【デパコスの未来・前編】デパコスは、どうして人の運命にも寄り添うの!?「WWDJAPAN 」&「DEPACO」の編集長鼎談〈SK-Ⅱ〉編
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基幹商品「フェイシャル トリートメント エッセンス」は、誕生以来変わっていない!?
西田文彦〈SK-Ⅱ〉事業代表(以下、西田):〈SK-Ⅱ〉は、私が生まれた1980年以来、多くのお客様に愛されているスキンケアブランドです。当時の科学者が、日本の酒蔵で働く杜氏の手の美しさに気付いて以来、酵母や発酵を探索し続けています。そして、発酵から生まれる独自成分のピテラにたどり着きました。ピテラが90%以上詰まった「フェイシャル トリートメント エッセンス(以下、FTE)」は、〈SK-Ⅱ〉の基幹商品です。誕生時から変わらないまま、お客様に愛され続けています。
村上要「WWDJAPAN」編集長(以下、村上):「FTE」は誕生以来、ほとんど製造方法や配合成分が変わっていないんですよね?他のブランドは、新商品を発売したり、商品を刷新したりを続けています。望月編集長、40年以上の間、変わっていないってスゴいですよね?
※ピテラ™:特別な酵母の株から、独自のプロセスで発酵させ生み出した、SK-IIだけの天然由来成分(SK-II独自のガラクトミセス培養液-整肌保湿成分)
望月美穂「DEPACO」編集長(以下、望月):稀有な存在ですよね。どのブランドにも存在するスター商品は、その多くが定期的なバージョンアップを繰り返していますから。加えて「FTE」は、40年来のファンはもちろん、「将来の肌のために投資したい」という若いお客様にも支持されています。今なお力強い商品です。
村上:半年おきに変わるから定番が育ちにくいファッション業界の人間にとっては、「FTE」のような、頼れる絶対的エースが羨ましく思えます(笑)。
西田:「FTE」やピテラの魅力は、社員全員が共有しています。もちろん開発チームは新しい成分や商品、テクノロジーにも向き合い続けていますが、やっぱり本質に戻るんです。ピテラは、毎年新しい効果や知見が出てくる、珍しい成分。人間の肌の組成に近く親和性が高いので、肌が変わらない限り、ピテラを変える必要はないと思っています。
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〈SK-Ⅱ〉は生き方さえ変える。西田代表が目の当たりにした「生き方さえ変わった」現場とは?
西田:一方、商品自体の魅力をどう伝えるか?については、絶えずチャレンジしています。私たちの根底には、〈SK-Ⅱ〉は肌を整えることはもちろん、気持ちを前向きにさせ、生き方さえ変えられるという思いがあります。入社して間もなく、愛用者インタビューに参加したことがありました。私がお話を伺ったのは、出産を経験して肌が不調になり、外出する気分になれず、引っ込み思案にさえなってしまった女性でした。彼女から〈SK-Ⅱ〉に出合い、ポジティブになって、同窓会にも行けるようになったと聞いた時、お客様の運命の変化は、とてもパワフルなストーリーだと感じたんです。以来、運命さえも変わったストーリーを、伝え続けたいと思っています。
望月:とても素敵なお話ですね。
西田:また肌のみならず、人生さえ切り開くお手伝いができないか?と考え、近年は自らの意思で道を切り開いてきた女性たちのストーリーを「#ChangeDestiny」キャンペーンでお届けしています。
村上:最近〈SK-Ⅱ〉のように、「世の中に、こうやって貢献したいんだ」という想いを発信するブランドが増えています。
望月:企業のメッセージや姿勢に共感いただくことが重要になっています。お客様を年齢で区切ってメッセージを発する意味が薄れている中、みなさんに「自分のためのブランド」と思っていただくには姿勢の発信が欠かせません。化粧品は、極めてパーソナルなものでありながら、社会的な存在。人々が社会とつながっていることを前提に成り立っていると思います。だからこそ、社会へのメッセージの発信が大事なんです。ブランドや企業のメッセージや姿勢で商品を選ぶお客様も増えています。
西田:パーパスはお客様はもちろん、従業員を引きつける上でも大切にしています。実はコロナ禍に東京都病院協会を通じて、最前線で働く医療従事者の方に自分を労わっていただきたいという思いで、「FTE」を無償提供するということをしています。最近、美容部員から商品を受け取ってくださった医療従事者の方がカウンターに来てくださった話を聞きました。その方は当時、家での食事さえままならず、自分をケアする余裕もない中、「FTE」を本当に喜んでくださったそうです。そんな話を聞かせてくれた美容部員が、「〈SK-Ⅱ〉に携われていることを誇りに思う」と言ってくれた時、「#ChangeDestiny」のようなパーパスは、伝道師である美容部員まで引きつけるものなんだと実感しました。
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どうしてデパコスは、商品だけじゃなくメッセージや姿勢まで発信するの?
村上:彼女のプライドは、お客様にも伝わりそうです。
望月:美容部員の目的さえ変わりますよね。「商品を販売する」ではなく、「お客様の人生を変えられるんだ」と思える。そうなったら接し方も変わりますよね。〈SK-Ⅱ〉は、美容部員を「ビューティインフルエンサー」と呼んでいますが、SNS的な意味だけではなく、「お客様の人生に良い影響を与える人材であってほしい」との願いも込めているんですか?
西田:その通りです。〈SK-Ⅱ〉の美容部員を、お客様との共感が作れる存在にしたいんです。トレーニングにおいてはYouTuberやインフルエンサーを招き、想いの伝え方まで学んでいます。視野を広げながら、インフルエンスしていく存在になろうとしています。
望月:商品の知識については、お客様の方が詳しい時もありますもんね。美容部員は「先生」にならなくていい。お客様に寄り添い、ニーズを引き出す「寄り添い力」が大事です。
村上:最近は「#ChangeDestiny」というパーパスに基づく取り組みがますます広がっています。
望月:壮大ですよね(笑)。
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「#ChangeDestiny」というパーパスを動画や起業家支援プログラムで表現する理由
西田:昨年はブランド初のフィルムスタジオ「SK-II STUDIO」を構え、お客様の人生が変わったストーリーを発信するコンテンツハブとして活用しています。第一弾として是枝裕和監督と共に、水泳の池江璃花子選手が復帰するまでの動画「センターレーン」を製作・配信しました。「私も前向きになれた」などの声をいただき、手応えを感じています。またコロナ禍で苦労した女性起業家の皆さんには、〈SK-Ⅱ〉と渋谷区、起業家ネットワークのMeeTALKと協業して支援プログラムを立ち上げました。デジタルの活用術、ブランドづくりなどをサポートさせていただきました。
村上:「そこまでやらなきゃいけない」のでしょうか?
西田:ブランドの哲学が「#ChangeDestiny」だからこそ、「そこまでやってみたい」と思っています。
望月:毎回、「攻めてるなぁ」と思います。
村上:〈SK-Ⅱ〉が頑張ってくれると、良い世の中になりそうです(笑)。デパコスの商品を超えた魅力が伝わります。
後編ではAI(人工知能)を活用した「ミニマジックスキャン」をはじめとするSK-Ⅱのデジタルの取り組みについて語ります。
EDITOR
DEPACO編集部
編集長 望月
新聞記者やビューティ業界紙の編集記者を経て、大丸・松坂屋に入社。化粧品各社の戦略やビジネスなど、ビューティ業界を見つめて早10数年。年齢に伴う肌悩みに向き合いつつ、無理をしない「ながら美容」を追求する編集部最年長。愛犬の散歩で1日平均1万歩の健脚が自慢。
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大丸・松坂屋が手がけるデパコスのオウンドメディア「DEPACO」は2022年3月29日、EC機能も持つメディアコマースとしてリニューアルしました。そこで「DEPACO」の編集長・望月が、ファッション&ビューティのニュースメディア「WWDJAPAN」の村上要編集長と、ゲストを招いて百貨店ビューティやデパコスの未来を語り合います。
今回は〈SK-Ⅱ〉の西田文彦事業代表を直撃。前編は、〈SK-Ⅱ〉が掲げる「#ChangeDestiny」への想いにまつわるお話をお届けします。