

【ママ美容:前編】忍舞(モデル)インタビュー<Switching Story ~“母”の顔と“私”の顔~>

01
美容部員からモデルに転身されたきっかけを教えてください。
学生の頃から芸能の仕事に興味があって、東京に行きたいと思っていたんです。でも母は芸能の仕事に反対だったので、東京に行くためには手に職をつけて就職しなければいけないと考えて、美容系の専門学校に進みました。
専門学校に通っていたときはメイクが苦手だったので、ネイリストやエステティシャンになろうかと思っていました。ところが東京に旅行したときに〈M・A・C〉のカウンターに初めて行ったら、美容部員さんのユニフォームとメイクがあまりにカッコよくて、「ここに就職したい」と思い入社しました。
就職後もやっぱり芸能の仕事に興味があったので4年で〈M・A・C〉を辞めて、アパレルなどでアルバイトをしながらオーディションに応募していた頃に、サロンモデルをやらないかと美容師さんに声をかけてもらいました。でも親しげに声をかけてくる美容師さんに怖いイメージと人見知りもあって、お断りしていたんです。
そんなある時友人と待ち合わせをしていたら、私も読んだことがある雑誌の撮影モデルを探していると、分かりやすく説明してくれる優しい雰囲気の女性美容師さんが声をかけてくれて、サロンモデルをすることになりました。
その方は雑誌だけではなくショーの仕事もしている方だったので、一緒に組んでエントリーした「サロンモデルアワードジャパン」で賞をいただいたんです。その後、いろいろな美容師さんと仕事をするようになり、サロンモデルだけでなく、雑誌の美容ページのモデルもするようになりました。
スタートが26歳だったので、モデル仲間より編集者さんやライターさんに年齢が近いこともあって、その方々から仕事をいただく機会が増えるようになり、本格的にメイクやファッションのモデルをするようになったんです。

02
妊娠・出産されてから仕事に対する意識や取り組み方に変化はありましたか?
たまたま妊娠期間中は美容の仕事が多かったので、臨月まで仕事をしていました。つわりや体調が悪くなることもない元気な妊婦だったので、ほんとにギリギリまで仕事ができました。
ただ食の好みが変わったことで食べすぎて体重が増えてしまったので、フェイスラインをすっきりさせるためにエステに行ったりしましたね。
子どもが生まれたばかりの頃は授乳がミルクなのに1時間しか寝ないし、寝かしつけに2~3時間かかっていたので、仕事から離れてしまったことへの不安より、子育てすることに精一杯でした。産後2カ月ぐらいから少しずつ仕事に復帰したときは、両立の大変さというよりも外に出られることがうれしかったです。
撮影現場に子どもを連れて行っていたのですが、ある現場ではヘアメイクさんが先輩ママで、子どもをおんぶしてくれたりして、本当にお世話になりました。
出産したことで仕事は一旦リセットされたのでゼロからのスタートでしたが、産後にいただいた仕事は、ほとんどが私の年齢に近い方をターゲットにしている大人向けのブランドだったんです。現場に子どもを連れて行くことを条件にして引き受けるというより、その状況を理解してくれる方たちと仕事をする機会が自然に増えたという感じでした。

03
子育てをしている中で、大変だったことはどんなことですか?
とにかく寝ない子だったので、自分の睡眠をちゃんと取れないことがストレスでした。精神的につらいと感じていたわけではなかったんですがいつの間にか涙が出ていることもあって、改めて睡眠って大事なんだと思いました。
ずっと抱っこしていたから食事をビールとおつまみで済ませていたので、温かい食事をゆっくり座って食べたかったですね。子どもが1歳の頃からコロナ禍になり、外にも出かけられなくなったことにもイライラしていました。

04
それを解決するためにどんなことをしていましたか?
子どもも体力があり余っていたんでしょうね。家にいると泣くんですが外に出かけると機嫌がよかったので、午前と午後に散歩するようにしました。家から徒歩10分圏内に公園がたくさんあったので人と密になることもなくて、美味しいおやつを買っては公園で食べてストレス発散していました。
私と同時期に出産した友人が何人かいて、子どもが同学年の男の子だったので、その友人たちとたまに会うのも息抜きになりましたね。午前中から集まって夕方まで一緒に子育てするみたいな感じで会って、子育ての悩みもたくさん相談にのってもらいました。
保育園にいれることも考えていましたが待機児童も多かったし、コロナ禍で一時保育の時間制限も厳しくなってしまい仕事を調整するのが難しかったので、しばらくは現場に連れて行くようにしていました。でも一時保育に週3日入れるようになった頃から、仕事もガッツリ入れられるようになって。3歳から通いはじめた幼稚園は18時まで預かり保育があったので、夕方まで仕事ができるようになりました。
05
妊娠・出産・産後を経て、変化したことはありますか?
食べ物はすごく変化しました。妊娠する前は甘いものが苦手だったのに、妊娠中は甘い物を欲するようになって初めてパンケーキを食べたりして、ほんと甘いものばかり食べていたから太っちゃって。
産後は甘いものは好きだけど妊娠中ほどではなくなったのに、今度は肉を食べると吐いたり下したりするようになってしまいました。そこから植物由来の食品を中心にした「プラントベース」の食事スタイルにシフトするようになりました。
ちょうどコロナ禍でおうち時間が増えていたので、本を読んだり、調べたりして、健康オタク熱が増しましたね。

06
もともと健康や食事に対しての意識は高かったのですか?
20代半ばぐらいから添加物を摂らないようにしていたし、コンビニ弁当も美味しいとか安いと感じていませんでした。お弁当だったら2個とかないと満足しないぐらい食べる量も多かった時期だったので、自分で作ったほうが安上がりでいっぱい食べられると思って、美容部員時代も料理はしていたんです。
高校を卒業してから一人暮らしだったのと、実家でも小学校の頃からごはんを作っていたので、料理が好きというより、生きていくための必然として料理には慣れていたので。
発酵調味料は10年ぐらい前に友人とお味噌を作ってみたら、楽しいし、美味しいし、体調もよくなったので、それからはほとんどの調味料を手作りするようになりました。
実家は牛乳を置かず豆乳が当たり前の家だったので、「プラントベース」にするのも違和感はありませんでした。野菜を自分の畑で栽培したり、スーパーで産地直送の野菜を買うようになったのが前と変化したかなぐらいの感覚です。
以前は肉を食べたいと思うこともあったので大豆ミートを買うこともありましたが、今は肉を食べたいと思わなくなったし、魚を食べています。子どもも同じものを食べているんですが、魚すら食べないので、私よりストイックなヴィーガンですよ。
そのおかげなのか幼稚園で風邪が流行ってもひかないし、1年中半袖の服で過ごしているぐらい健康的なんです。私も以前に比べたら体力がついたように感じます。
食べるものが変わったのでお酒の好みも変わりました。以前は肉とフルボディの赤ワインを合わせたりしていましたが、今はナチュールワインや白ワインのほうが好きです。九州出身なので焼酎や日本酒が好きだし、「プラントベース」の食事にも合うので、飲むことが多いです。

07
仕事と家庭の自分を「スイッチ」するために心がけていることはありますか?
まったく何も変わらないので意識していることはありません。平日と週末で服装やメイクは変わりますが、テンションはあまり変わらないです。
仕事が大好きなので、昔から仕事中のテンションは高めです。仕事は、自分だけの時間でもあり、子育てよりも長く携わってきたことなので、自分の感覚を大事にできる時間でもあります。
でもママモードの時は限られた時間でやらなければならないタスクがたくさんあるので、勝手に頭がフル稼働しています。

08
子育てで心がけていることはどんなことですか?
子ども扱いせず、同等の人間として接することでしょうか。周囲の人からも「相棒みたいだね」と言われます。畳んだ洗濯ものを置いておくと子どもがクローゼットにしまうし、毎朝服のコーデも自分でやって、お弁当も自然にかばんにしまってくれます。
お風呂の排水口や床の掃除もしてくれるんです。掃除してくれたときに「めっちゃ助かる!ありがとう!」とすごく喜んでほめたからなのか、それからこまめに掃除するようになって。だから子どもがやってくれたことは当たり前と思わず、ちゃんと感謝を伝えるようにしています。
たとえば、ごはんの準備のときに「何をすればいい?」と彼に聞かれたら、「ごはんを食べるときって何を使うんだっけ?」となるべく正解を言わないようにして、自分で考えさせています。お手伝いは小さい頃からのほうが習慣として身につきやすいと思っていたので、幼稚園の年中ぐらいからさせています。

後編ではメイクなどでこだわっていることや愛用アイテムについて伺いました。

<忍舞さんプロフィール>
〈M・A・C〉の美容部員を経てモデルに転身。ファッション・美容関連の雑誌、CM、広告などで活躍。2018年に第一子を出産。産後の体調の変化から「プラントベース」ライフにシフトし、モデル業のかたわら手作り調味料や発酵食をはじめ、アロマケアのレッスンやワークショップを開催するなど、健康的でヘルシーなライフスタイルが注目されている。子育てや仕事のことを綴ったInstagramのフォロワーは6.7万人を超える。
Instagram:@shinobuuta
編集/㈱メディアム 成田 恵子、執筆/北村 文、撮影/鈴川 洋平
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EDITOR

DEPACO編集部
エディター 高梨
旅行誌の出版社で編集職を10年以上経験。出産を機にキャリアを見つめ直し、今後は大好きな美容の情報発信をしたいという想いでDEPACO編集部へ。美容はスキンケアやベースメイクでの“土台作り”が好き。趣味は旅と料理。
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そんな人たちの美や人生のヒントになるように、仕事と家庭、2つの顔を持ち、母になったことでさらに美しく輝いている女性にフォーカスし、連載します。
第11回は一児の母でありモデルとして活躍されている忍舞さんです。