編集/㈱メディアム 成田 恵子、執筆/北村 文、撮影/三浦 藤一
EDITOR
DEPACO編集部
副編集長 秀島
プロモーション歴10年以上、DEPACOの生みの親。ビューティ系企画~編集~広告~イベントまで幅広く携わる。経験とはうらはらに、百貨店入社をきっかけにデパコスに触れ始めた“保守派”でかつ、"自信はないけど少しはこだわりたい派"。趣味はアート&銭湯めぐり。
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- ※取り扱いの商品には数に限りがございます。
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“十人十色の美衣食住”
ひとそれぞれ、さまざまな「美」を大切にされている方々に迫ります。
今回のゲストは、美容部員時代の丁寧な接客とアドバイスに定評があり、今までに5万人の肌に触れてきたことから打ち立てた独自のメイク理論「#マミ様メイク」がInstagramで話題の “マミ様”こと美容家の瀬戸麻実さんです。美容職歴20年の豊富な知識と分かりやすいメイクテクニックを生かし、美容部員を育成する講師やライブコマースなどでも幅広くご活躍されています。