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【前編】実在するお店・ホテルを描く。親近感のある主人公の姿を描く理由とは?漫画家・マキヒロチさんにインタビュー〈十人十色の美衣食住〉

【前編:漫画家・マキヒロチさんにインタビュー】実在するお店・ホテルを漫画に。親近感のある主人公の姿を描く理由とは?〈十人十色の美衣食住〉

DEPACO編集部
エディター 高梨
2024/08/06

“十人十色の美衣食住”
ひとそれぞれ、さまざまな「美」を大切にされている方々に迫ります。

今回のゲストは漫画『いつかティファニーで朝食を』『おひとりさまホテル』など、親近感のある女性主人公のライフスタイルや心情など等身大の姿を描く、漫画家のマキヒロチさんです。実在するお店やホテルは細かくリアルな描写で描かれ、ドラマ化された作品もあります。漫画の題材やキャラクターの着想秘話をはじめ、マキさんのライフスタイルや愛用品などについてお話を伺いました。

01
漫画家になろうと思ったきっかけは?

漫画家になろうと思ったきっかけは?

小学生の頃『聖闘士星矢』が好きで、そのことを父親に伝えたら、どういうわけかボーイズラブの“同人誌”をたくさん買ってきてくれてプレゼントされたんです(笑)。
読んでみたら車田正美先生が描いたものではないし、内容も戦わないシーンばかりで、「これは何なんだろう?」と思っていました。小学生なりに考えた結果、車田正美先生ではない人でも『聖闘士星矢』を描いていいんだという結論に達して、それから模写するようになったんです。
そんな私を見ていた母親が「そんなに漫画が好きなら描いてみたら?」と漫画が描けるスクリーントーンやつけペン、ペン先、インクなどの一式を買ってくれたのがきっかけで、漫画を描きはじめました。

02
デビューのきっかけを教えてください

最初は小学校6年生の時に『りぼん』に投稿して、中学生ではもう少し恋愛要素の強い漫画が好きになって『別冊フレンド』に投稿を続け、たくさんの賞もいただきました
当時、安野モヨコ先生やジョージ朝倉先生が新しい感覚の少女漫画を描いていたことに影響を受けたこともあって、『別冊フレンド』を選んだんです。
でも、連載できるほどのレベルではなかったですし、前衛的な少女漫画をはき違えていたようで、伸び悩んでいる時期でした。
とてもじゃないけど、安野モヨコ先生やジョージ朝倉先生の後には続けないなと思っていたところに、担当編集から「全然違う青年誌に投稿すれば?」と勧められ『週刊ビックコミックスピリッツ』に出したら一発でデビューが決まりました
最近の作品も女性主人公ではありますが、青年誌で掲載したりしています。これは、意外と多い女性読者に向けた漫画が必要とされている流れでもあるんです

デビューのきっかけを教えてください

03
マキ先生の漫画は実在するお店やホテルを描かれています。実在する場所を描かれている理由はありますか?

「朝食女子」たちの姿を描いた『いつかティファニーで朝食を』は担当編集から「朝食メニューを出すお店が増えてきている」と提案された企画から生まれました
ひとりホテル時間を楽しむ女性を主人公にした『おひとりさまホテル』はコロナ禍に取材に行ったあるホテルが、オープンしたばかりなのに閑散としていたのが気になったのと、気分転換に都内のホテルへ泊まるようになったら改めてホテルの魅力を感じて、ホテル業界を盛り上げたいと思うようになったのがきっかけです。
その頃にひとり時間を楽しむメディア「おひとりさま。」を運営しているまろさんの存在を知って、一緒に企画を考えました。架空のホテルにしてしまうと、泊まってみたいけど実在しないじゃないですか。それでは当初のホテル業界を盛り上げたいという意図に反してしまうので、実際のホテルを題材にすることにしたんです。
コロナ禍前もホテルに一人で泊まることはありましたが、“そのホテルに泊まること”を目的とするようになったら、ホテルの素晴らしい点やさまざまなサービスに気づけて、それが作品の源になっていますね。

マキ先生の漫画は実在するお店やホテルを描かれています。実在する場所を描かれている理由はありますか?

04
取材先を選ばれるポイントを教えてください。

1冊の中でスタイルが偏らないようにエリアやジャンルもバリエーションを考えて選ぶようにしています。キャラクターが動き出すとその行動から逆算して取材先を選ぶことも増えてきます。ストーリーの流れに合わせて臨機応変に考えている感じです。

05
取材する時に心がけていることはありますか?

読者の新しい発見につながるような、お店やホテルのヒストリーを探しています。またその土地を一緒に紹介するとおもしろそうと思ったらその土地のことも調べます
一貫していることは、本を買ってもらう以上、読んでも学ぶことがなかったと言われないように、何かしらの情報を読者にちゃんと提供したいという気持ちで取材しています。
ホテルの描写も細かく描いているので、写真はたくさん撮りますね。キャラクターの動線を考えると泊まる部屋以外にもレストランやそのエリアに行くまでの廊下なども必要になるので、サイトには載っていない地味な写真もたくさん撮ります(笑)。
ホテルによってスタッフの方の雰囲気も違うので撮らせていただきます。
そのホテルの印象となる象徴的な風景を私なりにチョイスして、見開きページで紹介しているのがこだわりです。ページ数の都合で入っていない回もあるんですが(笑)。
情報ってどんどん新陳代謝していくので、10年後に『おひとりさまホテル』の1巻を読んだ時に「なぜ、このホテル?」と思う読者がいるかもしれませんが、こういう時代があったんだという記録として残ればいいかなと思っています

漫画『おひとりさまホテル』より
漫画『おひとりさまホテル』より (c)まろ マキヒロチ/新潮社

06
マキ先生が描かれるキャラクターは親近感があります。キャラクター作りはどんなところから着想されていますか?

『いつかティファニーで朝食を』の時はリアルな友人をモデルにしていて、友人を呼んでは愚痴を聞かせてもらいました。愚痴を聞いているうちに、彼女がこんなに頑張っている瞬間が誰にも知られずに終わるのは惜しいと思いました。せめて漫画に残したら誰かが共感するかもしれないし、彼女が努力したことが残せるような気がして、ネタに使わせてもらっていました。
楽しい、ハッピーみたいな話よりも愚痴のほうがネタになっていたように思います。モデルになった友人の名前をそのまま使っていたので、もちろん本人も知っています(笑)。たまたまその友人は群馬県出身で、地元のご友人にも取材させてもらった関係で、漫画に群馬県が多く登場するので、現地の読者からも共感を得られましたね。
この漫画を描く前は単行本を1冊しか出していなくて、こんなに長期連載になると思っていなかったんです。なので友人にも軽い感じで主人公にする許可をもらったのに、14巻まで続いたんですよね(笑)。

07
キャラクターのファッションはどのように考えていますか?

ファッションが好きなので、キャラクターごとに服装を考えるのは楽しいです。毎回服の資料をまとめた指示書を作っていて、アシスタントは何のブランドかも分からずに頑張って描いてくれています。
スケボーに魅せられた女性のストーリーである『Sketchy』の服装も、昔は男性スケーターの服装をまねるしかなかったのですが、今はスカートやホットパンツなどいろいろなファッションがあります。それを楽しんいるガールズスケーターがいることを伝えたかったんですが、ファッションを考えるのはやっぱり大変です(笑)。

漫画『Sketchy』より
漫画『Sketchy』より

08
『Sketchy』を描こうと思われたきっかけを教えてください。

『いつかティファニーで朝食を』が終わる頃に新しい連載の提案を受けて、私が人生で後悔していることを漫画にしたいと思って、スケートボードを題材にしました
スケートボードは中学生の頃からやりたかったんです。でもスケートボードシューズを買ったらその日に盗まれたり、仲良しの友人が彼氏にスケボーを教わりはじめて、彼氏がいるかわいい女の子しかできないんだと勝手に挫折しました(笑)。
それからはスケートボードの映画を見ては何回もやりたいと思っていたんですが、どこからスタートしたらいいのかわからなくて諦め続けていたんです。
漫画の題材にするからには取材もしなければならないと思っていた時に、ちょうどスケートボードの大会で初めて金メダルを獲った女性スケーターの西村碧莉(あおり)さんがいることを知って、ガールズスケーターがこれからはやるんじゃないかと感じました
実際に調べてみたら昔よりもスクールが多かったり、アラフォー向けスクールもあったので、今ならできるかもと思いました。オリンピックの競技として採用が決まったぐらいの時期だったので、スケートボードをもっと盛り上げられたらいいなという思いで連載をスタートしました
今でもグルメ漫画をやらないかというお話をいただくこともあるんです。でも自分が今までやったことがない題材にチャレンジしていきたくて。一人で朝食を食べられない、ホテルに泊まれないとか、スケートボードできないなど、何かしてみたいけど勇気がないという方に身近なキャラクターがチャレンジしている姿を見せて、一歩を踏み出すひと押しができたらいいなという思いで描いています。

09
スケートボードは今も続けていますか?

最近は忙しくてなかなかできませんが、1年半ぐらいの間は週3~4回のペースでやっていましたし、国内・海外に関係なく旅先にもかならずスケボーデッキを持って行きました
アラフォーなので若い子と比べると全然上達しないんですが、私が通っていたスクールはアラフォーの初心者の方がたくさんいたので、そんなに劣等感を持たずに自分のペースで続けられました。スケートボードのパークによっては大人と子どもが混合の所もあるので、若い子にKOされちゃうことは多いです(笑)。オリンピック後はパークも増えて、商業施設の中に大きなパークができたりしていてびっくりします。
『Sketchy』は北米版が2024年の2月に発売されて、海外からも日本のスケーターが注目されているのを感じます。

後編では、マキヒロチさんのライフスタイルや愛用品について伺いました。

<マキヒロチさんプロフィール>
第46回小学館新人コミック大賞入選後、『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にてデビュー。『いつかティファニーで朝食を』(月刊コミックバンチ)では「朝食女子」というワードもブームに。ほかにもスケートボードに魅せられた女子の挫折と再生の日々を描いた『Sketchy』(ヤンマガサード)、ホテルに魅せられ新しいライフスタイルを模索する人々を描く『おひとりさまホテル』(月刊コミックバンチ)の著書を出版。『それでも吉祥寺だけが住みたい街ですか?』(ヤンマガサード)は講談社の漫画アプリおよびウェブコミック配信サイト(コミックDAYS)にも連載中。

編集/㈱メディアム 成田 恵子、執筆/北村 文、撮影/鈴川 洋平


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EDITOR

DEPACO編集部

エディター 高梨

マキ先生の作品は私も大ファン!先生はその観察眼が素晴らしく、描かれる女性も本当にリアルで、リアルだからこそ社会的なブームを牽引するのだと思います。デパコスを題材にした作品もいつか読んでみたい!(笑)
肌悩み
  • シミ・たるみ
好きなメイク
  • 素肌風ベースにリップしっかりめ
コスメの悩み
  • メイクの引き算が難しい

旅行誌の出版社で編集職を10年以上経験。出産を機にキャリアを見つめ直し、今後は大好きな美容の情報発信をしたいという想いでDEPACO編集部へ。美容はスキンケアやベースメイクでの“土台作り”が好き。趣味は旅と料理。

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