【デパコスの未来・後編】人工知能を活用した肌測定があっても、求めるのはリアルな接客!?「WWDJAPAN 」&「DEPACO」の編集長鼎談〈SK-Ⅱ〉編
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DEPACO編集長は「『ミニマジックスキャン』に、毎回ドキドキ(笑)」
村上要「WWDJAPAN」編集長(以下、村上):前回は〈SK-Ⅱ〉の、肌を超越したパーパスのお話を伺いました。今回のテーマは、デジタルです。西田さん、〈SK-Ⅱ〉にはAI(人工知能)を活用した「ミニマジックスキャン」というスゴい機器があるんですよね?
西田文彦〈SK-Ⅱ〉事業代表(以下、西田):〈SK-Ⅱ〉が長年取り組んできた肌研究とAIを組み合わせた、特許申請中の肌測定器です。当初の「マジックスキャン」はなかなかの大きさでしたが(笑)、小型化が進み、店頭にも置ける大きさになりました。「ミニマジックスキャン」を店頭に置いた1号店は、大丸心斎橋店なんです。肌に直接触れることなく、3分で測定します。お肌の中で、美肌の部分とお手入れが必要な部分を見出すんです。
望月美穂「DEPACO」編集長(以下、望月):私はスピード写真のボックスみたいな大きさの「マジックスキャン」から知っていますが(笑)、今はコスメカウンターにもスマートに置ける大きさです。「ミニマジックスキャン」を受ける時は、毎回ドキドキしますよ(笑)。最新版は、頑張っているポイントを評価してくれるので、お手入れのモチベーションが上がります。客観性があるので納得できるし、コロナ禍の今、非接触で3分でできる肌測定はありがたい存在です。
西田:開発当時はコロナを想定していませんでしたが、お客様には以前から百貨店でも「肌を気軽に測定できたら」というニーズがあると感じてきました。マスク生活で肌が気になっているお客様は、「ミニマジックスキャン」での肌測定を心から楽しんでくれています。
村上:ECでも商品が買える今、やっぱり店頭では「しっかりしたアドバイスが欲しい」方が増えていますか?
望月:そうですね。ミニマジックスキャンは店頭ならではの体験であることに加え、「ブランドへの関心」と「商品への興味」をつなぐ大切な役割もあると思います。様々なキャンペーンでブランドに関心を持ったお客様が「ミニマジックスキャン」という体験によって、フェイシャル トリートメント エッセンスなどの具体的な商品への興味を高めていくようです。ポップアップのイベントには新しいお客様が多く、「一度『ミニマジックスキャン』に挑戦したかった」とのお声をいただきます。
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「ミニマジックスキャン」は、「ブランドへの関心」と「商品への興味」の橋渡し
西田:ブランドの共感を実際の購入につなげるのは、常に大きなチャレンジです。ただ恵まれているのは、なんとなくでも多くのお客様が「〈SK-Ⅱ〉は良いブランド」と思ってくださっていること。そんなお客様に対して、強い“きっかけ”になればと思っているので、セルフで、簡単に肌測定できる「ミニマジックスキャン」は大きな武器になると思います。ただ、それでも多くのお客様は、「『ミニマジックスキャン』と一緒に、アドバイスも受けたい」と思っていらっしゃいます。「ミニマジックスキャン」が、お客様との店頭でのコミュニケーションを導く“媒体”であれば、と思うんです。
村上:今「ミニマジックスキャン」は、鋭意導入中なんですよね?
西田:小型化が実現できたので、多くの店舗に導入できるようになると思います。
村上:そのほかのデジタル施策は?
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それでも「中心にいるのは美容部員」
西田:いろんなことに取り組んでいますが、中心にいるのは美容部員です。「ビューティインフルエンサー」は、デジタルも駆使して、新しいお客様とのつながりも構築できるよう努力しています。オンラインカウンセリングは、昨年の12月に本格導入しました。ご自宅の近くに〈SK-Ⅱ〉がない方、店頭ではご相談しきれなかった方、商品はオンラインで買ったけれど使い方を知りたい方など、さまざまなニーズに寄り添っています。ライブコマースは駆け出しですが、先行している中国を参考に努力を続けます。
村上:今後〈SK-Ⅱ〉と大丸・松坂屋は、どんな取り組みに挑戦するんですか?
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「誰から買ったかが付加価値」になるデパコス売場を
望月:大丸神戸店や大丸東京店では、フェイシャル トリートメント エッセンスの使用済みボトルの回収が始まりました。また大丸・松坂屋ともインスタライブやウェビナーなどを実施しています。
西田:店頭ではサステナブルに関する取り組みをご一緒したいですね。お客様とも、新しいつながりが創出できると思います。ヒューマンメディアコマースを目指す「DEPACO」には、とても共感しています。〈SK-Ⅱ〉の美容部員も「DEPACO」で活躍して欲しいし、「DEPACO」の皆さんも化粧品の目利きとして発信して欲しい。
望月:「DEPACO」は人を中心としたデパコスのメディアコマースです。店頭の美容部員さんをもっと主役にしたい。どこで買っても商品は同じですが、誰から買ったかは付加価値になります。現場の皆さんにさらにご活躍いただけるように頑張ります。
EDITOR
DEPACO編集部
編集長 望月
新聞記者やビューティ業界紙の編集記者を経て、大丸・松坂屋に入社。化粧品各社の戦略やビジネスなど、ビューティ業界を見つめて早10数年。年齢に伴う肌悩みに向き合いつつ、無理をしない「ながら美容」を追求する編集部最年長。愛犬の散歩で1日平均1万歩の健脚が自慢。
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大丸・松坂屋が手がけるデパコスのオウンドメディア「DEPACO」は2022年3月29日、EC機能も持つメディアコマースとし てリニューアルしました。そこで「DEPACO」の編集長・望月が、ファッション&ビューティのニュースメディア「WWDJAPAN」の村上要編集長と、ゲストを招いて百貨店ビューティやデパコスの未来を語り合います。
今回は〈SK-Ⅱ〉の西田文彦事業代表を直撃。後編は、AI(人工知能)を活用した「ミニマジックスキャン」をはじめとするデジタルの取り組みについてのお話をお届けします。