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【後編】“美“とは発見。スキンケアと着物と声と。フリーアナウンサー・近藤サトさんにインタビュー

【後編】“美“とは発見。スキンケアと着物と声と。フリーアナウンサー・近藤サトさんにインタビュー【十人十色の美衣食住】

DEPACO編集部
副編集長 秀島
2022/10/05

“十人十色の美衣食住”
ひとそれぞれ、さまざまな「美」を大切にされている方々に迫ります。

今回のゲストは元フジテレビアナウンサーで、退職後フリーアナウンサー・ナレーターとして活躍。2018年に“グレイヘア”でメディアにさっそうと登場し、自然体で映る姿に注目が集まる近藤サトさんです。現在は低音で落ち着いた声質を生かしたナレーションや朗読だけでなく、趣味の着物の魅力も発信されています。

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スキンケアで何か心掛けていらっしゃることはありますか?

スキンケアは実はほとんど何もしていない感じで、ワセリンやヒルドイドといった、いたってシンプルなアイテムのみを使っています。もう6~7年続けています。このケアに至ったのも、化粧品を使うのを一旦やめてみることを勧められたのがきっかけです。その時、家にあった化粧品を母にあげちゃおうと思っていたのに、母が「私もやめる」と言い出しました(笑)。このシンプルなケアが私は気に入っているので続けていきます(笑)。でもメイク品は使いますよ。

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食生活や日常生活で気をつけていることはありますか?

40歳代の頃からパーソナルトレーニングに通っていて、強くしなやかな体作りを目指しています。でもここ2カ月ぐらいサボってしまっていて、トレーナーから「いつ来るんですか?」って連絡が来ています(笑)。その間に完全にリバウンドをしてしまいました…。

周囲でもいまだにスタイルをキープしている方々は、努力されていますよね。私はあんまり頑張っていない方ですが年齢なりに一般的な情報は入ってくるので、たんぱく質を摂る、油ものや炭水化物・糖質は控える、という意識だけは持っています。食べ過ぎると年齢のせいもあるのか、体に変調をきたしますね。トレーナーに食事のアドバイスをしてもらいますが、私があまり言うことを聞かないと分かっていて、「乳製品摂り過ぎていないですよね?」「白米は食べすぎてないですよね?」とわざと聞いてこられます(笑)。

仕事の移動は公共の交通機関を利用していて、できるだけ階段を使うようにしていますが、散歩はあまり好きではありません(笑)。健康診断に行くと女性ホルモンが下がってきているので、転ばないように気をつけるようにと言われます。先日全身のレントゲンを撮ったら、ストレートネック+逆ぞりだと言われたので、さらに気をつけるように。おそらくナレーション原稿を読む時の姿勢の問題だと思いますが、それに気がつかないでいる人が多いみたいです。でも、着物を着て帯を結ぶことが肩甲骨の運動の代わりなっているよう。着物の帯って背中で結ぶので、手が回らないと帯が結べなくなってしまうじゃないですか。なので、肩甲骨周りをよく動かすためにも1日1回着物を着るのは良いみたいです。

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“グレイヘア”にされてから服装に変化はありましたか?お着物をお召しになる理由にも通ずるのでしょうか?

以前から着物は好きでしたが、実はそんなに着てはいませんでした。“グレイヘア”になってから、うれしいことに世間から注目されるようになり、テレビ出演やメディアの露出が増えました。でも私はナレーションの事務所所属なので、スタイリストさんやヘアメイクさんの知り合いがいなかったんです。
事務所の方と相談してヘアメイクさんは依頼できるけど、衣装は自分でやろうということになったのですが、洋服って限界があるじゃないですか。でも着物は持っていたので、それを着ることにしました。“グレイヘア”にしたから着物を着ていると思われがちですが、着る洋服がなかったので着物にしたという感じです(笑)。
今、着ているものはすべて自前で、フジテレビ時代から集めていたものですが、普段着物を着ることはほとんどありません。着物姿で出歩いていると「近藤サトです」って感じになり、周囲の方にバレてしまうので(笑)。

洋服は流行があるので、いくら高級ブランドでも30年前の服は着られないですよね。でも着物は形が変わらないので、30年ぐらい前のものであっても今でも普通に着れるところが好きです。
祖母が着物の仕立てをしていたのもあって、着物が当たり前に家にあったことも好きになったきっかけだと思います。そのうえ、私は3歳ぐらいから時代劇が大好きで、それを見て着物姿や文化的なものに憧れていました。母親が着物好きだったことも影響していますね。
昭和の時代は嫁入り道具のひとつとして着物を揃えたり、お友達同士で大島紬を買いに行ったり、百貨店の外商でバンバン着物を買う時代でしたからね(笑)。でも振袖や訪問着、留袖といった晴れの日の着物って、年に1回とか一生に2回くらいしか着ないから、値段が高く感じますよね。でも着物を特別なものにしてはいけないと思うんです。今日着ているのはお召しですが、普段に着れるような木綿や紬をもっと着よう!ということを伝えていきたいと思っています。

“グレイヘア”にされてから服装に変化はありましたか?お着物をお召しになる理由にも通ずるのでしょうか?

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フリーアナウンサーとして「日本人の声の高さ」について気になると伺いました。その理由について教えてください。

声の高さは個人差がありますが、実は自然に使い分けているそうです。例えばボーイフレンドと初めてデートする時や男性の多い環境にいたりすると、女性の声のキーが高くなっている可能性が高い。生存戦略的にというか本能的に声を高く出してしまっていることが多いのだと思います。アニメなどでも、ヒロインの声はとてもキーが高いじゃないですか?アメリカでは声が高いと子どもっぽく感じられバカにされることもあるそうで、ちょっと低い声のほうが大人の女性だと見られるようです。

それはアナウンサーでも同じことで、ニュースを読む時は、声は自然と低くなります。でも声が高い女性のほうが、なぜか可愛がられるという(笑)。日本の社会には、女性はこうあるべき、可愛いくて、庇護されたり守られたりする対象としての方が幸せだ、という考え方がいまだにあるような気がします。声帯は人種でそんなに変わらないのに、日本人女性の声のキーが高いのはちょっと考えさせられてしまいます。それが気になっている理由です。

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近藤さんが声の出し方で心掛けていらっしゃることはありますか?

先程もお話ししたようにみなさんがTPOによって声を出し分けているのと同じで、誰と話すか、どこで声を使うのかによって出し分けていますし、TPO・場所・人などで、声の出し方や話し方をナレーションのように変えて楽しんでいます
例えばパン屋さんで初対面の店員さんに高い声と低い声で話しかけるのでは、店員さんの対応が違うんです。そういう反応を現場検証しているような感覚は常にもっています。タクシードライバーさんと会話する時も声、口調、敬語なのかなれなれしい感じなのか、によっても反応が変わってきますからね。自分の声を意識することで、遊んでいる感じです(笑)。

みなさんご自身の声を「こうだ」と決めつけていると思うのですが、個人差はあっても高い声から低い声までかなりの音域を持っています。子どもを呼ぶ時、職場で話をする時など、ちょっと振り返ってみると声を使い分けていることに気づけて、楽しくなってきますよ。コミュニケーションって大事なので、演じ分けるではないですが、使い分けることを意識するのはおすすめです。
私も若い頃は「自分はこう」って決めつけていましたが、“グレイヘア”にしてから、かなり“たが”が外れたというか心が自由になって、楽しいことが大事だなと思うようになりました。もちろん職人のようにこだわって極めていくのもひとつの生き方ですが、私はどちらかというとアナウンサーだったこともあって、ナレーションもやるし、コメントも言うし、着物のことやYouTubeもやる。今は、広く浅くいろんな状況で声を出し分けてみなさんの反応を楽しみたい、という境地になっています。

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近藤さんが“声で伝える”ことにこだわられている理由を教えてください。

声にこだわっている理由は私にとって楽しみであり、趣味であり、生きがいだと思っているからです。本を読んだり、ナレーションすることが楽しくて仕方がない。それで視聴者も喜んでくれたり、分かりやすかったと言ってくれるならなおさら。

今いろんなお仕事をさせていただいていますが、特にナレーションは10年前に特化して生きていこうと思ったぐらい、一番好きなことです。やっている私自身が楽しんでいたり、生きがい、やりがいを感じていることは、伝える方に対しても大切だと思いますし、やっぱり自分が大好きだということが、一番大きいですね。

でもそれが覆ったのが“グレイヘア”になったことでした。別に私が何かを語ったわけではなく、ただ白髪染めをやめただけ。それなのに、今までどんなに言葉を紡いできたよりも、“グレイヘア”になった、これだけのことのほうが、世間に与える影響がとても大きかったのです。
エレノア・ルーズベルトに「人の生き方を一番よく表すのは、言葉ではありません。それは、その人の選択だ」という名言があるように、まさにそうだと実感しました。私は白髪染めをやめるという選択をして見せただけなのです。なのに、今世間では白髪染めをやめた人として見られている。私がどんなにいい言葉を語っても、そこに勝てない。だからこそ“グレイヘア”に負けないために、これからも“声で伝える”ことを続けていきたいと思っています。

近藤さんが“声で伝える”ことにこだわられている理由を教えてください。

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近藤さんにとって、人には理解されないかもしれない(もしくは理解されなくてもいい)けど、自己満足のためだけにやっていらっしゃる趣味や習慣などはありますか?

たまにですが、家族にも誰にも内緒でひとりで海を見に行きます。ほんとに一瞬です。そのために、公共交通機関を使って、神奈川や千葉の海へ行くのです。行っても何もしない。海を見てちょっと佇んで、歩いて帰ってくる。「今日海行ったよ」とか、誰にもいいません。自分が自由であることを確認したい。何かそんな欲求にかられる時があります。

  • 【十人十色の美衣食住】近藤サトさんにとっての自己満足とは?

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近藤さんにとっての「美」とは?

私にとっての「美」とは発見です。美しいものはたくさんありますが、それを美しいと誰が決めたのでしょう。誰かが最初に「なんて美しい」と言ったから「美しいもの」になったのであって、誰かが見つけないと、この世に生まれなかったわけですよね。
同じように日常生活の中でたくさんの「美」を発見して、「自分の美しいもの」をたくさんもつことができると思っています。だから美しいものを見つける目、そういったものを持ち続けたいですし、育てていきたいです。

  • 【十人十色の美衣食住】近藤サトさんにとっての美とは?

●近藤サトさんの愛用コスメ

  1. 〈SUQQU〉ザ リクイド ファンデーション SPF15・PA++(30mL) 税込11,000円(写真中央)

    以前はクリームファンデを使っていましたが、色選びに迷ってしまうほどカラーバリエーションが豊富なので、リキッドも〈スック〉のファンデを使っています。カバー力や程よい感じのツヤ感がありながら、厚塗りした感じにはならない仕上がりがとても気に入っています。このファンデーションだけは持ち込んで、ヘアメイクさんに使ってもらっています。

    〈SUQQU〉ザ リクイド ファンデーション SPF15・PA++(30mL) 税込11,000円(写真中央)


  2. 〈エルメス〉ルージュ エルメス ボーム ドゥ ソワン プールレ レーヴル(3.5g) 税込8,360円

    ※DEPACOでは、取り扱いはございません。大丸・松坂屋の店舗でお買い求めください。

    メイクにあまりこだわらない私にとってコスメって、ちょっと心を豊かにしてくれたり、カバンから出てきたらニンマリしてしまう自己満足のようなものなので、こういうハイブランドのアイテムは気分が上がります。



  3. 〈シャネル〉ル リフト ラ クレーム マン(50mL) 税込9,350円

    このパッケージも可愛らしい。ハイブランドの素晴らしいところって、超一流のデザインってこと。香りも好きです。嫌なベタつき感が残らないのも好みで、愛用しています。

    〈シャネル〉ル リフト ラ クレーム マン(50mL) 税込9,350円

<近藤サトさんプロフィール>
フジテレビアナウンサーを経て、1998年に退社後フリーランスに。低音で落ち着いた声質を生かし、テレビやラジオを中心に情報・バラエティ番組のナレーションを担当。2011年には日本大学芸術学部放送学科特任教授としてアナウンス実習、朗読、卒業研究などを指導。2018年に“グレイヘア”でテレビに出演し、一躍脚光を浴びる。YouTubeチャンネル「サト読ム。」では朗読をはじめ、着物の魅力についても配信している。

前編では、近藤さんの“グレイヘア”について詳しく伺いました。

編集/㈱メディアム 成田 恵子、執筆/北村 文、撮影/鈴川 洋平

EDITOR

DEPACO編集部

副編集長 秀島

声の出し方で遊んでいるというのがなんともチャーミング!強くしなやかで、かつ、可愛らしさも垣間見えるインタビューでした。自己満足で「人知れず海に行く」は私とサトさんの共通点。盛り上がりました(笑)。
肌悩み
  • オトナニキビ肌
好きなメイク
  • すっぴん風+ワンポイントメイク
コスメの悩み
  • 母親ゆずりの頑固なクマ

プロモーション歴10年以上、DEPACOの生みの親。ビューティ系企画~編集~広告~イベントまで幅広く携わる。経験とはうらはらに、百貨店入社をきっかけにデパコスに触れ始めた“保守派”でかつ、"自信はないけど少しはこだわりたい派"。趣味はアート&銭湯めぐり。

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