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【ママ美容:前編】Vol.4 高橋夏果(ファッションライター)<Switching Story ~“母”の顔と“私”の顔~>

DEPACO編集部
エディター 高梨
2023/10/04

出産すると体調や体形もこれまでの自分とは全く違うものに。今までとは異なる美容の悩みを抱える女性も多いはず。また、女性としての生き方と母としての人生の両立を難しいと感じる人や、今後のキャリアについて悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
そんな人たちの美や人生のヒントになるように、仕事と家庭、2つの顔を持ち、母になったことでさらに美しく輝いている女性にフォーカスし、連載します。

第4回はファッション誌でライターとして活躍され、2児の母(第3子妊娠中)でもある、高橋夏果さんです。

01
高橋さんが会社勤めを辞めて、独立しようと思われたきっかけを教えてください。

書くことが好きで、IT企業で恋愛ゲームのシナリオライターをしていました。若い社員が多い会社で、結婚している方は私を含めて3人ぐらいでしたし、出産している方はいませんでした。いずれ子どもは欲しいと思っていましたが仕事も忙しかったし、その会社で出産する第一人者になる勇気はなかったですね。大学の先生や先輩から「仕事と子育ての両立は大変だ」と聞いていたので、子どもを持つなら働き方を変えないと、と思うようになって、独立することを決めました。だから独立したきっかけは仕事と子どもを持つことを両立するためにキャリアをどうしていったらいいだろう、と考えたからなんです。それで当時からファッションが好きだったので、フリーランスのファッションライターを目指すことにしました。

高橋さんが会社勤めを辞めて、独立しようと思われたきっかけを教えてください。

02
ライターとして活躍されるようになったのはどんな経緯でしょうか?

コンビニで販売している雑誌の裏に書いてある編集部の住所や編集長の名前を調べて、興味がある編集部に履歴書とやりたい企画を送っていました。でもすぐに連絡がくることはありませんでしたね(笑)。当時サロネーゼ(自宅で自身のスキルを活かした教室などを開く人)みたいなものがはやっていて調べてみたら、アイシングクッキーの教室が話題になっていたんです。結婚していましたが自分でも稼ぎたいという思いがベースにあったので、家でできるし、子育ても両立しやすそうだと考えて、履歴書をいろいろな編集部に送り続けながら、アイシングクッキーの先生の資格を取得しました。
そんな中、ママ向けファッション誌『mamagirl』の編集部から連絡がきたんです。姉妹誌の『andGIRL』に履歴書を送っていたのに『mamagirl』の編集長が人を探していたようで、「ちょっと変わっているけど面白そうだよ」と、私の履歴書を渡してくれたそうなんです。でも編集は未経験だったので本誌は担当させてもらえず、Web版の記事を書いたり、街頭で読者モデルを探しながらママの悩みを直接ヒアリングして、喜んでもらえそうな企画を考えたりしていました。Instagramの運用も担当していて、少しずつ読者モデルのママたちが拡散してくれるようになってから任される仕事の内容も変化してきたのに、なかなか記事を書かせてもらう機会に恵まれなくて。その頃にWeb版の編集さんがファッション誌『VERY』に転職されることになってご縁をつないでいただきました。

ライターとして活躍されるようになったのはどんな経緯でしょうか?

03
妊娠される前、仕事はどのように取り組まれていましたか?

IT企業にいる時は恋愛ゲームが月に1億円の売り上げになるぐらい人気だったので、残業もしていましたし、書いても書いても追いつかないぐらい忙しかったですね。体調をくずすほど忙しい時もありましたがチームメンバーは同世代だったので、部活のような感覚で乗り切っていましたフリーランスになってからは、時間に余裕が持てるようになりました。でもライターとしては思うように稼げなかったので、アイシングクッキーのレッスンを週に数回して、補填していた感じです。

妊娠される前、仕事はどのように取り組まれていましたか?

04
妊娠されてから仕事に対する意識や取り組み方に変化はありましたか?

1人目を妊娠した時はつわりが辛かったので、家で寝込んでいたんです。気持ちが悪くて電車にも乗れないほどだったので、家でInstagramの運用をしながら、DMで読者モデルのスカウトをしていましたね
これを読んで、つわりがどんなにつらくても仕事をした方がいいのかも、と思われる方もいるかもしれませんが…今振り返ると無理をしなくても、仕事がなくなることはなかったと思います
自分が思うほどお休み中の数カ月って他人からするとそこまで長くはないですから、「インプット期間として休んでも大丈夫だよ」とつわりで悩む妊婦さんには声をかけてあげたいです

妊娠されてから仕事に対する意識や取り組み方に変化はありましたか?

05
子育てと仕事を両立されてきた中で、悩まれたり、難しいと感じたりしたことはどんなことでしたか?

子どもが1歳になるまで保育園に預けられなかったので、打ち合わせにもロケにも子どもを連れて行っていましたね。それに哺乳瓶でミルクを飲んでくれなかったので、授乳しながらロケを回らないといけなかったのが大変でした。当時はガッツがあったんでしょうね。仕事のチャンスって、自分が大変な時に舞い込んだりするじゃないですか。だから状況がどうであれ、チャンスは逃しちゃダメだと思っていたので、「今が頑張り時」と自分に言い聞かせていました
保育園に預けられるようになっても、お迎えの時間がありますよね。でも編集の仕事をしてるとその時間に間に合わないことも多くあって。当時夫から「送り迎えはできない」と言われていたのでワンオペで回してましたし、子どもの寝かしつけなどにも苦労して、家庭内の雰囲気が最悪な時期もありました

06
それを解決するために心がけたことや、変化したことはありましたか?

学生の頃から仕事と子育てを両立するためにはどうしたらいいか、先輩方に相談していたんです。そのアドバイスの中に自分の親との同居をすすめてくれた方がいて、夫にも相談して出産前から同居していました
今は、両親は地方の住まいがベースになっているので、仕事が忙しい時は家に長期滞在してもらい、アルバイトだと思って子どもたちの面倒を見てくれています。なので、両親に毎月決まったアルバイト料を支払っているんです(笑)。シッターさんを頼むより安価でお願いしやすいですし、何より実の親なので安心してお願いできます。
撮影がある週は1週間ぐらいかかって、子どものお迎えや食事などを考えると仕事に集中できなくなってしまうので、家族には私が出張で家を不在にしていると思ってもらい、すべてを任せています
ただ子どもの緊急時は両親の都合が悪いこともあるので、前日に依頼しても来ていただける病児シッターさんを見つけましたし、どうしても間に合わない時は近所や幼稚園のママ友に預かってもらうこともあります
子どもは本当に何が起こるか分からないので、助けてくれる人を持つことは大事ですよね。やっぱり仕事と子育ての両立は難しいですし、1人では限界があると思うんです。無理だからと諦めてモヤモヤした気持ちを引きずるのではなく、解決策を考えるように気持ちをシフトしてきて、やっと慌てずに対応できるようになってきた感じです。

それを解決するために心がけたことや、変化したことはありましたか?

07
2人目のお子さんを妊娠された時、何か変化はありましたか?

2人目を妊娠したのをきっかけに、夫にも子育てを手伝ってもらうようにしました。それまでは1人で何とかしてきましたがどうにもならない状況もあって、いろいろなものを手放せるようになったんです。細かいことなんですが、子どもの服装だったり、お風呂上がりのケアだったり、夫のやり方がいちいち気になって、つい口を出していたんですよね。でもある時から「そういう日があってもいいか」と思えるようになりました
仕事でも、進めていた企画を1から作り直すことになっても、以前なら「なぜ今さらそんなことを言うの?」と不満を抱えることもありましたが、「まぁ、しょうがないか」と気の持ち様が変わったのかもしれません。
心がブレなくなったというか、あまり動じなくなりました(笑)。気の持ち様なんてどうにもならない、という方もいるかもしれません。でも気持ちを切り替えて行動するしかないですし、どうしようと思っている感情や迷っている時間がもったいないと思うようになりましたね。
よく「前向きだね」と言われますが、落ち込んだときに前を向くだけでなく、ただ気持ちをフラットにして段取りを考えているだけです。口では「やばい、やばい」と言っていますが、すべてをこなすためにどう行動すべきか、優先順位を組み立てるようになりました
それは最初からできたわけではなく、2人目を妊娠したことがきっかけだったと思います。

2人目のお子さんを妊娠された時、何か変化はありましたか?

08
お子さんが2人になって、子育ては大変になりませんでしたか?

今は6歳と4歳で遊んでくれるようになったので逆に手がかからず楽ですが、2人目の産後は一瞬後悔したくらい大変でした(笑)。
乳児と幼児の組み合わせは遊び方も食べるものも違いますし、単純にやることが2倍に増えて常に疲労困憊。ただ産後に自分が大変だと感じたポイントは分かっていましたから、2人目は誰かの手が借りにくい完全母乳育児は手放し、完全ミルクに移行しました。そうやって夜中の授乳や夜泣きしたときは夫も分担できるようにして、寝不足で心が荒まないように対策をしていました
2人目は、8カ月目から保育園にも通い、生まれてすぐ、いろいろな方に面倒を見てもらうことも多かったので人見知りもないですし、社交性も高いんですよ。母親だけが手をかけることが必ずしも子供の成長に良い影響を与えるのではなく、母親からはもちろん、ほかのたくさんの人の愛情も知って、社会経験を積ませることも大事だと改めて感じましたね
私自身、そんなに神経質な性格ではないと思っていますが、今となっては1人目を育てている時、どうしてあんなに母親の私が全部やるべきなんて価値観を持っていたんだろうと思います。母乳での授乳以外、男女差関係なく子育てはできるものなんです。

仕事スタイルは着心地がよく、動きやすさが気に入っているという〈COS〉のワンピース。靴はほぼ毎日のように〈ユニクロ〉のスニーカーを履いている
仕事スタイルは着心地がよく、動きやすさが気に入っているという〈COS〉のワンピース。靴はほぼ毎日のように〈ユニクロ〉のスニーカーを履いている

後編では産後のカラダの変化や愛用品について伺いました。

<高橋夏果さんプロフィール>
恋愛ゲームのシナリオライターとしてIT企業に勤務後、独立。ファッション誌を中心にWeb記事のライティングをはじめ、作詞提供、ノベル監修など幅広いジャンルのライティング業務に従事。現在はファッションブランドとコラボレーションするなど、活躍の場を広げている。プライベートでは姉弟を育て、現在第三子を妊娠中。

編集/㈱メディアム 成田 恵子、執筆/北村 文、撮影/三浦 藤一


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EDITOR

DEPACO編集部

エディター 高梨

いざ必要な時に困らないように「助けてくれる人」を先に決めておくという高橋さんの子育て術、とても参考になります。ワンオペで頑張るママも、人の手を借りるのもアリなんだ、とわかるだけで気が楽になりそうですね。
肌悩み
  • シミ・たるみ
好きなメイク
  • 素肌風ベースにリップしっかりめ
コスメの悩み
  • メイクの引き算が難しい

旅行誌の出版社で編集職を10年以上経験。出産を機にキャリアを見つめ直し、今後は大好きな美容の情報発信をしたいという想いでDEPACO編集部へ。美容はスキンケアやベースメイクでの“土台作り”が好き。趣味は旅と料理。

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