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【デパコスの未来・前編】「コスメデコルテ」の53年間の歴史と革新とは?「WWDJAPAN」&「DEPACO」の編集長鼎談〈コスメデコルテ〉編

【デパコスの未来・前編】「コスメデコルテ」の53年間の歴史と革新とは?「WWDJAPAN」&「DEPACO」の編集長鼎談〈コスメデコルテ〉編

DEPACO編集部
編集長 望月
2023/10/27
大丸・松坂屋によるデパコスの“メディアコマース”「DEPACO」の特集「#デパコスの未来」では、「DEPACO」の編集長・望月が、ファッション&ビューティーのニュースメディア「WWDJAPAN」の村上要編集長と、毎回ゲストを招いて百貨店ビューティーやデパコスの未来を語り合います。今回のゲストは、〈コスメデコルテ〉の藤永あすかブランドマネージャー。前編は、“先行乳液”にこだわるブランドの歴史や、ブランドが取り組む女性支援「パープルリボンプロジェクト」について伺いました。

01
ヒット作連発!〈コスメデコルテ〉が追求するもの

望月美穂「DEPACO」編集長(以下、望月):さまざまなニュースで注目されている〈コスメデコルテ〉ですが、誕生当時はどういうブランドだったのでしょうか?

藤永あすかDECORTE事業部 コスメデコルテ ブランドマネージャー(以下、藤永):〈コスメデコルテ〉はコーセーの創業者である小林孝三郎が、“真実の高級品を作る”という思いで1970年に始めたブランドです。“真実の高級品”とは官能、品質、肌効果、デザイン、接客など、すべてが高級であること。当時、心まで高揚するという付加価値のある化粧品は少なかったようですが、いずれ求められる時代が来ると考え、コーセーの最高峰ラインとしてスタートしました。そのため〈コスメデコルテ〉にはコーセーの中でも最先端の技術を詰め込んでいます。他がしないことに挑戦する。商品開発の考え方は、53年経った今でも変わりません。だから〈コスメデコルテ〉に関わる企画開発や営業、ビューティコンサルタント(BC)などのコーセーメンバー、そして販売店の方々のブランドに対する愛はすごいんです。
藤永あすかDECORTE事業部 コスメデコルテ ブランドマネージャー
藤永あすかDECORTE事業部 コスメデコルテ ブランドマネージャー
村上要「WWDJAPAN」編集長(以下、村上):愛が強く、大切にされてきたブランドだと期待もすごいのでは?

藤永:ブランドだけでなく会社を背負う商品もあり、プレッシャーもあります。だからこそ開発前には徹底的にリサーチして、色々な人とのお話を真摯に受け止めています。

開発陣には「予算は気にせず作って欲しい」と話しています。予算を先に考えると、原料の選定や製造工程に制約が生まれ、既存の範疇のものしか生まれません。結果的に2倍近い開発コストを費やしてしまった商品もありました。

望月:そうして“贅の極みのコスメ”が揃うブランドになったんですね。

藤永:創業者の小林孝三郎はずっと化粧品の勉強をしていたのですが、特に若い頃から日本屈指の調香師に師事し、感性を大事にする人でした。化粧品が、感情の面でどれだけ人を幸せにできるかと考えて生まれたブランドならではだと思います。
デビュー時の「コスメデコルテ モイスチュアリポソーム」(1992年)
デビュー時の「コスメデコルテ モイスチュアリポソーム」(1992年)

02
“先行乳液”のスキンケアはなぜ誕生した?

村上:〈コスメデコルテ〉といえば“先行乳液”のスキンケアです。なぜ、乳液を最初に使うんでしょうか?
村上要「WWDJAPAN」編集長
村上要「WWDJAPAN」編集長
藤永:ブランドが生まれた1970年当時は、まだ世の中で化粧品のシステム使用が確立しておらず、肌に適切な効果を与えるとして当社が組んだのが乳液先行だったんです。その後、世の中では化粧水を先に使うブランドが増えましたが、肌を耕すという考え方の先行乳液は歴史が長いんです。〈コスメデコルテ〉は、“先行乳液である理由”を追求して継続しています。

村上:それはびっくり!先行乳液にすることで得られるベネフィットとは何ですか?

藤永:9月16日にリニューアル発売した「AQ」の開発で改めて検証したところ、〈コスメデコルテ〉の乳液の処方は化粧水の前に使うのに適していて、やはり先行乳液が良いとわかりました。〈コスメデコルテ〉がかなえたい、“ふっくらとハリのある肌”を実現するには、肌をやわらげる先行乳液が大事なんです。ブランドの成長を考えると、化粧水先行が主流の中での“先行乳液”は新しいお客さまを獲得する上でのハードルにもなりかねませんが、長年取り組んできたことを信じて、お客さまに伝えるしかない!」と覚悟を決めました。
2023年9月16日発売「AQスキンケア」
2023年9月16日発売「AQスキンケア」
望月:先行乳液で商品を展開し続けようと、腹をくくったんですね。

藤永:そうなんです。新「AQ」は、乳液、化粧水、クリームをそろえたライン展開でありながら、乳液をメーンアイテムとしてプロモーションしています。“ツヤ出し先行乳液”というフレーズで、この乳液が何者なのか、どんな肌に導いてくれるのか一瞬で分かるようにしました。必ずしもライン使いでなくて良い、乳液一品から始めてもいいですよと訴求しています。

村上:これまで「AQ」は既存客を導く最高級ラインでしたが、今回は最初から「AQ」で新しいお客さまへアプローチすることにも挑戦するんですよね?「単品購入でもいい」も含めて、ブランドとして思い切った印象ですが、今のお客さまにあっている気がします。

藤永:ラインでの使用は、より「AQ」の魅力を実感いただきやすい一方で、実際はやはりアイテムごとに選びたい方のほうが多いんです。だから単品でもご提案できるようにと考えています。

村上:確かにファッションも、シーズンごとにワードローブを全部買い替えたりしないですからね(笑)。

03
伝統の継承と革新、新しいお客さまにも選ばれる理由

村上:〈コスメデコルテ〉は、ラインごとにトーンが違うなと感じます。貫く〈コスメデコルテ〉らしさとはなんですか?

藤永:“気品”です。シルエットや色の使い方に気をつけています。昨年発売した「イドラクラリティ」はデザイン面で挑戦した商品です。特にボトルのくすみピンクには、「化粧品っぽくない」という反対意見もありました。でも、それこそが狙い。普段のファッションやバッグ、インテリアに溶け込むことを目指しました。四角い容器でスタイリッシュにしつつ、ロゴを白にすることで上品さを出し、光るポイントを入れることで高級感を保っています。
「イドラクラリティ」
「イドラクラリティ」
基幹ラインは“リポソーム アドバンスト リペアセラム”のようなサイエンスやイノベーション性、「AQ」はボトルデザインを手掛けるマルセル・ワンダースに代表されるアート&デザイン性、それぞれ異なる個性を持っていることが強みです。

望月:昔から愛されているブランドですが、こうした革新で若い世代にリーチして若返っているように見えます。
望月美穂「DEPACO」編集長
望月美穂「DEPACO」編集長
藤永:私が〈コスメデコルテ〉のプロダクトマネージャーに着任した2019年はインバウンドが最盛期でしたが、実績は好調な一方で日本のお客さまが減っていたことに危機感を覚えました。そこで「この後の50年、ブランドをどう成長させるか?」と5カ年計画を立て、まずは圧倒的にお客さまを増やすことに注力したんです。“イドラクラリティ”のように手頃な商品を増やしつつ、“リポソーム アドバンスト リペアセラム”のように柱となるシグネチャーアイテムをローンチ。結果的にヒットアイテムが増え、ブランドへの信頼度が上がり、認知度も15%ほど上がりました。そして次のステップとして今度は、新「AQ」を皮切りにハイプレステージ市場で存在感を高めていきたいと考えています。

望月:新「AQ」でも若年層のお客さまにアプローチしていくのでしょうか?

藤永:「AQ」は1万円台~の価格帯です。年齢に関係なく、美容感度の高い方に納得して買ってもらいたいと考えています。予約も好調で、4割が「AQ」を使用したことがない方、1割は〈コスメデコルテ〉の商品さえ使ったことのない方だったんです。

望月:普通は顧客の方が予約するのに、お客さまもすごい勇気ですね。

藤永:我々も驚きましたし、ありがたく感じています。予約が好調だったのは、ブランドの強みである接客の影響もあると思います。

04
女性をエンパワメントする「パープルリボンプロジェクト」

望月:ブランドが取り組む「コスメデコルテ パープルリボンプロジェクト」とはなんですか?

藤永:ブランドが取り組むウーマンエンパワメント活動の一つです。サステナビリティ活動において、環境への取り組みは当たり前のこととして商品に取り入れています。プラスアルファの活動を考えた時、人に貢献したいと考えました。〈コスメデコルテ〉は人を大切にしてきたブランドですし、創業者も“女性が明るくなれば、世の中全体が活気づく”と考えていたので。

望月:具体的にどんな活動をしているのでしょう?

藤永:一つは3月8日の国際女性デーにあわせて女性の伝統工芸師の方々が輝ける場を設けて支援しています。もう一つは女性に対する暴力をなくす「パープルリボンプロジェクト」への参画です。国際的な取り組みですが、ブランドの代表製品“リポソーム アドバンスト リペアセラム”もパープルなので、商品の認知度を使って活動を広めたいと考えました。
2023年3月に開催した、女性職人によるコスメデコルテ「KIHIN to the future」展
2023年3月に開催した、女性職人によるコスメデコルテ「KIHIN to the future」展
望月:確かにパープルリボンってあまり知られていないですよね。

藤永:政府の調査では女性の約半数の人が何かしらの暴力を経験しているという結果があり、そのほとんどが相談できずにいるそうです。日常生活から暴力がなくなる社会を目指し、まず現状を認識することで言葉や言動が変わることを目指します。女性が生きやすく輝き続ける未来のため、ありのままで健やかに生きていけるよう貢献したいです。

望月:売り上げの一部を寄付されているんですよね。

藤永:毎年11月のパープルリボンナショナルデーに合わせて“リポソーム アドバンスト パープルリボン セット”を販売し、売り上げの一部を寄付しています。今年は商品ボトルにもパープルリボンをあしらい、毎日使う時に思い出していただきたいなと思っています。
「リポソーム アドバンスト パープルリボン セット 2023」
「リポソーム アドバンスト パープルリボン セット 2023」
望月:こうした活動も、根幹には創業者の方の思いがあるんですね。


後編では、ヒット作が生まれ続ける商品開発の裏側や、話題となった大谷翔平選手の広告起用、そしてブランドの今後まで語っていただきました。

EDITOR

DEPACO編集部

編集長 望月

いま、飛ぶ鳥を落とす勢いで、業界内でも大注目のコスメデコルテ。大変興味深いお話を聞けました。感じたのは「貫徹」ということ。創業時からの考え方も、コスメデコルテに関わるあらゆる現場の社員の思いも「貫徹」。そこがこのブランドのブレない強さなのだな、と実感しました。
肌悩み
  • 黄ぐすみ/たるみ毛穴
好きなメイク
  • アイシャドウと眉色をリンクさせた統一感あるアイメイク
コスメの悩み
  • 新しいメイクに挑戦しづらい

新聞記者やビューティ業界紙の編集記者を経て、大丸・松坂屋に入社。化粧品各社の戦略やビジネスなど、ビューティ業界を見つめて早10数年。年齢に伴う肌悩みに向き合いつつ、無理をしない「ながら美容」を追求する編集部最年長。愛犬の散歩で1日平均1万歩の健脚が自慢。

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