【ふるさとコスメ】〈華密恋(カミツレン)〉から始まる”ありのまま”の心地よさ
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長野県北アルプスに広がる〈華密恋〉のふるさと「カミツレの里」
今回ピックアップするのは、農薬を使わず栽培された国産カモミールの恵みを存分に取り入れたスキンケアブランド〈華密恋〉。国産カモミールから抽出したエキスを100%使用した「華密恋薬用入浴剤」は今年で誕生40周年を迎えるロングセラーです。私、編集長・望月が〈華密恋〉のふるさと、長野県北安曇郡を訪れ、素朴で力強いこだわりのブランドが誕生した背景と、それを支える豊かな自然、そこに携わる人々の思いに迫ります。
北アルプスの山中にある〈華密恋〉の自社農園「カミツレの里」を訪れたのは昨年6月のこと。カモミールが満開を迎えるこの時期、あたり一面可憐な白い花が広がり、ほのかに甘い優しい香りに包まれます。「カモミールの花は朝の光とともに花びらが開いて、太陽が沈むと花びらを下に向けて眠るんですよ」と笑顔で出迎えてくれたのは、〈華密恋〉を手がける株式会社SouGoの社長、北條裕子さんです。
「カミツレ」はジャーマンカモミールの和名で、キク科の耐寒性の植物。中央部の黄色いぷっくりとした花托を白い花びらが取り囲み、小ぶりでかわいらしい姿ながら、ヨーロッパでは古くから薬草として重宝され、”ハーブの女王”とも呼ばれてきました。カモミールティーで馴染みのある方も多いのではないでしょうか。
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”ハーブの女王”カモミールのパワーを詰め込んだ薬用入浴剤が誕生
長野県北安曇郡は、北條さんの父・晴久さんの生まれ故郷。ここ「カミツレの里」も元々は晴久さんが創業した印刷会社の保養所があった場所でした。大病を患い、漢方薬やハーブなどの植物の力を実感した晴久さん。中でもカモミールのパワーに着目し、1982年に誕生したのが「華密恋薬用入浴剤」でした。肌荒れを鎮め、冷えや疲れに効果があると愛用者の声が広がり、40年もの間多くの人に愛されてきました。
印刷会社からまったくの門外漢として参入したコスメの世界でしたが、「異業種だからこそ、コスト度外視でできたという面はあったでしょうね。父は自分が自然の恵みに生かされたことで、『人さまのお役に立てるものを作りたい』という一心で、シンプルで誠実なものづくりを貫いてきました」と北條さんは言います。その姿勢は2代目の北條さんにしっかりと受け継がれ、薬用入浴剤から始まったブランドも、ヘアケアからボディケア、フェイスケア、インナーケア、ベビーラインまで、全25種35アイテムにラインアップを広げています。
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栽培から製造まで、気が遠くなる程の手間ひまかけた行程
以降、この地に開いたカモミールの自社農園は現在3ヘクタールにまで拡大し、今では全国約40の生産農家と12組の生産法人が〈華密恋〉のために農薬を使わずカモミールを栽培しています。
「カミツレの里」でのカモミール栽培とカミツレエキスの抽出は、手間ひまかけた作業の連続。農薬や除草剤は一切使わず、有機肥料で育てた国産カモミールの有効成分を余すことなく引き出すため、花だけでなく、葉や茎などのいわゆる“全草”を使うのが〈華密恋〉のこだわりです。
人の手により刈り取られたカモミールは自然乾燥のステップへ。「栽培ももちろん大変ですが、実は乾燥も一苦労なんです。カモミールの刈り取りはちょうど梅雨。その時期に自然乾燥させるので、契約農家さんには色々と工夫していただいています」(北條さん)
自然乾燥させたカモミールは、敷地内にある工場で、40年間変わらぬ製法によりカミツレエキスに生まれ変わります。植物の有効成分を壊さないため、独自の「非加熱製法」を採用。細かくカットしたカモミールを、発酵エタノールと安曇野の澄んだ水に約15日間漬け込みます。一度ろ過して、2度目の漬け込みへ。
有効成分がじっくり溶け出したタンクの中のエキスは琥珀色に染まり、工場の中も芳醇な香りが漂います。こうして約1ヵ月かけて仕込み、熟成を経て抽出したカミツレエキスは、薬用入浴剤として余計なものは一切入れずボトリングされるほか、〈華密恋〉のすべての商品に配合されます。
また、カミツレエキスを抽出する際に出る搾りかすも有効活用。土壌に肥料としてまき、無駄なものを出さない循環型農業に創業当初から取り組んでいます。
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シンプルでいて誠実、正直なモノづくりを貫く理由とは
〈華密恋〉の栽培法や製造方法に対するこだわりは、「どうしてそこまで?」と思うほど。しかし北條さんは「自分にとっては、小さなころから父の環境に対するマインドを見て育ってきましたし、今思えばオーガニックライフを送っていたので、特別なことという意識がないんですよ。大切な人に心地よいものを届けたいと思うと当たり前のことなのかなぁ、と」と、意に介す様子はありません。
そんな北條さんの「本物」「誠実」をとことん追及した真摯なものづくりの精神が息づく場所が他にもあります。カミツレの里の敷地内に併設された、日本初のビオホテルジャパン認証を取得した宿、「八寿恵荘(やすえそう)」です。
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日本初のビオホテルジャパン認証を取得した、心と体がほっと一息つける宿
BIO HOTELはヨーロッパのオーガニック規格をベースにした、独自の厳格なガイドラインに基づき認定されるもので、日本で認定されたのは八寿恵荘のみ(2022年3月31日現在)。再生可能エネルギーを100%実現するほか、建材はすべて長野県産の天然木材。提供される食材はすべてBIO認証基準をクリアしたもので、自社農園で無農薬栽培された採れたての野菜や敷地内のかまどで毎晩炊くご飯の美味しさは格別です。タオルや寝具もすべてオーガニックコットンを使用するなど、衣食住すべてにおいて自然素材にこだわったお宿です。
なんといっても、カミツレエキスをたっぷり入れた贅沢なお風呂「華密恋の湯」は体験の価値あり!目の前に広がるカモミール畑を眺めながら、優しく香るお湯の中で手足を伸ばせば、至福のひととき。大自然の息吹を存分に吸収できる宿として、心と体が疲れている人にこそオススメしたい場所です。
「八寿恵荘」の名前は、北條さんの祖母の名前からつけられたそうで、「自分の故郷のようにお客様にくつろいでいただきたいから」と北條さんはその理由を語ります。華密恋薬用入浴剤の愛用者を対象にした自然体験ツアーやイベントを20年近く続けるなど、カミツレの里を活用した社会活動にも取り組んでいます。
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〈華密恋〉のトータルビューティで素の自分を見つめ取り戻す
今でこそ「サステナブル」や「ダイバーシティ」などの取り組みは企業の責任として珍しいことではなくなりましたが、SDGsという言葉がこれだけ普及する随分前から、〈華密恋〉はごく自然に、そして真面目に、循環型ビューティに取り組んできたことがよくわかりました。”当たり前”を実現することがどれだけ難しく贅沢なことか、そして本当の豊かさとは何かを「カミツレの里」で考えさせられた気がします。〈華密恋〉が提案するトータルビューティとは、自然と人の繋がり、社会と自分の繋がり、心と体の繋がりにまで思いを馳せ、本当の自分を取り戻すこと、なのかもしれません。
【ふるさとコスメ】では、今回ご紹介したブランド以外にも、魅力あふれるご当地コスメがラインアップ。
自然派というだけでなく化粧品としての実力も備わっているものを、化粧品バイヤーが厳選しています!
使うことで、大切な故郷や楽しい思い出がある旅先などを応援でき、自分も美しくなれる“Win-Winコスメ”として、ぜひチェックしてくださいね♪
EDITOR
DEPACO編集部
編集長 望月
新聞記者やビューティ業界紙の編集記者を経て、大丸・松坂屋に入社。化粧品各社の戦略やビジネスなど、ビューティ業界を見つめて早10数年。年齢に伴う肌悩みに向き合いつつ、無理をしない「ながら美容」を追求する編集部最年長。愛犬の散歩で1日平均1万歩の健脚が自慢。
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地域を応援するもよし!新しいコスメとの出合いを楽しむのもよし!いろいろな地域とコスメの魅力を知って、ワクワクしてくださいね♡