【ママ美容:前編】Vol.9 川田裕美(フリーアナウンサー)<Switching Story ~“母”の顔と“私”の顔~>
目次
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01アナウンサーになろうと思ったきっかけを教えてください。
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02読売テレビ入社後は、どんなアナウンサーを目指していましたか?
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03フリーアナウンサーとして独立しようと思われたきっかけはありましたか?
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04東京でフリーになることに不安はありませんでしたか?
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05フリーになってからどんな仕事が楽しいと感じていますか?
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06妊娠・出産されてから仕事に対する意識や取り組み方に変化はありましたか?
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07子育てと仕事を両立されてきた中で、悩まれたり、難しいと感じたことはどんなことでしたか?
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08それを解決するために心がけたことや、変化したことはありましたか?
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09子育てで心がけていることはどんなことですか?
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10仕事と家庭の自分を「スイッチ」するために心がけていることはありますか?
01
アナウンサーになろうと思ったきっかけを教えてください。
ぼんやりと「アナウンサーってかっこいい仕事だな」と中学生ぐらいから思っていたんです。でもどうせなれるはずないし、自分には関係ないというか想像がつかない業界だったので、一旦は諦めました。
でもいざ就職活動をする段階になって、やはり言葉を使う仕事に就きたいなという気持ちが沸いてきました。そこからアナウンサーに憧れていたことを思い出して、自分が好きなこと、得意なこと、やってみたいことが全部できる仕事はアナウンサーだなと思って目指しました。
大阪出身なのでアナウンサー試験を受けると決めてからは標準語を話せるように、アナウンス学校に2カ月間ぐらいでしたが通いました。
02
読売テレビ入社後は、どんなアナウンサーを目指していましたか?
入社した頃は何が自分の強みかも分からなかったので、バラエティーに対応できる人になりたいのか、ニュースをきちんと読める人になりたいのか、理想のアナウンサー像が分からないまま模索してきたという感じです。
どの番組にも芸人さんたちが出演されているので、とにかく鍛えられましたね。共演者がチームになって一つの番組を作っていくんですが、芸人さんたちのスキルに自分がまだ追いついてなかったので、まずは邪魔をしないようにというところから始まって、パスが来た時にはきちんと返せるようにしたいと、少しずつ芸人さんたちに教えてもらったというか、近づきたくて頑張っていました。
番組によってもアナウンサーの役割をきっちり分けることもあれば、境目がないように一緒に馴染むようなこともあるので、自分のポジションを見つけることに時間がかかったこともありました。
スタッフをはじめ、共演した芸人さんに意見をもらってはとにかくやってみる感じで、私がこうしたいというより、周囲の意見を参考にしました。いまだにどれが正解なのかは分かりませんが、みなさんに作ってもらった今の感じが私らしいのかなと思っています。
03
フリーアナウンサーとして独立しようと思われたきっかけはありましたか?
番組で共演させていただいた宮根誠司さんの影響が大きいです。宮根さんは日々のルーティンをこなすだけでなく、常に新しいものに挑戦し、何か他のことができるんじゃないかと、自分の可能性をどんどん広げていく方なんです。そんな姿を毎日見ているうちに自分を振り返って、私は挑戦してみたいことを全部できているんだろうかと思うようになりました。
アナウンサーという仕事は好きなので、その枠の中での新たな挑戦として、会社を出て違う場所でやってみたいと思うようになり、フリーになることを考えました。
04
東京でフリーになることに不安はありませんでしたか?
大阪でフリーになるという選択肢もありました。でも一旦会社を辞めるのだから、住む場所も変え、東京という場所で挑戦してみることにしたんです。
読売テレビには筋を通したいと思って、アナウンス部長や社長に話して背中を押してもらえる状況になってから事務所を探し始めました。最初は不安もありましたが、今の事務所に決まって、ありがたいことに読売テレビから新しいテレビ番組やラジオの仕事をいただけたので、一応フリーになってから仕事ゼロの時間はまぬかれました。
友達も家族もいない東京に行って仕事がなかったら…という最悪の状況をイメージして、そうなった時の対策も考えていました。家族に相談したら、「もしそうなったら帰ってくればいい」と言ってくれて…。その言葉で「戻る場所がある」という安心感が得られて、気持ちの余裕が生まれました。
05
フリーなってからどんな仕事が楽しいと感じますか?
どの番組も楽しいですね。でも最近楽しいと感じるのは今回のような取材をしていただく仕事です。局アナの時にはあまりなかったですし、自分の人生を振り返るきっかけにもなっています。
06
妊娠・出産されてから仕事に対する意識や取り組み方に変化はありましたか?
妊娠中は仕事にそんなに変化はなく、この先も続けていけるだろうと深く考えていませんでした。一人目の産休に入ろうとした時期にちょうどコロナが蔓延しはじめて、早めに産休に入ったんです。そんな状況下でだんだんと仕事がストップしてきて、出産後に仕事ができるのか不安になりました。
出産してみたら自分が思うようにならないことばかりで体調も全然戻らなくて、不眠もあってフラフラになったのは想定外でした。子どもが6カ月になった頃から少しずつ仕事は再開したんですが、保育園に預けたからといって仕事が今まで通りできるわけではないことに初めて気づきました。
07
子育てと仕事を両立されてきた中で、悩まれたり、難しいと感じたりしたことはどんなことでしたか?
熱を出したと急に呼び出されたら私か夫のどちらかが対応するんですが結構頻度が多くて、二人で困惑しました。そこから夫と話し合って、急な呼び出しがあっても大丈夫なように仕事を組んでいきました。それが出産後、一番慌てたことですね。せっかくいただいた仕事をお断りしなければならないこともあって、すごく葛藤しました。
二人目はこれまでの経験もあるから少しはラクになるんじゃないかと思っていました。確かに二人目のほうが気持ちはラクではあるんですが、子どもが二人揃っている状況の負荷は、2倍どころか10倍ぐらいに感じることもありますね。大変なのは何とか気持ちで乗り切れるところもありますけど、一人で子ども二人を見るのは、幼いうちは危険が伴うので気を抜けないと感じています。
08
それを解決するために心がけたことや、変化したことはありましたか?
とにかく夫と話し合いました。妊娠中からですが、ちゃんと伝えないと相手も分からないので、事細かく対話を持つようにしたんです。
私が一旦仕事をしない、ということも考えました。本当にそうしないと誰も対応できない状況でしたし、急に仕事を休んだり断ったりするストレスより、最初から全部なくしてしまったほうがいいと思ったんです。
でも夫に話したら仕事は続けたほうが私にとってもいいと言ってくれて、私も話していくうちに極端にゼロにするのは違うと気づけました。それからお互いの仕事のスケジュールを調整するようにして、4年ぐらいかけてちょっとずつお互いの仕事のバランスが分かってきたような感じです。
私も夫も両親は大阪なので、何日か来てもらって子どもたちの面倒を見てもらったり、ベビーシッターさんにお願いしたりすることもありますが、基本的には夫と時間を調整して子どもを見るようにしています。
なので、できないことは諦めることにしました。毎日手料理を作るとか、おもちゃをキレイに片づけたい気持ちはあるんですが、それよりも子どもたちが健康で無事でいることを大切にしたいので、手放すことにしたんです。
イライラすることはありますが、徐々にコントロールできるようになってきたように思います。夫婦のどちらかがイライラしていると思ったら、どちらかはその場を和ませるようなことをしながらバランスを取れるようになりました。
妊娠前は受けられる仕事は全部受けて1日3本もこなしたり、出張にも行っていましたが、どうしても急に仕事を休まなければならないことがあると、すごく迷惑をかけている気がしました。
でも休まなければいけない事情を仕事の関係者に丁寧に話すようにしていたら、同じ経験をされている方も多くいましたし、私に代わって仕事を引き受けてくれるアナウンサーの方がいてくれて、そこまで罪悪感を持たなくてもいいのかなと思えるようになったんです。そんな経験をしてから、私も誰かが困っていたら助けたいという気持ちになりました。
会社勤めで育休明けは思うように働けなくて肩身の狭い思いをしている方もいると思いますが、あまり抱え込みすぎずに周囲に助けを求めたり、自分の状況を話して、自分自身が割り切ることも大切なんじゃないかと思うんです。
私も自分で子どものために時短勤務を決めたので、負い目は感じないようにして、その分頑張りますという気持ちに切り替えるように心がけています。
家庭それぞれで優先順位は違うと思いますが、私たちは今、子育てを優先しています。でもある時期がきたらもっと自分たちがやりたい仕事を増やしていこうと夫婦で話し合っています。
先輩ママに「子どもの成長に合わせてできるようになることが増えるよ」と聞いたので、数年後には今は諦めている仕事も受けられるようになるのかもと思えて、それが楽しみになっています。
09
子育てで心がけていることはどんなことですか?
周りと比べて子どもの性格や特徴を決めつけないように心がけています。どうしても比べてしまいがちですが、家にいる時にしっかり子どもたちの良い部分を見るようにしたいと思っています。
私たち夫婦は大阪出身ということもあってか、とにかくよく喋るし、家の中はいつも賑やかです。それがとても好きなので、ちょっとお風呂のタイミングを逃して寝る時間が遅くなったとしても子どもたちが楽しく過ごしている時間を大事にして、急かさないように気をつけています。
毎日のルーティンに囚われてしまうのは私で、夫は緩やかに考えています。子どもたちが遊びに夢中でなかなかお風呂に入らないことに私がイライラしていると、夫に「1日ぐらい入らなくても大丈夫だよ」と言われることもあるんです。最初は無責任に聞こえてカチンときてたんですけど、私もちょっとずついいかなと思えるようになりましたね。
危険なこと以外は、できるだけ好きなようにさせてあげたいと思っています。
10
仕事と家庭の自分を「スイッチ」するために心がけていることはありますか?
仕事のスイッチが入るのは、やっぱりメイクです。
産休中もメイクをしないでいると頭がボーッとする感じがすることがあって、メイクをしたり髪を整えたりすることで気持ちが切り替わりました。あと普段はあまり着ない色の服を選んでいる時は楽しいですね。
後編では美容のお悩みやおすすめアイテムについて伺いました。
<川田裕美さんプロフィール>
2006年読売テレビ入社。アナウンサーとして活躍し、『情報ライブ ミヤネ屋』に出演し注目を集める。2015年にフリーに転身。自身のYouTubeチャンネルでは、妊娠・出産・子育てについて発信し、子育て世代から共感を呼んだ。『あんことわたし 日日大あん吉日』『東京あんこ巡り』『ゆるめる準備 場にいい流れをつくる45のヒント』などの著書をはじめ、バラエティー番組、ラジオパーソナリティーと活動の幅を広げている。
編集/㈱メディアム 成田 恵子、執筆/北村 文、撮影/三浦 藤一、スタイリスト/イケガミ ジュンコ、ヘアメイク/井生 香菜子
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EDITOR
DEPACO編集部
エディター 高梨
旅行誌の出版社で編集職を10年以上経験。出産を機にキャリアを見つめ直し、今後は大好きな美容の情報発信をしたいという想いでDEPACO編集部へ。美容はスキンケアやベースメイクでの“土台作り”が好き。趣味は旅と料理。
- ※この記事は、当記事の公開時点のものです。
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そんな人たちの美や人生のヒントになるように、仕事と家庭、2つの顔を持ち、母になったことでさらに美しく輝いている女性にフォーカスし、連載します。
第9回はフリーアナウンサーとして活躍され、二児の母である川田裕美さんです。