【デパコス名鑑Vol. 2】〈アルビオン〉を代表する化粧水"スキコン"に迫る!
「迷ったらスキコン」といわれる名品、誕生。
HIDECO:今回ピックアップするのは、個人的にも愛用している〈アルビオン〉の「薬用スキンコンディショナー
エッセンシャル(以下、スキコン)」。何を隠そう、私のデパコスデビューがこちらの商品で、百貨店に入社した際、いろいろな先輩に「スキコンから始めるといいよ!」とすすめられたのが出合いでした。そのときからずーっと、使い続けています!
大塚:ありがとうございます。これは本当に、長年愛用してくださる方が多い商品なんですよ。
HIDECO:発売から47年経った今でも変わらず「迷ったらスキコンでしょ」と、よく耳にします。それほど愛される名品は、どのようなきっかけで生まれたのですか?
大塚:1972年に「グランデューク」という高級シリーズを発表して、その2年後、さらにワンランク上のアイテムとして"特別な化粧水"を開発したのが始まりです。
なんと、グランデューク時代のローション現物をお持ちいただきました!歴史を感じます。
HIDECO:〈アルビオン〉といえば乳液のイメージがありますが、なぜ化粧水を?
大塚:当時の化粧水は、一般的に"肌を引き締める朝用"と"保湿をする夜用"に分かれていて。「引き締めと保湿を共存させつつ、肌のコンディションを整える。しかも、化粧水ひとつでそれが叶う」というのが開発者の夢だったんです。
HIDECO:スキンケアを簡単かつ効果的にできる"オールマイティな1本"を目指したんですね。
「真っ白な化粧水」という色へのこだわり。
大塚:開発には、もうひとつこだわりがあって。1970年代当時は、化粧水といえば透明か色付きの化粧水がスタンダード。そんななか、開発者がたまたまアメリカの"白い化粧水"を見てインスピレーションを受けて「真っ白な化粧水にする!」と方向性が決まったんです。
HIDECO:配合成分より先に、色が決まったなんて驚きです!
大塚:「白」という色は、「白い国」という意味をもつ〈アルビオン〉にとって大切な象徴。清潔感や、美しさ...それらを見た目のメッセージにも込めるため「真っ白な化粧水を作りたい」と。
結果的に、その「白」へのこだわりが、今でも通用する研究技術になったんです。水分と油分を分離させずに乳化させる技術で、この「白い化粧水」が生まれました。
パッケージや中身は、時代に合わせて進化。
HIDECO:ロングセラーとして愛されるスキコンですが、時代を経て変わってきていることもあるのでしょうか
大塚:実はリニューアルは10回以上しているんですよ。色あせない魅力というのは、伝統を守りながら、時代に合わせて革新的なものを注ぎ込んでいくことだと思っています。
HIDECO:パッケージも少し変化していますよね?
大塚:発売当時は重厚感のあるガラスボトルに、キャップはベルサイユ宮殿でマリー・アントワネットが歩いた小道をイメージして...という、高級シリーズらしいデザインでした。
HIDECO:現在のボトルは軽量感がある樹脂製で、日常的に使いやすくなっていますね。私が愛用しているビッグボトルも意外と軽くて持ちやすいんですよね(笑)
また、「スキコンならではの香りがクセになる」という声も、よく聞きます。この香りのファンが多くて、他の商品に目移りしても戻ってくることもある...とか。
そういえば以前、微香性のスキコンを販売したけれど、結局従来の香りに戻したと伺ったことがありますが、本当ですか。
大塚:1993年に「マイルドノート」を発売したのですが......そちらは早々に廃盤に(笑)。やはり、この香りが好まれているようです。
国産ハトムギ「北のはと」との出合い。
HIDECO:配合成分の進化といえば、ハトムギでしょうか。
大塚:原料のハトムギを国産にするために、北海道にある植物専門の研究機関に相談しまして。20年ほど改良を重ねてできた国産ハトムギ「北のはと」を、スキコンに使うようになりました。
HIDECO:「北のはと」には、どのような特徴が?
大塚 :寒い環境ゆえに他品種や虫の影響を受けにくく、純粋なハトムギが育ちます。2017年からは、契約農家で有機栽培された「オーガニック北のはと」を使用しているんですよ。
HIDECO:「北のはと」を採用されるより前の話ですが、「薬用」にリニューアルもされていますよね。
大塚:有効成分としてグリチルリチン酸ジカリウムを配合し、1998年に医薬部外品に。肌をみずみずしくすこやかに整えるだけでなく、肌あれやニキビを防げるのは、スキコンのさらなる魅力になったと思います。
HIDECO:ちなみに、スキコンの次のアップデートは...?
大塚:それはまだ内緒ですが(笑) 、着々と研究は進んでいます。〈アルビオン〉の歴史に名を刻むリニューアルになる予定なので、楽しみに待っていてください!
使う人を選ばない「お守りコスメ」に。
HIDECO:私が最初に使った際に衝撃的だったのが、乳液先行型の使用ステップ。「なぜ、乳液のあとなのにこんなに肌(※2)に浸透するの?」と。
大塚:化粧水を弾かない乳液は、私たちが誇る独自の開発技術。乳液で肌をしなやかにして、次の化粧品の馴染みをよくする、という技術です。
HIDECO:今でこそ、次に使う化粧品の肌馴染みをサポートするスキンケアはメジャーになりましたが、その先駆者ですね!
大塚:化粧水のほうも、水分と油分が馴染みやすいダブルキャラクターオイルを採用しています。だから、スキコンだけ使っても肌(※2)への浸透のよさを感じるはずです。
※2 角層まで
HIDECO:みずみずしい感触でさっぱりと使えるうえ、しっとり感も。この使用感がとても心地いいんですよね
♡皮脂量が多い男性にもこのテクスチャーは好まれていて、コスメのジェンダーレス化に一役買われている印象です。
スキコンは性別のみならず、脂性肌や混合肌、乾燥肌のどの肌タイプにも懐深くフィットするイメージ。「お守りコスメ」といわれるゆえんは、こういうところでしょうか。
大塚:さらにいうと、使う方の年代も問わないのが魅力で、3世代で愛用してくださる方も多いんですよ。保湿、引き締め、肌のコンディションを整える。この基本が揃っているから、年齢関係なく支持されているのだと思います。
〈アルビオン〉では他のラインの化粧水も販売していますが、どの商品も「ライバルはスキコン」。それほど、深く愛されているんです。
SDGsにも取り組むネクストステージ。
HIDECO:〈アルビオン〉が次に目指されているところは。
大塚:2010年に「白神研究所」を開設して、自社農場で原料を栽培。さらに、バイオテクノロジー研究やオリジナルエキスの開発も行い、新たな化粧品づくりに生かしています。
HIDECO:世の中にはいろいろな美容成分があるなかで、オリジナルの開発にチャレンジされる姿勢がまた魅力ですね!
大塚:〈アルビオン〉の根底には「美しい感動をお客様に」という思いがあって、その感動のためには独自性が重要だと考えています。自然とサイエンスを融合させて、感性に響くようなものづくりをしたいんです。
HIDECO:今はコスメでも、たとえば「自然環境」や「サステナビリティ」などマインドに訴えかけてくる"コト"が重視される時代。そこからブランドや商品のファンになることもありますよね。
大塚:心地よくみんなが生きていける「快適さ」というのが、今の時代の大切なキーワードに。「寄り添う快適さ」がありながら美しさを実現できる、そんな化粧品を生み出していきたいですね。
"スキコン"の歩み
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EDITOR
DEPACO編集部
副編集長 秀島
プロモーション歴10年以上、DEPACOの生みの親。ビューティ系企画~編集~広告~イベントまで幅広く携わる。経験とはうらはらに、百貨店入社をきっかけにデパコスに触れ始めた“保守派”でかつ、"自信はないけど少しはこだわりたい派"。趣味はアート&銭湯めぐり。
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デパコスの中でも「名品」と呼ばれる一品には、長い間人々に愛される理由がある。 DEPACO編集部が、"愛されコスメ"の誕生秘話や進化ポイント、今後の展望などをブランドのキーマンにインタビュー。その秘密に迫ります。
第2回にフィーチャーするのは、〈アルビオン〉の「薬用スキンコンディショナー エッセンシャル」。株式会社アルビオン カスタマーサービス本部 副本部長の大塚裕子さん(以下、大塚)に、誕生秘話から今後の展望までお話を伺いました。