舞台出演の場合は自分でメイクするので、ほかの演者の方たちは何のメイク用品を使っているのかめちゃくちゃチェックしているんです。
演目によってメイクを変えなきゃいけないので、それぞれの作品でメイク講習もあります。1920年代ぐらいが舞台の作品が続いていた時は1年ぐらい眉毛が細くて下がったメイクばかりしていました。
作品や演じる役によって使う道具も変えているので、手持ちのメイクアイテムもかなり多くて、楽屋入りするときは、メイク道具をトランクに入れて持っていきます。
メイクは演出家やメイクプランナーと相談して、作品や役を彩る重要なポイントとして決めていきます。
舞台の時のベースメイクは〈VT〉「スキンフィットカバークッション」を使っていて、肌なじみもいいですし、舞台中でもくずれにくく、毛穴も目立たなくカバーしてくれます。
照明の当たり方も考えて、普段使いの色味よりもワントーン明るい色味にして重ねていくことが多いです。人間じゃない役を演じることもあるので、この世の者ではない妖しげな透明感を出す時にはツヤのあるクッションファンデがぴったりです。
コロナ禍になってから舞台の配信が増えたり、パッケージ化することもあるので、そういう時にはいつもの舞台メイクとは変えています。
アイラインやシェーディングの入れ方、つけまつ毛の長さや毛量ひとつとっても、劇場の広さにあったメイクと映像用とでは違うので、舞台人はどれだけメイクの研究をしても足りないぐらいです。

極度な乾燥肌なのでスキンケアには気を遣っています。
「フェイスフルイド」は美容液で、夜、お風呂上がりにつけて20～30分放置するんです。その後にクリームを塗るだけでOKです。化粧水はいりません。優しい使用感でハリやみずみずしい透明感が欲しい時におすすめのアイテムです。

このシートマスクは、効能によって番号が違うんですが、私は保湿成分のコラーゲンがたっぷり入ったこの2番がお気に入りです。
韓国コスメですが最近はドラッグストアでも購入できるようになったので、友人の舞台を観劇した時にお土産として持って行くこともあります。


面倒くさがり屋なのでライン使いできるスキンケアが好きなんですが、気に入ったアイテムだけピックアップして使えばライン使いする必要もないか、と思わせてくれたのが〈シャネル〉「サブリマージュ ル セラム」です。
エイジングケア(※)ラインで濃密なテクスチャーなので私はワンプッシュだけで使用しています。コスパもいいし、リフィル対応しているのも便利なんです。
あと「セラム イン ミスト N°1 ドゥ シャネル」は、最近卵型のかわいいパッケージに変わったので持ち歩いています。これも香りが好みで、メイク仕上げに吹きかけます。
〈シャネル〉は価格も決して手頃ではないですが私にとってメイクは武装的な意味もあるので、朝、使うと素敵な香りでテンションが上がります。

※年齢に応じたお手入れのこと。

このブランドのナチュラルな香りが本当に好みで、ボディークリームは舞台の時のフレグランス代わりにしています。香りが強すぎると共演者の方にイヤがられることもありますし、衣装にもついてしまうので、このくらい自然でやわらかな香りだったら影響もないので愛用しています。

睡眠前にぴったりなアイテムを探している時にアロマのような天然な香りのアイテムをいろいろ試していて、見つけたのが同じブランドの「ディープリラックス バスアンドシャワーオイル」です。1キャップ分を湯船に入れたお風呂に入ると、いい香りでリラックスできるんです。作品に入ると気分転換が難しいという俳優仲間にもおすすめしています。

メイクアイテムはポーチに入れずにそのままバッグに入れてしまうことが多いです。〈エテュセ〉「スキンケアパウダー」はコンパクトサイズなので持ち歩き用として愛用しています。
〈エテュセ〉のマスカラ「アイエディション」はブラシが細いので、お直し用としてもちょうどいいし、下まつ毛にも塗りやすいです。
〈VT〉「CICA ライトタッチ メッシュ パクト」は普段使いのクッションファンデです。CICA(※1)×ヒアルロン酸(※2)に魅力を感じて使いはじめました。

※1 ツボクサエキス(整肌成分)
※2 ヒアルロン酸Na(保湿成分)

爪が伸びるのが早くて2～3週間ぐらいのペースで変えちゃうんです。
2カ所のネイルサロンに通っていて、作品の衣装や役柄だったり、ライブのコンセプトなどをネイリストさんに伝えて、最近のトレンドを取り入れつつ、あまり盛りすぎず、主張しすぎないデザインを相談しながら決めています。

2026年が歌手ソロデビュー20周年なので、それに合わせたライブや曲を出したいと思っていますが、舞台のスケジュールでほぼ埋まってしまっているので、下半期から動き出すことになると思います。
2027年は芸能生活30周年という節目でもあるので、日頃から応援してくださる方に何か恩返しできるようなとっておきのプレゼントができたらいいですね。

前編では、平野さんの声優に挑戦したきっかけや舞台・歌手活動の魅力について伺いました。

＜平野綾さんプロフィール＞
1998年に児童劇団に入団し、ドラマやCMに出演。2006年、アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の声優でブレイクを果たし、歌手としてもソロデビュー。2011年から舞台を中心に活動し、『レ・ミゼラブル』『レディ・ベス』『モーツァルト！』など大作に出演。2024年からは歌手活動も本格的に再始動。舞台・声優・歌手として幅広く活躍している。

編集／㈱メディアム 成田 恵子、執筆／北村 文、撮影／三浦 藤一

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