【デパコス名鑑Vol. 7】”諭吉ファンデ”で話題!〈スック〉の ザ クリーム ファンデーションに迫る!
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大人の女性に寄り添うベースメイクが真骨頂
望月美穂・DEPACO編集長(以下、望月):〈スック〉と言えば、4色アイシャドウの「シグニチャー カラー アイズ」や、「顔筋マッサージ」の専用クリームとして人気の「デザイニング マッサージ クリーム」などが、代表作として名前が挙がることが多いかと思うのですが、実は私はベースメイクこそ〈スック〉の“真骨頂”だと思っているんですよ。
佐藤実紗・スック マーケティング部 商品開発マネージャー(以下、佐藤):そうなんです。〈スック〉にとってベースメイクはブランドの起源にも通じるとても大事なカテゴリーです。有名な顔筋マッサージも「ベースメイクを輝かせるための準備」という位置づけであるくらいです。
望月:そんな〈スック〉のブランドヒストリーについて、改めて教えていただけますか?
小野芽以子・スック マーケティング部 PRマネージャー(以下、小野):〈スック〉は2003年に立ち上がったブランドで、来年2023年でブランド誕生20周年を迎えます。ブランド誕生当時のクリエイターが映像畑出身のアーティストだったこともあり、当初から「動きの中の美」を追求しています。光と影、そして動くことによる変化、そうしたポイントがブランドのDNAとして根付いています。
望月:〈スック〉というブランド名の由来も「すっくと立つ美しい姿」から来ているんですよね。
小野:はい、ですのでブランドロゴも横書きではなく、縦書きなんですよ。日本発のブランド、という矜持もあります。
望月:〈スック〉は「大人の女性に向けた」ブランド、というイメージを持っていますが、実際にはどうですか?
小野:明確にターゲットの年代を定めているわけではありませんが、やはり商品を開発する上では大人の肌を考えています。くすみやたるみ、唇の縦ジワなど、大人は肌に何らかの悩みを抱えていますよね。ヨレやすかったり、発色しづらかったり、といった特有のメイクの困りごとにもお応えできるアイテムが特徴です。
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“諭吉ファンデ”誕生の裏側に迫る
望月:なるほど。となると「ザ クリーム ファンデーション」もそうしたアイテムのひとつとして開発された、ということですね。このファンデーションは何といっても1万円する高級ファンデとして、“諭吉ファンデ”というかなりキャッチーなワードでSNS上でもとても話題になりましたよね。
小野:はい。愛称をつけてもらえるほどに認知していただけているというのはとても嬉しいですね。
望月:たとえば商品名が略されたり「婚活リップ」などの愛称で呼ばれたりするものはありますが、商品名にあからさまに「価格」が入るって珍しいですよね(笑)。これについては正直ブランドの皆さんはどう思っていらっしゃるのか、と。
小野:「いつか使ってみたい」という憧れ感や、1万円を払うに値する商品だと認めていただいているということで、ポジティブに捉えていますよ(笑)。
望月:今でこそ、他のブランドからも1万円以上のファンデが登場し、珍しくなくなっていますが、発売当時は社内から反対意見が出ませんでしたか?「そんな高いファンデ売れるわけないだろう」みたいな(笑)。
佐藤:確かに、まずは社内のメンバーに納得してもらわないといけないので、プレッシャーはありましたよね(笑)。でも実は今の「ザ クリーム ファンデーション」は3代目でして。2016年に発売した初代の「エクストラ リッチ クリーム ファンデーション」も“諭吉”価格だったんですよ。
望月:えー!そんな昔から?!
佐藤:はい。品質に自信があるからこそ、堂々と1万円で勝負しよう、と。
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まるで香水?!艶が3段階に変化して寄り添う
望月:初代はどういうこだわりがあったんですか?
佐藤:今の「ザ クリーム ファンデーション」にも共通するのですが、「艶が3段階に移り変わる」というのが最大のポイントです。〈スック〉は「動きの中の美」を大切にしていますから、表情が動くのに絶対に崩れないというのはむしろ不自然、という考え方があります。つけている間も変化が楽しめて、その変化自体が美しく、メイクを落とす直前でさえもきれい。そんな仕上がりを目指しました。つけたては淡く透ける艶、なじんだ後はきらっと輝く艶、適度に皮脂が分泌した後はしっとりナチュラルな艶です。
望月:香水は「トップノート」「ミドルノート」「ラストノート」と3段階に香りが変わりますが、「艶が変化する」という考え方は斬新ですね。大人の女性にしなやかに寄り添ってくれる、そんな優しさを感じます。
佐藤:また計12種の国産美容エキス(※1)を配合した贅沢なファンデーションとして、ジワジワと話題になっていきましたね。
望月:そして次は2代目ですね?
佐藤:2代目は2018年に発売した「エクストラ リッチ グロウ クリーム ファンデーション」です。艶の概念はそのままに、保湿成分も配合し、潤い効果とよりリッチな使用感を目指しました。
※1 オリーブ葉エキス、サクラエキス、ツバキ種子エキス、コイクシード(ハトムギ種子エキス)、マコンブエキス、フィトヒアロン(オクラ果実エキス)、ユズ果皮エキス、リンゴエキス、ゲットウ葉エキス、トウキ根エキス、オウバクエキス、アシタバエキス(すべて保湿成分として)
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名前に「ザ」をつけるのは実は大変だった?!
望月:そしていよいよ、2020年9月に発売されたのが現在の「ザ クリーム ファンデーション」ですね。名前がいきなり潔くなってますね(笑)。
佐藤:そうなんです!「エクストラ リッチ グロウ クリーム ファンデーション」の認知度があがってきていたので、ここで〈スック〉を代表する商品、これまでの集大成となる“王道”のファンデーションを作りたかったんです。
望月:その名前をつけてしまったら、もう後には引けませんもんね(笑)。
佐藤:社内でも、商品名に「ザ」をつけるのは実はハードルが高くて。法務部などの関連部署から「『ザ』をつける理由を教えてほしい」と求められ、プレゼンもしました(笑)。
望月:ではその「ザ クリーム ファンデーション」の進化ポイントを教えてください。
佐藤:まずは肌色を作る色味の粉である顔料という原料があるのですが、その粉をアミノ酸誘導体(※2)でコーティングすることにより、しっとりと滑らかで粉感を感じることがない肌当たりと、肌と一体化するような艶が実現できました。
※2 ラウロイルアスパラギン酸Na、配合目的:感触調整
望月:粉をコーティングするって、すごく難しい技術なんじゃないですか?
佐藤:オイルの量などの配合バランスも変えるので、一から作り直したも同然でしたね。また、何よりこだわったのが伸び感とフィット感のバランスです。少ない量で伸び広がることと、その薄膜がピタッとフィットして効率的にカバーすること、この両立を実現しないと、ドレッサーの1軍から落ちちゃいますからね。
望月:確かに、何かしらストレスを感じるとすぐにお蔵入りになってしまいますもんね(笑)。
佐藤:それから国産美容保湿エキスも13種(※3)に増えました。また発売の翌年にはグローバル展開に対応し、カラー展開を23色に拡大しました。「標準色」という考え方をなくし、どなたでも「なりたい肌の色」になれる、自分だけの”個色”を選べるラインアップにしています。
※3 緑茶エキス、シルクプロテイン、オウバク(キハダ樹脂)、オリーブ葉、サクラ葉、ツバキ種子、トウキ根、オクラ果実、ユズ果皮、リンゴ果実、マコンブ、ゲットウ葉、アシタバ葉/茎(すべて保湿成分として)
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妹的存在の「ザ リクイド ファンデーション」も誕生!
望月:こうして「ザ クリーム ファンデーション」はさらに“諭吉ファンデ”として名を上げ、ベストコスメなども総ナメした、というわけですね。そんな熱狂も冷めやらぬ内に、2022年に入ったら今度は「ザ リクイド ファンデーション」が発売されましたよね。
佐藤:はい、実は百貨店コスメのユーザーには、リキッドファンデーションを愛用している方が多い、というデータがありました。ベースメイクにはこだわりがあるブランドとして、「ザ クリーム ファンデーションをご愛用の方にもご納得いただけるようなリクイドを作りたい!」と思った次第です。
望月:どのようにクリームと差別化したんですか?
佐藤:リクイドはブランド至上最高の滑らかさを目指しました。「フルイドピグメント」という液状顔料を使用することで、パウダーレスで肌にピタッと寄り添うような密着感と高輝度な艶を実現しました。
望月:クリームとの艶の違いはあるんでしょうか?
佐藤:クリームが広い範囲でじんわりと滲むようなまろやかな艶だとしたら、リクイドは頬の高い位置で自然発光するような高輝度な艶ですね。艶の質の違いを楽しんでいただくためにも、ぜひ“姉妹”で揃えていただきたいですね。
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来年ブランド誕生20周年を控え、今思うこと
望月:〈スック〉は冒頭にもあったように、2023年でブランド誕生20周年を迎えるんですよね。
小野:ありがたいことに、「ザ クリーム ファンデーション」や「ザ リクイド ファンデーション」、「シグニチャー カラー アイズ」など、話題にしていただける商品がたくさんあるのですが、意外と「〈スック〉ってどういうブランド?」となると、ご存じでないお客様もまだまだ多いのでは、と思っています。20周年を迎える前のこの大事な1年は、ブランドの起源や哲学、こだわりなどをしっかりとお客様にお伝えしていきたいですね。
佐藤:そうすることで、ご購入いただいた商品をより愛せて、自信を持ってお使いいただけると思います。
望月:確かに、今日は「ザ クリーム ファンデーション」の誕生秘話を伺えて、より愛着がわきました。ありがとうございました!
EDITOR
DEPACO編集部
編集長 望月
新聞記者やビューティ業界紙の編集記者を経て、大丸・松坂屋に入社。化粧品各社の戦略やビジネスなど、ビューティ業界を見つめて早10数年。年齢に伴う肌悩みに向き合いつつ、無理をしない「ながら美容」を追求する編集部最年長。愛犬の散歩で1日平均1万歩の健脚が自慢。
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デパコスの中でも「名品」と呼ばれる一品には、長い間人々に愛される理由がある。
DEPACO編集部が、“愛されコスメ”の誕生秘話や進化ポイント、今後の展望などをブランドのキーマンにインタビュー。その秘密に迫ります。
今回は、SNS上で”諭吉ファンデ”の愛称で話題を呼んだ〈スック〉の「ザ クリーム ファンデーション」について、スック マーケティング部 商品開発マネージャーの佐藤実紗さんと、同 PRマネージャーの小野芽以子さんにお話を伺います。