【デパコス名鑑Vol. 12】〈ジルスチュアート〉“かわいいカラー眉”が叶うアイブロウパウダーに迫る!
01
日本で企画し、デパコス品質のコスメを展開
IZACO(右):数あるデパコスのなかでも“かわいい”というキーワードで語られることが多い〈ジルスチュアート〉。実は、私のデパコスデビューブランドでもあり、同じように若いころからファンだという方も多いと思います。年齢を重ねた今も、愛用しているアイテムがたくさんあるブランドです。そんな世代を問わず愛されている〈ジルスチュアート〉がどういうブランドなのか、改めて教えていただけますか?
菱木(左):〈ジルスチュアート〉は1993年、ニューヨークでファッションブランドとして誕生しました。化粧品を展開する〈ジルスチュアート ビューティ(以下、ジルスチュアート)〉が登場したのは、2005年。立ち上げ当初はデザイナーのジル・スチュアートの協力のもと、日本で企画し、コスメブランドとしてスタートしたんです。
IZACO:コスメラインすべての企画から製造までコーセーが手がけているというのを、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。コーセーのクオリティーだからこそ、“かわいい”だけに留まらず“高品質”という魅力がありますよね。品質に惹かれる方も多く、大人世代でも手に取りたくなるのだと思います。
菱木:ブランドコンセプトは、「“かわいい”に恋するすべての人に。」。“すべての人”に向けているから、世代のターゲットは設けていないんです。「イノセント&セクシー」というのも大切なキーワードで、ピュアなかわいらしさと大人の色香、大人と少女のはざまにあるような“かわいらしさ”を表現しています。実際にお客様の年齢層も幅広くて、初心者さんから大人世代の方までいらっしゃいますよ。
IZACO:そんな幅広い世代を虜にしたのが「ニュアンスブロウパレット」なんですね。これに関しては、“かわいい”重視ではない方すら魅了したように思います。
02
眉毛でメイクを楽しむ!“脱・ブラウン眉”への思い
IZACO:今でこそ“カラー眉メイク”が一般的になってきましたが、この商品の発売当初は、まだまだブラウン以外のカラーを眉に使うことは少なかったのではないかと思います。
足立(中央):アイブロウの色味は長年、ブラウンしか選択肢がなくて、それが当たり前でした。でも個人的には、「なぜ眉毛はブラウンでないといけないんだろう?」という思いがあって。ブラウンであることがいい理由は説明できるけれど、ブラウンじゃなくてはいけない理由って、誰も説明していなかったですし。アイブロウメイク好きとしては、テンションが上がらなかったんです(笑)。
IZACO:たしかに、「髪色と眉毛の色を合わせましょう」「髪色よりワントーン明るい色味を選びましょう」という眉メイクのセオリーを、あまり疑わなかったかもしれません。アイメイクを遊ぶようになっても、眉毛だけずっとブラウン系でした。
足立:私は、眉毛でも思いきりメイクを楽しみたくて。商品企画を担当するようになり、「〈ジルスチュアート〉らしい“かわいい眉毛”を提案してみよう!」と思い、辿りついたのがこの「ニュアンスブロウパレット」でした。ちょうど、髪色もナチュラルブラウンか黒という選択肢から、カラフルな色やハイトーンなどのさまざまなカラーが流行ったタイミングだったので、カラーアイブロウを提案することを、意外と受け入れてもらえるのではないだろうかと思ったんです。
IZACO:“かわいい眉毛”という響きが新鮮です!ちょっと前のメイクでは、眉毛にかわいらしさを求めていなかった気が(笑)。〈ジルスチュアート〉っぽさを眉毛でも表現できるなんて、うれしいですよね。
03
こだわり抜いた“色展開”と“ふんわり質感”
IZACO:「ニュアンスブロウパレット」が発売された2021年は、“カラー眉メイク”がいくつかのブランドから提案されだしたころ。そのなかで、どのように企画を進められたのでしょうか。
足立:2021年より前にも、もちろんカラーアイブロウはありました。そのなかで私たちがこだわったのは、遊び心と使いやすさのバランスがいい色展開。パレットのなかで捨て色になりづらく、高度なメイクテクニックも不要。尖らせすぎず、でも今までとは違う“かわいい眉毛”になる、すべての人の日常に寄り添えるような色展開を追求したかったんです。
菱木:色展開の絶妙さにも、「“かわいい”に恋するすべての人に。」というメッセージを込めています。〈ジルスチュアート〉というブランドが、流行りを追っているというより、“かわいい”に恋する多くの方に向けてものづくりをしているから、使いやすいという点も重要だったんです。
IZACO:具体的に、色展開ではどのようなことにこだわられたのですか?
足立:〈ジルスチュアート〉らしいピンクニュアンスを、すべての色番に入れることでした。また、ここ数年はパーソナルカラーを参考にコスメの色選びをする方が増えたので、それも意識しました。イエベ/ブルベのそれぞれに合う色のパレットを作り、肌色の延長にある血色のカラー、その血色の方がもつ傾向の地毛のカラーを分析して、3色をバランスよく合わせています。
菱木:全4色展開でスタートして、「01 mocha brown shade」「02 rose pink shade」は、パーソナルカラーを問わず使いやすいニュートラルカラーに。「03 orange shade」のオレンジ系はイエベ向き、「04 purple shade」のパープル系はブルベ向きに作りました。
IZACO:パレットにセットされている3色のバランスが、色味、発色ともに絶妙ですよね。
足立:「パレットにある3色全部を使えないと!」ということで、3色があるからこそ完成する仕上がりにこだわりました。各色番の個性によって、左のライトカラー、中央のピンクニュアンスを利かせたミディアムカラー、右のダークカラーの関係性をみて、細やかな色調整や濃度調整をしましたね。
菱木:3色のどのカラーも眉にのせるとなじみがよくて、濃く見えるダークカラーも「くっきり描きました」みたいな感じになりにくい。全色なじみがいいから、セットされた3色が均等に減っていくんですよね。
IZACO:たしかに。私の愛用しているパレットも均等に減っています。ダークカラーもふわっと発色するから、本当に自然になじんでくれて、“かわいい”印象に仕上がります!
菱木:ふんわりした色づきや粉質も、色展開とともにこだわったポイントなんです。
IZACO:ふわっとした印象にしたいけど、眉毛から色が落ちちゃうと困りますよね(笑)。そのあたり、どのような工夫をされているのでしょうか?
足立:ふんわり感ときちんとした発色のバランスに気をつけました。付着性をよくするとオイルが増えて、ペタッとつきがち。ふわっとつくものは色のりが悪い…。そのバランスをとるために粉をコーティングしたんです。球状パウダーにソフトフォーカス効果があり、光を乱反射してふんわりやわらかな印象に見えるテクノロジーも入っています。
04
テンションが上がる香りと、才色兼備なパッケージ
IZACO:もうひとつ気になっていたのが香りのことです。〈ジルスチュアート〉のコスメにはすべて香りがついていて、もちろんこのアイブロウにも。眉毛に香りって珍しいですよね!
菱木:〈ジルスチュアート〉のメイクアップ製品には共通の「クリスタルフローラルブーケ」という香りをつけています。白い花を集めたフローラルブーケにアクセントとしてローズをプラスした、かわいらしさと大人の色香がある香り。トップノート、ミドルノート、ラストノートと変化していく、香りのピラミッドになっているんですよ。
IZACO:実際には、眉毛にのせた香りを楽しむことはないと思うんですけれど(笑)、パッケージを手に取った瞬間とか、眉毛を描くときに香るのが幸せで。朝、慌ただしくメイクしているときにこの香りがすると、なんだかいい気分になります。
菱木:私たちは、メイクでワクワクする高揚感を大切にしているんです。香りって、幸せの実感として大切な要素ですから。誰かのために香らせるのではなく、自分がメイクアップするときだけに香ればいいんですよね。
IZACO:パッケージデザインも、気分が上がる要素のひとつです。
菱木:パッケージデザインも全製品共通で、ヴィンテージジュエリーをイメージしています。一生物の宝石みたいな、特別なかわいらしさをカタチにしたパッケージで幸福感をもってもらえるようにしたかったんです。
IZACO:このパッケージは、見た目だけでなく機能性にも優れているところがすばらしいです!
足立:実は、2013年に発売した「アイブロウパウダー」から、この形状を採用しているんです。当時の開発担当が、「ギフトに選んでもらえるアイブロウコンパクトを作りたい」と思って手がけたそう。アイブロウはメイクコンパクトのなかでも地味な存在ですが、「フタの上に鏡がついたスライド型にすることでミニミラーとして持ち歩きやすい!」と考えて作ったんです。
IZACO:天面ミラーが、メイク直しのときに大活躍します。化粧室が混みあって鏡が使えない状況でも、このコンパクトがあれば大丈夫。フタを開けずにミラーを使えるのがまた、いいんですよ。開けてブラシが落ちちゃう心配もないですし。
足立:眉全体が映せる大きめサイズで、両眉のバランスを見ながら描けるし、ちょっと離すと顔全体も映せるんです。それを、持ち運びに便利なサイズ感にしました。「とても使いやすい」という声をよくいただきます。
IZACO:付属のブラシも秀逸です。細めブラシと太めブラシのダブルエンドで使い分けできるし、2つ折りになっていて、伸ばすと長い柄になるから描きやすい!
足立:短いブラシだと、どうしても使いづらいところがありますよね。眉毛は「メイクをするのが難しい」と、よく耳にするパーツ。でも、道具に頼ることでとても簡単かつきれいに描きやすくなるので、コンパクトに使いやすいブラシが付属していると便利だと思います。
IZACO:細かいところまで、気が利いているんですね!
05
もっと自由でいい。“カラー眉メイク”の未来
IZACO:誰でも手軽に、気負わず“カラー眉メイク”を楽しめる「ニュアンスブロウパレット」ですが、カラーの選び方や使い方のコツはあるのでしょうか?
菱木:店頭で行っているアイブロウレッスンでは、色の選び方はもちろん、眉の描き方の黄金比などもお教えしています。とはいえ、細かいことを考えすぎず、自由に楽しんでいただけるのがこの製品の魅力。
足立:この製品を開発して全4色がそろったときに、「今日はどの色にしようかな?」と私自身も思ったんです。ぜひ、皆さんにも眉毛の色を選ぶワクワク感や新鮮さを味わっていただきたい!難しいことを考えずに使いたい色を使う、その気持ちに従ってみてほしいんです。
IZACO:その日の気分やファッションによって眉色を変えるのもいいですね。眉毛ありきで他のメイクを決めるのも、今の時代ならアリ!眉毛がこの色だから、アイシャドウはこれとか。他のメイクの色もそうですが、髪色も、どんな色を合わせちゃってもいいのでは、と思います。
足立:髪色との相性も気にしすぎず、何色を組み合わせてもいいのではないでしょうか。もっと、自由に。そんな提案がしたいと思っています。
IZACO:数年前まで眉メイクは、形でしか印象を変えられないと思っていました。色という要素が加わることで、楽しさが広がりましたね。そんな眉メイクの意識を変えるきっかけのひとつになったアイテムですが、今後、どのようなことを目指していますか?
足立:「眉毛でかわいくなれる」という発見をしていただいて、次のステップとしては色の微妙なニュアンスが求められ、ニーズがどんどん細分化すると考えています。そのニーズに応えながら、〈ジルスチュアート〉だから叶う“かわいい眉毛”を伝えていきたいです。
菱木:実は、2023年7月7日(金)に新2色と限定1色が登場します。定番色の追加は、誕生以来初めて。グレイッシュなカラーや、透明感をプラスできるラメ入りなど、より“カラー眉メイク”を楽しんでいただける色設計になっています。主張する色味だけれど、なじみがいいのは従来通り。ぜひ、新しいカラーも思いきり楽しんでみてください!
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EDITOR
DEPACO編集部
エディター IZACO
入社後、お得意様営業部で化粧品企画の担当などを経てDEPACO編集部へ。化粧品との出合いは"舞台メイク"であったことから、カラーメイクなど「気分が上がる・元気になれるメイク」が好き。最近の休日はもっぱらジム通い。
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デパコスの中でも「名品」と呼ばれる一品には、長い間人々に愛される理由がある。DEPACO編集部が、"愛されコスメ"の誕生秘話や進化ポイントなどをブランドのキーマンにインタビュー。その秘密に迫ります。
第12回は、昨今の“カラー眉”ブームの立役者となった〈ジルスチュアート〉の「ニュアンスブロウパレット」。
このアイテムを愛用するIZACOが、株式会社コーセー ジルスチュアート ビューティ ブランドPRの菱木美沙さん(以下、菱木)とプロダクトプランナーの足立悠希子さん(以下、足立)に、お話を伺いました。