【ママ美容:前編】Vol.7 宇藤えみ(スタイリスト)<Switching Story ~“母”の顔と“私”の顔~>
01
スタイリストを目指したきっかけは?
アパレルブランドのバイヤーを目指して服飾の専門学校に通っていました。学校に行きながらいろいろな方と触れ合う中でたまたまファッションスタイリストのアシスタントになって、その世界を知ったのがきっかけですね。
洋服もファッション雑誌も好きだったので、3年ほどアシスタント修業してから24歳ぐらいに独立して、ファッション雑誌や広告などの仕事をしていました。当時はティーン向け雑誌の仕事が多かったので、そのスタイリングが中心。私自身も茶髪にしていたり、今とは全然違うスタイルだったんです。
でも私個人としては「和」ものが好きだったのでファッションやインテリアはその時にはやっているトレンドに合わせた洋風な部屋に住みながら、器とか小物は「和」の物を揃えていて、仕事仲間からは「おかん」と呼ばれていました(笑)。
02
フード、ライフスタイルとジャンルの幅を広げたきっかけを教えてください。
一人目の子どもが生まれてからです。基本的にワンオペだったので、家庭と両立しながらどんな仕事ができるかと考えた時にはじめたのが、テーブルコーディネートのスタイリングでした。
何か勉強したわけではなく自分の感覚でやっていくうちに少しずつ仕事をいただけるようになったんです。ファッションをやっている時から人を招いて料理を振る舞うことが好きだったので、それを知っている編集者から声をかけていただくこともありました。
同世代の編集者の中にはファッション系から暮らし系の雑誌に異動した方もいて、そんなご縁のおかげでジャンルの幅が広がりました。
03
ライフスタイルというジャンルを選ばれた理由は?
ファッションの仕事はとっても楽しかったんですが、徹夜してそのまま早朝撮影ということも多くて。私と夫の両親は離れて暮らしているので子どもを預けられる環境でもなくて、現実的に続けることは難しかったです。
もちろん広告の場合は長時間になることもありますが、自分が対応できる範囲であれば、お受けすることもできました。
決められたテーマで洋服のコーディネートを組むのは10年以上やっていたのでやり切った感もありましたし、私の気持ちもライフスタイルに興味があったことが大きいですね。
04
妊娠中から仕事の取り組み方に変化がありましたか?
初めての子どもだったこともあって、私のモチベーションが「ファッションではないのかな」と考える時期でもあり、ちょうどこのままで仕事を続けていくかどうかを考えるよいタイミングになりました。
妊娠中もお腹が目立つようになると現場スタッフに気を遣わせてしまうことがあって、仕事は受けたいけど無理してまでは受けなくてもいいのかもと思うようになりました。
だからファッションをあきらめるというよりは、プラスに考えて子育てを優先しながらどんな働き方ができるかを考えていました。
05
ご出産後、子育てと仕事を両立されてきた中で、悩まれたり、難しいと感じられたりしたことはどんなことですか?
一人目を産んだ時に、働きたいのに働けないという気持ちもありながら、子育ては大事にしたかったので、どんなスタイルで仕事をしたらいいのか悩みました。
それまでガッツリ仕事をしてきたタイプだったし、一人の自由な時間もたくさんあったのに、子どもを育てるとなると自由がなくなってしまって、モヤモヤしていた時期でしたね。
依頼される仕事はファッションが中心でしたし、お断りすることが多くなるとオファーも途切れてしまって、1年ぐらいは子育てを優先しながら仕事をしていました。
子どもが1歳になって保育園に預けることにし、本格的に仕事を再開して、依頼された仕事は全部受けていたんです。でも17時には迎えに行かなきゃならないし、翌日に送り出すことを考えたりすると、気持ちが爆発してしまうことがありました。
私がピリピリしていたので子どもは悪くないのに「早くして」と急かしてしまったり、イライラしていたと思います。
06
それを解決するために心がけたことや、変化したことはありましたか?
親友が同じタイミングで子育てをしていて、それまでバリバリ仕事をしていたのに彼女のペースで仕事をしていたんです。もし周囲の友人たちもガツガツ仕事していたら不安になって「何かしなきゃ」と焦ってしまったかもしれませんが、そんなスタイルを見て気持ちがラクになりました。
夫にもモヤモヤした気持ちを話していたので、私が苦手なパソコンの作業や事務的なことを忙しい彼なりにサポートしてくれました。
それからInstagramに投稿することも息抜きになりましたね。もともと日記のような感覚で自分の好きなものを投稿していたんですが、ライフスタイルの仕事に繋がるようにもなって、無理せず自分のペースで興味がある仕事を受けるようになりました。
なので、二人目の時は生後3カ月ぐらいから仕事を再開したんです(笑)。子育てに慣れていたのもありますが、ライフスタイルの仕事が増えて「子連れでもいいよ」と言ってもらって家で子どもと一緒に撮影することも多くなり、楽しみながら仕事ができるようになって。子どもと向き合っているだけじゃなく、仕事を受けていたほうが息抜きになることに気づきました。
07
仕事と家庭の自分を「スイッチ」するために心がけていることはありますか?
都内に住んでいた時も自宅で撮影することが多かったので、家を掃除して整えることで仕事のスイッチが入ります。
朝、家族を送り出した後に天気がよい日は全部の窓を全開にして空気を入れ替えて掃除してから、ダイニングで作業するんです。お香を焚いたり、好きなお茶を飲んだりしてひと息ついてから「スイッチ」を入れる感じです。
夕飯を作る時はその日の都合によって、日中の打ち合わせが終わった合間で仕込んでおくこともあるので、ON・OFFは意識していません。
〈オサジ〉が展開する〈kako 家香〉は、自分の好みに合わせたオリジナルの香りを調香してくれるブランドで、こちらは妊婦の時に調香したのですが今でも癒やされる香りで、リピートしています。
08
葉山に移住されたきっかけを教えてください。
山と海に囲まれた所に住んで子育てしたいという思いはありました。私はどこでも仕事ができますが、夫は仕事の都合で都内を離れるのは難しかったんです。でもコロナ禍で夫の働き方にも変化があって移住することを考えられるようになりました。
この辺りの土地を探している方は多いと思うんですが、そんなに時間がかからずに見つけることができました。千葉方面へもグランピングに行ったりして雰囲気を見たんですが、私が育った愛媛の海の感じを求めていたので、何だかピンとこなくて。葉山の海や山の感じのほうが私たち家族にはしっくりきたので、ここに決めました。
妊娠中に土地が決まってリノベーションの打ち合わせをしていたので大変な面もありましたが、楽しみながらプランを考えていました。でもコロナ禍の影響で資材の価格が高騰したり、部品の入荷遅延などもあって、建てるのは予定よりも時間がかかったんです。まだ外壁や庭など完成していない所もありますが、思い描いていた家になっています。
09
移住されて変化したことはありますか?
すぐそばに海や山があるので、子どもたちが自然に触れ合って過ごせています。都内に住んでいる時は休みになるとどこへ連れていこうと悩んでいましたが、すぐそこに海があるし、山登りもできるので、ありがたい環境ですね。
一人目の子は自然や虫も大好きで、前からよく虫取り網で蝶々を探していたので、今は天国です(笑)。ここでの生活を楽しんでいる姿を見ると、移住して良かったと実感します。
食に関しても直送の野菜を売っている所や採れたての魚が買える鮮魚店もあって、食育も自然に整えられるようになりました。子どもたちは美味しい味を知ってしまったので、スーパーで買った魚やわかめをあまり食べなくなっちゃって、逆に困ることもあります(笑)。
後編ではモノ選びや美容でこだわっていることについて伺いました。
<宇藤えみさんプロフィール>
フード、ライフスタイル、ファッションなど幅広い分野のスタイリストとして活躍。家族との日常や日々の食卓など、季節を取り入れたライフスタイルを綴ったInstagram(@emiuto)も注目を集めている。2022年秋に都内から葉山に移住し、雑誌『LEE』(集英社)では「家族で楽しむ季節のめぐり」にて葉山でのライスタイルを連載。
編集/㈱メディアム 成田 恵子、執筆/北村 文、撮影/三浦 藤一
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EDITOR
DEPACO編集部
エディター 高梨
旅行誌の出版社で編集職を10年以上経験。出産を機にキャリアを見つめ直し、今後は大好きな美容の情報発信をしたいという想いでDEPACO編集部へ。美容はスキンケアやベースメイクでの“土台作り”が好き。趣味は旅と料理。
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出産すると体調や体形もこれまでの自分とは全く違うものに。今までとは異なる美容の悩みを抱える女性も多いはず。また、女性としての生き方と母としての人生の両立を難しいと感じる人や、今後のキャリアについて悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
そんな人たちの美や人生のヒントになるように、仕事と家庭、2つの顔を持ち、母になったことでさらに美しく輝いている女性にフォーカスし、連載します。
第7回はスタイリストとして活躍され、2児の母である宇藤えみさんです。