【前編】愛らしい笑顔で初舞台から座長を務める実力派 2.5次元俳優・阿久津仁愛さんにインタビュー
01
俳優を目指されたきっかけを教えてください。
母親の影響もあってアイドルグループに興味を持ってはいましたが、俳優になりたいと強く思っていたわけではありませんでした。面白いことするのは好きなんですが、自分から人前に立ちたいということもなくて、周囲から勧められるならやってみたいな、というぐらいの気持ちでした。
ある時、母親と姉に「このコンテストに出たら雑誌に載れるよ」と言われて、ジュノン・スーパーボーイ・コンテストに応募して、賞をいただいたことがきっかけで、芸能界に足を踏み入れました。正直、あんなに大規模なコンテストだとは思っていなくて、書類審査で雑誌に載れるぐらいのイメージだったので、騙されたというか驚きました(笑)。
コンテストなので、どんどん参加者が減っていくじゃないですか。その頃、僕は中学2年生でしたし、参加されている方もカッコいい方ばかりだったので、どこかで落とされるだろうと思っていました。そんなに甘い世界じゃないことも分かっていたので、気合は入れて臨んでいましたね。
02
ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンで越前リョーマ役を4年近く務められていました。座長としてどんなことを心掛けていましたか?
ミュージカル『テニスの王子様』は初舞台でした。歌・ダンスに芝居もやったことがない状態だったので、キャスト・スタッフやファンのみなさんに本当に支えていただいて、何とか舞台に立てたという感じでした。『テニスの王子様』は2年で青学キャストが一新するんですが、次の代でも自分だけが残って越前リョーマ役を演じることになって、その頃から座長としての自覚が芽生えたように思います。前のチームでは一番年下でみなさんに可愛がっていただいていたんですが、チームが替わってからは、自分がその舞台に一番長く携わっているんだという想いも強くなりましたね。背中で見せるというか、やってきたことをしっかり伝えないと、という気持ちで、めちゃくちゃ気合を入れてやってました。
『テニスの王子様』では、プロのテニス選手が1~2週間ぐらいかけてやるメニューを3日間でこなす、キツイ合宿があるんです。代が替わった時にも参加したんですが、体を壊しても自分が一番動こうと思っていましたね。僕はまとめ役みたいなことはできないので、自分が一生懸命頑張っている姿を見せて、みんなも頑張って欲しいという想いを伝えていた感じです。それまでの2年間で得たルールや知識は言葉として伝えましたが、「頑張ろう!」みたいなことはあえて口にはしませんでしたね。そんな姿を見て、新しいメンバーがいろいろ汲み取ってくれていたように思います。
03
同じ役を何年も務められる中で、大切にしていたことや苦労したことはありましたか?
越前リョーマ役は基本的に見せ場がたくさんあるんです。それも公演の最初か最後にそんなシーンがあるので、自分次第で作品の出来も変わってしまうぐらい重要な役割。それを作らなければならないということにプレッシャーがありました。
基本的に前作のDVDを観るんです。公演ごとに自分の変なクセや伸ばしたほうがよい所を見つけては研究して、役をブラッシュアップしていましたね。最後の公演は一番出番が多くて、3時間半ぐらいずっと舞台上に出ていました。やることが単純に多かったので大変でしたが、誰よりも輝くぞ!という気持ちもあったので、一番良かったんじゃないかと思っています。
04
越前リョーマ役を“卒業”する時はどんなお気持ちでしたか?
役を“卒業”することに対する想いというより、一緒に作ってきたカンパニーを離れることに寂しい気持ちがありました。ずっと同じ稽古場でスタッフのみなさんと一緒に過ごしていたので、次に新しい舞台が始まった時は少し怖いと感じる感覚もありました。もうずいぶん慣れましたけど、今でもやっぱり新しい舞台が始まる時は、そわそわしちゃいますね(笑)。
05
2.5次元の役を演じる時、どのような役作りをしていますか?
シルエットや動き方、衣装を着た時の見え方は特に意識しています。あとは原作の漫画やアニメをよく観ますね。でも舞台上で表現する形と漫画のコマが100%同じわけではないので、自分の中で動きを想像して作っていく感じです。
声のトーンもいろいろ難しいですね。原作に忠実にすることもあれば、現場によっては声優さんの声を真似しないようにと指示されることもあるんです。でもお客様はアニメを観ている方がほとんどなので、できるだけ違和感がないように意識しています。僕の場合は完全に寄せるというより、自分の中で研究してちょっとアレンジしていますね。最初のセリフでそのキャラクターを印象づけられたら、少しくずしてもそのキャラクターのイメージは壊れないと思うので、寄り過ぎず、自分にも寄せながら、いい塩梅を考えて演じています。声のトーンよりもキャラクター独特の言い回しを汲み取るようにして、自分に違和感がないものに変換していきます。
やっぱりみなさんが作ってきたキャラクターのトーンや言い回しに影響されることもたくさんあるので、もちろん自分の中である程度のイメージは決めていきますが、いざ稽古してみたら気づくということもあります。
06
2.5次元ではない役を演じる時の役作りに違いはありますか?
映像の作品をやらせていただくことも多いんですが、やっぱり難しいですね。ちょっとした表情の変化で見え方も変わってくるので研究しています。あとは過去の出演作品のDVDを観て、カメラで抜かれているシーンは何か良いところがあったからだと思うので、そこからヒントを得て役作りをすることもあります。
先日演じた朗読劇『それを言っちゃお終い』もどれが正解だったのか分かりませんでしたが(笑)、コメディ系の演目だったので、間や表情は気をつけていました。稽古日数も少なかったので、いろいろトライして演じたという感じです。台本を見ながら演じていたのですが、台本ばかり見ていると読む脳になってしまうし、客席のほうを向いて芝居していたので、難しさはありましたが楽しかったです。どんな年齢層や人物で演じてもいい、という自由な感じの作品だったので、僕に合わせた少し年齢を下げた設定で演じました。内容はちょっと大人っぽい内容だったので、新しい姿が僕自身も見えたと思っています。
07
これまで演じた役の中で、印象に残っている役を教えてください。
これまで演じた役はどれも印象に残っていますが、やっぱり大きいのは越前リョーマ役です。今の自分を作ってくれた役でもあるので、忘れられないですね。ビジュアル的に印象に残っているのは舞台「『鬼滅の刃』其ノ弐 絆」の累役。自分で白塗りメイクをして、一番準備に時間がかかったので印象に残ってます。
あとはテレビドラマの『俺のスカート、どこいった?』の光岡慎之介役です。ジェンダーレスの役だったんですが、連ドラだったので台本が上がってくるのも直前で、気持ちを作るのは難しかったですね。カミングアウトする時のシーンは実際にジェンダーレスの方に話を伺って、心境を教えていただきながら撮影に臨んでいたので、楽しかったですし、印象に残っている役のひとつです。
08
公演期間中、どのように過ごしていますか?
特別に何かをするということはなくて、ずっと台本を読んだり、作品のDVDを観たりするぐらいです。2.5次元の作品はたくさん動くので、よく食べて、よく寝るようにしています。あとはマッサージガンを使って自分でマッサージもします。
これを必ず食べるとかいうものはなく、量を食べます。代謝がいいのか、自分の中のエネルギー源がすぐになくなってしまうので、それを補っている感じです。食事の回数は1日2回なんですが、2~3人前ぐらい一気に食べます。最近はとくに食欲がヤバイです(笑)。
食事は一番気合が入りますね。喉を潤わせるような油ものとか、役者仲間の中では頑張るために炭酸飲料を飲むという人もいます。本当に効果があるのか実感はありませんが、とりあえず信じて続けています(笑)。
09
気合を入れるためにされているルーティンはありますか?
『テニスの王子様』の頃は細かくルーティンを決めていたんですが、それに縛られすぎてしまったこともあって、今は何もしないほうがリラックスできると思っています。気持ちを安定させるためにしていたことだったのに、どんどんルールが増えていくんですよね。気がついたらルーティンが多くなってしまったので、今は手放しました。
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<阿久津 仁愛(あくつ にちか)さんプロフィール>
2015年、第27回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで準グランプリを受賞。翌年ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン「青学vs六角」より4年間主人公・越前リョーマ役を演じる。以降主な出演作として、舞台『HUNTER×HUNTER THE STAGE』(キルア役)、『美少年探偵団』(主演・双頭院 学役)野外劇「ロミオとジュリエット イン プレイハウス」(W主演・ジュリエット役)、「『鬼滅の刃』其ノ弐 絆」(累役)、ドラマは日本テレビ『パパとなっちゃんのお弁当』(本郷拓也役)、『俺のスカート、どこいった?』(光岡慎之介役)、TBS『アトムの童』(佐々木悠人役)テレビ朝日『未来への10カウント』(天津大地役)、読売テレビ『FLAIR BARTENDER'Z』(主演・黒沢瑛人役)、Hulu『マイルノビッチ』(香月未来役)、映画『美男ペコパンと悪魔』(主演・ペコパン/隼人役)など、幅広いジャンルで活躍の場を広げている。
編集/㈱メディアム 成田 恵子、執筆/北村 文、撮影/Suat Koylu、スタイリング/東 正晃、ヘアメイク/大西 智雄
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EDITOR
DEPACO編集部
エディター 高梨
旅行誌の出版社で編集職を10年以上経験。出産を機にキャリアを見つめ直し、今後は大好きな美容の情報発信をしたいという想いでDEPACO編集部へ。美容はスキンケアやベースメイクでの“土台作り”が好き。趣味は旅と料理。
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メイクを味方につけて舞台やテレビで活躍されている、今注目の美容男子にインタビュー。それぞれの、仕事や美容への向き合い方、美容ルーティンに迫ります。
今回のゲストは第27回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで準グランプリを受賞し、ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン「青学vs六角」より4年間、主人公の越前リョーマ役を務めた2.5次元俳優の阿久津仁愛(あくつにちか)さんです。阿久津さんの2.5次元の世界に対する想いやプライベートについてお話を伺いました。