“ビューティ×SDGs”を実現!地球環境の保護につながる“オーガニックコスメ”とは?
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オーガニックコスメでキレイとSDGsが叶えられる?
私たちの周りでもよく耳にするようになった「SDGs」。“2030年までに持続可能でより良い世界を目指すための国際的な目標”のことで、人権や経済、環境問題など、地球規模の問題を解決するために17の目標が設定されています。
実は、毎日のくらしのなかにも、その目標に繋がるきっかけがあるんです!たとえば、いつも使っているコスメのひとつをオーガニックコスメに替えてみることで、SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」・14「海の豊かさを守ろう」・15「陸の豊かさも守ろう」の達成にアプローチできるとされています。
それは一体どのような仕組みで叶えられるのか、今回のインタビューでしっかり理解したいと思います♪
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“オーガニックのプロ”にインタビュー!
KATOCO(右):本田さんは、ジャパン・オーガニック(株)で国産オーガニックスキンケアブランド〈ドゥーオーガニック〉の開発・運営に14年間携わってこられた、オーガニックコスメのプロフェッショナル。しかも、日本に約200人しかいない「マスターオーガニック・コーディネーター」の肩書をお持ちとのこと!これはどのような資格なのでしょうか?
本田(左):オーガニックについて正しい知識を持つことはもちろん、オーガニックにまつわる多種多様な情報の中から正しいものを見分けられる情報リテラシーを備えていることも条件とする資格です。日本オーガニック推進協議会と、内閣府認可 一般財団法人 職業技能振興会が運営する認定資格になっています。
KATOCO:正しい情報を発信でき、世の中にさまざまあるオーガニックに関する情報の中から正確なものを見極めることもできる。まさにオーガニックに精通していらっしゃるんですね!本田さんは、どのようなきっかけでオーガニックコスメに携わるようになられたのですか?
本田:コスメづくりに携わり、“美の追求とエシカル(倫理的)との両立”を模索する中で、ヨーロッパのオーガニックコスメに出合いました。地球環境に負荷をかけにくいオーガニック栽培法で生産された原料を用いて、“環境へのやさしさ”に配慮しながら化粧品づくりを行う姿勢に共感。2008年に〈ドゥーオーガニック〉(世界基準のオーガニック認証をスキンケア全品で取得しているブランド)をスタートしました。
私自身もオーガニックやオーガニックコスメについて理解を深め、当時、オーガニックコスメが浸透していなかった日本に「ビューティ×サステナビリティ」という新たな切り口を提示することを目指してきました。
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オーガニックコスメとは?
KATOCO:何となく“環境にやさしく、使い心地も快適”というイメージがあるのですが、オーガニックコスメとは、そもそもどんなものなのでしょうか。
本田:オーガニックコスメを理解するための前提として、まず、オーガニックについてご説明しますね。
オーガニックとは、化学的に合成された農薬や肥料を使わず、自然界が本来持つ力を活かして私たち人間と地球がすこやかであり続けることを目指す、栽培の仕組みや方法のことです。
日本では、国の定めた「有機JAS」という規格に則って生産・製造されたものを指し、農産物・加工食品・畜産・飼料・藻類の5つが対象になっています。
農産物であれば、化学合成農薬や化学肥料などを2~3年前から使用しておらず、環境負荷をできるだけ抑えた栽培・管理方法を採用している田畑で生産すること、といったルールがあります。つまりオーガニックとは、“地球環境を守る”ことを目的とした仕組み(=つくり方のルール)なんです。
KATOCO:オーガニックって品質に関するものだと思っていましたが、仕組みについての表現なんですね。それでは、オーガニックコスメはオーガニックとどのような関わりがあるのですか?
本田:化粧品の場合、日本では農産物や加工食品などが対象となる「有機JAS」に該当する国の認証制度が存在しないため、ブランドによってさまざまな考え方があります。私たちジャパン・オーガニック(株)では、フランスの認証機関ECOCERT等で認証を取得したものをオーガニックコスメと考えています。
さまざまな認証のうち、COSMOS認証というものがあり、この認証を取得するためには、オーガニック栽培の原料や天然由来原料を一定量以上使用することや、石油由来原料・遺伝子組み換え技術を使用しないなど、環境負荷を低減した製造プロセスや管理法に則ってつくることがルールとなります。第三者の監査も行われ、トレーサビリティやサステナビリティについても基準を守っていることがチェックされます。
KATOCO:COSMOS認証とはオーガニック化粧品についての認証制度ですよね。もう少し詳しく教えていただけますか?
本田:COSMOSとは、「COSMetic Organic Standard」の略称で、2010年に制定された世界統一の認証基準です。「COSMOS ORGANIC」と「COSMOS NATURAL」の2つのグレードがあります。前者は、農産物原料のうち95%がオーガニックであり、全配合成分のうち20%(洗い流す製品を含む水系製品では10%)がオーガニック由来であることが必要です。
後者は、天然由来原料を使用した製品を認証します。どちらのグレードも、製品にどれぐらいオーガニック成分や天然由来成分を配合しているか記載することがルールになっています。また、化粧品を製造する際に工場の施設を洗浄する洗浄剤も石油由来ではなく承認されたものだけを使う、パッケージ資材も使用できるものが決まっているなど、環境に及ぼす影響を抑えることが推奨されています。
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どうして地球環境を守れるの?
KATOCO:オーガニックコスメの使用が、なぜ地球環境を守ることにつながるのでしょうか?
本田:まず、オーガニック栽培された原料を使うことがひとつのポイントになります。オーガニック栽培は化学的に合成された農薬や肥料を使わないことで土の中の生態系を守るとともに、土壌から河川、そして海に化学合成農薬・肥料が流れ込むのを防いで水環境を保護するんです。
KATOCO:オーガニック原料を使うことで、土壌や水環境を守れるほか、気候変動にもアプローチできるんですね!
本田:何より、さまざまな工夫を凝らしながらオーガニック栽培を行っている生産者の方を応援し、オーガニック栽培の広がりを後押しできることが大きいですね。
そして、先ほどCOSMOS認証のご説明の際にお話ししたように、コスメづくりのなかにも環境負荷を軽減するポイントが盛り込まれています。成分の抽出や設備の洗浄の際に石油由来の薬品や洗剤を使わないことで水環境への影響を抑えたり、パッケージ資材の原材料の使用量を削減したり、再利用・再生利用できる素材を使うことでゴミの排出量を減らす、といったことです。こうして環境への配慮や、持続可能な生産などを実現しているんです。
KATOCO:“化粧品づくり”のさまざまな工程の中に、環境への配慮が盛り込まれているんですね!
本田:地球を健康にしながらコスメを使う人たちも美しくなっていく。上向きでプラスの循環を持続的に生み出せることがオーガニックコスメの価値だと、私たちは考えています。
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オーガニックコスメの見分け方は?
KATOCO:スキンケアやメイクを通じて環境保全のアクションができるコスメはとても魅力的!ぜひ購入したいのですが、メーカーによってさまざまな考え方がある中で、SDGsにつながるものをどのようにして見分ければよいのでしょうか。
本田:パッケージに認証マークがついていることが、見分け方のひとつになります。例えば〈ドゥーオーガニック〉では、コスメパッケージの裏側や側面に、ECOCERTやCOSMEBIOといったマークを記載しています。
マークがついていないコスメでも、オーガニック原料を積極的に使用したり、石油由来の原料を使わなかったり、地産地消原料を使用する、といったスタイルをとっていることも。興味を持ったコスメやブランドについて、どんなものが原料に用いられているか、どのようにつくられているかを調べてみることも、見分ける力を育むことにつながると思いますよ。
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〈ドゥーオーガニック〉では、どんな取り組みをしているの?
KATOCO:では、〈ドゥーオーガニック〉ではSDGsの達成に向けて、どのような取り組みを行っているのでしょうか。
本田:COSMOS認証を取得したり、有機農産物原料を使用するなど持続可能な生産に寄与することによって、17の目標のうち「2 飢餓をゼロに」「3 すべての人に健康と福祉を」「6 安全な水とトイレを世界中に」「12 つくる責任 つかう責任」「13 気候変動に具体的な対策を」「14 海の豊かさを守ろう」「15 陸の豊かさも守ろう」の達成にアプローチしています。
そのため、〈ドゥーオーガニック〉は「国産オーガニックスキンケアブランド」として、有機玄米や川北黒大豆(通称:丹波黒)をはじめ、国産原料を積極的に用いています。これは国内生産者を後押しすることにもつながります。
KATOCO:SDGsの多くの目標の達成にアプローチしているんですね。
本田:ここまでお話した内容で把握していただけたと思うのですが、オーガニックとは環境保全のための仕組みで、ビューティに役立つためには、化粧品としての品質や機能を高める取り組みがプラスで必要になるんです。
〈ドゥーオーガニック〉では2008年のブランド誕生以来14年間、ラインアップしたアイテムについて絶えず改良を重ね、今ではエシカルなだけでなく化粧品としても高い機能を獲得できたと感じています。これは、「9 産業と技術革新の基盤をつくろう」の達成に関わるかもしれません。
KATOCO:環境にやさしく、肌にも心地いい。まさに、多くの方がイメージする“オーガニックコスメ”を体現しているんですね!
本田:包装資材についても非木材紙を使用。さらにスリーブ形状にしたり、パッケージの内側にコスメの使い方を記載することで紙の使用量を減らし、ゴミの排出量を抑えるといった工夫も盛り込んでいます。SDGsへの関心の高まりとともに、こうした取り組みについてもお客様に評価していただくようになりました。
KATOCO:毎日行うスキンケアやメイクが、地球環境を守ったり、国内の農家を応援したり、ゴミを減らすアクションになるんですね。それを理解してオーガニックコスメを使うことで、毎日をポジティブな気分で過ごせる気がします。
本田:オーガニックコスメを選ぶということは、自分の美しさだけでなく、次の世代が生きる未来をも大切にするということ。その意識が内面を磨き、やがては外面の輝きとなって現れていくのではないでしょうか。
本田さんのお話を伺い、なぜオーガニックコスメを使うとSDGsの目標達成にアプローチできるのがよくわかりました。一人ひとりができることは小さいけれど、みんながSDGsへの意識を持てば大きなムーブメントにつながりそうです。
DEPACOでは、SDGsの観点から地産地消を応援できる「ふるさとコスメ」や、環境に配慮してつくられている「ナチュラルコスメ」を特集ページでご紹介しています。ぜひ、こちらもチェックしてみてくださいね♪
EDITOR
DEPACO編集部
エディター KATOCO
入社後1年半、コスメのセレクトショップ「アミューズ ボーテ」で接客担当として勤務。美容への探究心から日本化粧品検定1級・コスメコンシェルジュ資格を取得。“無理せずキレイにきちんと見える”を合言葉に、時短のケア・メイクを追求中。ミニマリストに憧れて、断捨離がマイブーム。
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- ※写真と実物では、色、素材感が多少異なる場合がございます。
- ※取り扱いの商品には数に限りがございます。
- ※入荷が遅延する場合や急遽販売が中止になる場合がございます。
皆さんは“オーガニックコスメ”についてどんな印象を持たれていますか?何となく使い心地がよく、環境にもやさしそうな気はするけれど、実際どういうものなのかはよくわからない…。そんな方は少なくないと思います。
そこで今回のSDGs特集では、オーガニックコスメ初心者の私が、マスターオーガニック・コーディネーターの本田晃久さんにインタビュー。オーガニックコスメを使うことが、なぜ地球環境を守ることにつながるのか、詳しく教えていただきました♪