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【SDGs×Beauty特別インタビュー】環境活動家・露木しいなさんが思う「環境にやさしい」コスメって?

【SDGs×Beauty特別インタビュー】環境活動家・露木しいなさんが思う「環境にやさしい」コスメって?

DEPACO編集部
エディター 高梨
2023/05/31

「サステナブル」というキーワードは、今や美容業界でも当たり前に語られるようになってきました。大丸・松坂屋では、2023年6月1日(木)→30日(金)に、「コスメロス・ゼロへ、はじめの一歩。」をテーマにしたサステナビリティプロモーションを展開。店頭でのイベントやキャンペーンはもちろん、DEPACOでも関連記事を公開します。

この記事では、【SDGs×Beauty特別インタビュー】として、環境活動家であり、オーガニックコスメの開発も手がけている露木しいなさんをお迎えして、SDGsやコスメを取り巻く環境問題についてお話を伺いました。


■プロフィール
環境活動家・露木しいな

環境活動家・露木しいな

2001年横浜生まれ。「世界一エコな学校」と言われるインドネシアの「Green School Bali(グリーンスクールバリ)」で高校3年間を過ごし、卒業。COP24(気候変動枠組条約締約国会議) in Poland、COP25 in Spainに参加。〈SHIINA organic(シイナ オーガニック)〉を立ち上げる。2019年9月、慶應義塾大学に入学。現在は、環境講演を全国の小中高学校に行うため休学中。220校3万人以上にお話を届けた。


01
「22歳の環境活動家」として積極的にアクションを起こす露木さん。環境問題に関心をもったきっかけは?

幼いころから自然は好きだったけれど、高校生になるまで環境問題には1ミリも興味がなかったんです。豊かな自然のなかで世界のグリーンリーダーを育てる、インドネシア・バリ島にあるグリーンスクールに留学したのも、英語を話せるようになりたかったから(笑)。
はじめて環境問題をリアルに肌で感じたのは、授業でバリ島にあるゴミ山に行ったときです。山積みになったゴミのラベルを見ると、その国のものだけではないことがわかって。この問題は、ひとつの国のなかだけで起きている問題ではないと感じ、自分ゴトとしてとらえるきっかけになりました

私がよく言う「社会を変えるのに、大人になるまで待たなくていい」ということも、この学校で学んだこと。自分のためでなく社会のために行動する同級生の姿を見て、かっこいいと思ったんです。卒業して日本で大学生になったのですが、今しかできないことをやりたいし「待っている時間はない!」と、休学。そして現在、環境についての講演活動などを行っています。

「22歳の環境活動家」として積極的にアクションを起こす露木さん。環境問題に関心をもったきっかけは?

02
さまざまな環境問題を発信するなかで、コスメづくりにも取り組んでいる理由は?

妹のためにコスメをつくろうと思ったのがきっかけです。私の家族は、母がつくったクリームを顔や体に使っていたので、買うのではなく、つくるのが当たり前という感覚もありました。それで、グリーンスクール在学中に理科室の端っこでコスメづくりを始め、そこからすべてがスタートしました。
妹のために始めたから、最初は「環境にとっていいもの」ではなく「人にとっていいもの」という考え。けれど、グリーンスクールで学ぶうちに、モノがつくられるなかでゴミが出たり、動物実験がされたり、自然由来の原料であっても生産過程において熱帯雨林を燃やしていたり…ということを知って。生産から消費者の手に渡るまで、手に渡った後の処理も、すべてにいろいろな問題が関わっていると気づき、自分ができる範囲からやろうと、「人にも環境にも配慮したモノづくり」をしたいと思いました

03
「環境にやさしい」コスメを考えたときに、なぜオーガニックコスメという答えになったのですか?

〈シイナ オーガニック〉のリップ。2023年5月現在、クラウドファンディングでプロジェクト化し、先行予約を開始している
〈シイナ オーガニック〉のリップ。2023年5月現在、クラウドファンディングでプロジェクト化し、先行予約を開始している

「環境にやさしい」コスメとは、SDGsの目標として掲げられているように、人や自然環境、動物などトータルでの配慮が必要です。「エシカルコスメ」や「クリーンビューティー」と言い換えることもできます。私にとっては、オーガニックコスメ。原料からして、環境にやさしいことが多いからです。とはいえ、単に「オーガニック」ならいいというものではなくて。原料がナチュラルでも自然由来でも、つくられている過程まできちんと見ていかないといけないと思います。

〈シイナ オーガニック〉のリップは、国際基準のオーガニック認証である「コスモス認証」を国際認証機関エコサートで申請して、認められています。これは、原料が自然由来であるのはもちろん、商品開発や製造の過程でも環境に配慮しているか、動物実験をしていないかなど、さまざまな厳しい基準をクリアしているということ。欲しいコスメがあったとして、その背景を全部調べるのは難しいけれど、「コスモス認証」のようなオーガニック認証のあるなしが、選ぶときのひとつの判断基準になると思います。

ちなみに、私がDEPACOで取り扱いのあるブランドで好きなのが、国産オーガニックスキンケアブランドの〈ドゥーオーガニック〉。このブランドも、エコサートの「コスモス認証」または「エコサート認証」のどちらかをすべてのスキンケア製品で取得しています。なかでもお気に入りは、「コンセントレート アイ バーム」「ブライト サーキュレーター ミルク」です。

04
〈シイナ オーガニック〉のリップは、いい意味で「オーガニックコスメらしくない」という印象です。

「環境にも人にも配慮したブランドなんです」とは、正直そんなに言いたくなくて。なぜならそれは当たり前だから。そこは前提にありつつ、コスメ自体の価値を高められたらいいなというのが目標です。
化粧品としてのクオリティーを重視したいから、〈シイナ オーガニック〉で開発したのは、とても発色のいいリップ。思いきりメイクアップを楽しむことができます。普通のコスメブランドの選択肢のひとつとして選んでもらえるようなスタイリッシュな見た目や、発色のよさにこだわりました。そのうえで「オーガニックです」と、きちんと後付けできるようなものにしたかったんです。

05
露木さんのこだわりが詰まったリップについて、詳しく教えてください。

このリップは、100%自然由来の成分でできています。原料は、オーガニックの「コスモス認証」を受けた日本のツバキオイル(※)をはじめ、モロッコのアルガンオイル(※)、アフリカのシアバター(※)など世界中から厳選した保湿成分ばかりだから、保湿力が高いのが特徴です。

※保湿成分

露木さんのこだわりが詰まったリップについて、詳しく教えてください。

色展開は、「01 WINE RED」「02 ORANGE BROWN」「03 CORAL」の全3色。どのカラーも自然由来成分で構成している、つまり自然界に存在する色ということ。だから、肌色に合いやすいんです。パーソナルカラーがイエベとブルベのそれぞれに似合いやすい色味は考慮しましたが、いわゆるトレンドカラーというのは意識していなくて、一年中使いやすい色味になっています。トレンドカラーにしてしまうと、そのトレンドが終わったら廃棄されることにもつながってしまうから。印象を変えたいなら、2色を組み合わせたり、手持ちのリップと重ねたりするのがおすすめです。
ちなみに、このリップはチークとしても使いやすい成分やテクスチャーを採用。リップの中身を手の甲にのせて、濡らしたスポンジで混ぜるようにすると体温であたたまるので、それをスポンジでポンポンと頬にのせると、ふわっと自然になじみます。

取材時の露木さんのメイクには、リップとチークに「01 WINE RED」と「02 ORANGE BROWN」を使用
取材時の露木さんのメイクには、リップとチークに「01 WINE RED」と「02 ORANGE BROWN」を使用
露木さんのこだわりが詰まったリップについて、詳しく教えてください。

採用している容器にもこだわりがあり、中身を使い終わったら容器だけ再利用できるリフィルタイプにしています。ケース本体の素材は、長く使える丈夫さのあるアルミニウムで、アルミニウムのなかでも純度が99.7%と高純度なもの。不純物が少ないほど何にでもリサイクルできるので、有効利用しやすい高純度のものを選びました。

06
コスメ業界と環境問題の関わりのなかで、露木さんが特に問題視していることは?

たくさんあるけれどひとつ挙げるなら、「使い切れない」こと。化粧品がゴミとして廃棄されて環境問題につながる、「コスメロス」と言われるものです。ある統計によると約86%の女性が、コスメを最後まで使いきらなかった経験がある(※)とか。私の体感的には100%に近いのでは?という印象です。これは、超ビッグな環境問題ですよ。30%の人が抱える課題というのではなく数字が100%に近いからこそ、自分には当てはまらない、ということが少ないから。「コスメロスを減らす」というのは、一人ひとりがほぼ実現可能なことなんです。

※株式会社モーンガータ(https://man-gata.com)による「余ったコスメに対する認識調査」統計データ参照

コスメ業界と環境問題の関わりのなかで、露木さんが特に問題視していることは?

私自身は、コスメを持っている量が、普通の人に比べて圧倒的に少ないんです。なぜなら、使いきるまで買わないので。顔はひとつしかないし、もったいないと思っちゃう。製造過程でCO2を排出していて、廃棄するのにもエネルギーを使うわけだから、買うときにそのコスメが本当に必要なのかを考えます。私にとって、コスメは自信を与えてくれるもの。メイクをすることで、勇気をもって何かをできる。そういう存在であるコスメが、自然や人を傷つけるきっかけになると悲しいんです。

「コスメを買わないで」と言っているわけではなく、一歩立ち止まって考えて、必要なら買えばいいんです。だからこそ「使いきれる量」は大事。特にオーガニックコスメは酸化しやすい性質があるから、なおさら使いきるスピードが速くないと廃棄につながる。そのため、私が手がけたリップは、サイズが小さくて容量は2g。使いきりやすいし、違う色を欲しくなっても買い足しやすい小ぶりサイズにしています。

07
環境問題やSDGsについて、どうすれば一人ひとりが意識的に行動できるようになると思いますか?

たとえばコスメなら、ブランドが一方的に発信することを信じるだけでなく、関わっている人の思いを直接聞くこと。世界観を切り取ってしまうと、それって全然リアルじゃないので。だから私は、原料の生産地を見に行くし、工場にも足を運びます。〈シイナ オーガニック〉で展開するリップの原料のひとつが、ツバキオイル。このオイルは東京の利島というところで江戸時代から伝統産業として継承されていて、その製造過程を見るために利島にも行きました。

「コスメの背景を気にかける」というのは、化粧品開発をしている人だけの特権ではなく、誰にでもできることです。たとえば、どこかのブランドが容器の回収をしているなら、「回収された後はどうなっているの?」と考えて、自分で確認したり発信したりすることが、環境問題へのアクションの一歩になる。小さなアクションって、ひとりだったら微力に思えるかもしれないけど、それが100人になったら企業側も無視できなくなる。だから大事なんですよ。

08
私たちがSDGsについて、明日からできることは?

SDGsを実現していくには、たとえばDEPACOの読者の方ならコスメのように、自分の大好きなものから取り組んでみると入りやすいです。コスメひとつとっても、今回お話ししたように、原料のこと、中身や容器の廃棄の問題、動物実験…など、考えていくべきことがたくさんある。考えるきっかけが、日々あるんです。メイクをするときや、メイクを直すときにぜひ、そのことを思い出してみてください。
環境などの問題ばかりを勉強していくと、心にダメージを負ってしまいます。問題点を知ることも大切だけど、それと同時に解決策もあるということが希望になる。難しく捉えすぎず、好きなものを通して、行動するきっかけになればうれしいと思います。

私たちがSDGsについて、明日からできることは?

露木さんの力強い言葉の一つひとつが、SDGsについて私たちが一歩前に進むヒントになりそうです。大好きなコスメと向き合うことで、サステナブルな未来につながりますように!



露木しいなさんが手がけた〈SHIINA organic(シイナ オーガニック)〉はクラウドファンディングで先行予約受付

※受付は~2023年6月21日(水)予定:https://camp-fire.jp/projects/view/669037(外部サイトです)

Instagram:@shiina.organic
〈SHIINA organic(シイナ オーガニック)〉HP:https://shiinaorganic.com/(外部サイトです)

衣装協力/CASA FLINE、ヘア&メイクアップ/akane

EDITOR

DEPACO編集部

エディター 高梨

環境問題を目の当たりにした実体験から環境活動に取り組まれている露木さんの言葉は力強く、お話に引き込まれました。「自分の好きなことにまつわる環境問題」であれば気軽にアクションへ一歩踏み出せそうですね!
肌悩み
  • シミ・たるみ
好きなメイク
  • 素肌風ベースにリップしっかりめ
コスメの悩み
  • メイクの引き算が難しい

旅行誌の出版社で編集職を10年以上経験。出産を機にキャリアを見つめ直し、今後は大好きな美容の情報発信をしたいという想いでDEPACO編集部へ。美容はスキンケアやベースメイクでの“土台作り”が好き。趣味は旅と料理。

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