コスメを通じて女性をエンパワーメント!【シアバターのフェアトレード】による女性支援の取り組み
01
女性の自立支援につながる!?「シアバター」ってどんな素材?
シアバターは、西アフリカから中央アフリカにかけて生息するシアの木(アカテツ科シアバターノキ)の種からとれる植物性油脂です。ヒトの皮脂とよく似た性質を持つため肌なじみがよく、原産諸国では肌や髪を乾燥から守る保湿剤として活用されてきました。
現地では、シアの木は神聖な木としてあがめられており、女性だけが木に触れて実を採取し、売ったり加工することが許されてきたそう。女性の地位が低く経済的自立が難しい地域において女性の貴重な収入源となっている一方、シアバターの加工には大変な手間がかかるにも関わらず、地元のマーケットでは安く買いたたかれる、という課題もありました。
そこで現在、さまざまなデパコスブランドが女性の自立、ジェンダー平等を実現するために行なっているのが「フェアトレード」。適正価格で原料や製品を継続的に購入する仕組みで、シアバターを購入して製品づくりに活用することで、シアバター生産に携わる原産諸国の女性の収入を増やし、経済的な自立につなげることができるのです。
このようなフェアトレードで調達したシアバターは保湿成分や整肌成分として、クリームやローション、クレンジングなど多彩なスキンケア・ボディーケアアイテムに配合しています。
02
〈ロクシタン〉の取り組み
西アフリカ・ブルキナファソの女性たちの自立を支援。ビジネス拡大に向けたサポートも
1976年に南仏プロヴァンスに誕生して以来、自然と人への敬愛を基盤に、天然素材を主原料とした高品質なアイテムを展開してきた〈ロクシタン〉。
ブランドとシアバターとの出会いは1980年のこと。創設者オリビエ・ボーサンは旅先で出会ったジャーナリストとの話から“女性しか触れることのできない神聖な木・シア”の存在を知り、西アフリカのブルキナファソを訪問。地域の厳しい乾燥から守るためにシアバターを塗ってきた現地の女性たちの肌の美しさに感銘を受け、「シアバターを世界中に届けたい。そして女性の自立を助けたい」という思いから、シアバターをフェアトレードで調達して製品づくりに活かす取り組みをスタートさせました。
“収穫前に80%の賃金を支払う”“市場価格の約3.5倍でシアバターを購入する”といった契約のもと、仲介業者を介さずに直接購入することで現地の女性たちの支援を広げ、12人の女性たちとスタートした協力関係は今や1万人を超えるパートナーを擁するまでに成長しています。
2006年にはロクシタン基金を設立し、ブルキナファソの女性の自立支援をスタート。2018年にはシアバターを生産する女性たちの状況を改善するために、200万ドルのプロジェクトを開始してシアの木を保護する方法を学ぶ機会を提供し、確実にシアの実を採集できるようにするとともに、事業の多様化に向けたサポートを行っています。
03
シアバター配合の〈ロクシタン〉のおすすめアイテム
シアバター(※1)20%配合で、乾燥から守りながら手肌をしっかり保湿。ナタネ由来成分(※2)が水分と油分のバランスを整え、肌をすこやかに整えます。150mLサイズのパッケージは2021年1月、リサイクルアルミ95%使用でさらに地球環境に配慮したものへとリニューアルされました。
※1 シア脂(保湿成分)
※2 アブラナステロールズ(スキンコンディショニング成分)
シアバター(※1)を25%配合した、リッチでみずみずしいテクスチャーのボディークリームです。とろけるようになじんでうるおいを与え、しっとりやわらかな肌へ。こちらも2021年1月、プラスチックの使用量を抑えたアルミパッケージを採用し、地球環境にさらに配慮したアイテムとしてリニューアルされました。
※1 シア脂(保湿成分)
04
〈ザボディショップ〉の取り組み
ガーナの女性たちの経済力を高め、地域の教育や衛生環境の改善も実現
「企業には世界を良くする力がある」という思いを胸に、1976年、アニータ・ロディックが英国で自然派化粧品のお店をオープンしたことに始まる〈ザボディショップ〉。世界中から選りすぐった天然原料を配合したアイテムを通じて、人々の生活を心地よくするのはもちろん、自然環境や生物多様性をより豊かにするためのアクションを継続して実践しています。
1992年、西アフリカのガーナ北部を訪れたアニータはシアバターに出合い、豊かな保湿力に感動。その生産に携わる女性たちや家族、地域社会に役立ちたいと強く望み、1994年よりブランド独自のコミュニティフェアトレードを通じて、現地のトゥンテイヤ・シアバター女性組合からシアバターを調達する取り組みをスタートさせました。
当初50人が所属していた組合は、今や11の村から600人以上が参加する組織に。女性たちは独立した収入を得て家族を養ったり、子供に教育を受けさせることが可能になり、男性中心だったこの地域での地位も向上しました。
〈ザボディショップ〉は、女性たちがコミュニティをより良くするためのプロジェクトに投資する資金もサポート。その結果、彼女たちが生活する11の村において、初等教育やヘルスケア、水へのアクセス、衛生に関する環境が改善されています。
05
シアバター配合の〈ザボディショップ〉のおすすめアイテム
シアバター(※1)、ババスオイル(※2)配合のボディークリーム。バターのようにリッチなテクスチャーなのにベタつきにくく、やわらかくなめらかな肌に導きます。ほのかに甘くやさしいシアの香りに包まれて気分もリラックスできそう。パッケージには、インドからコミュニティフェアトレードで調達したリサイクルのプラスチックが使用されています。
※1 シア脂(保湿成分)
※2 保湿成分
シアバター(※1)やオリーブオイル(※3)を配合したクレンジングバーム。肌の上ですっととろけて、メイクや汚れにしっかりなじみ、するりとオフします。クレンジング後はなめらかでうるおい感のある肌に。
※3 保湿成分
06
女性や地域の未来を輝かせる可能性を秘めたシアバター
シアバターのフェアトレードは、開発途上国の女性たちが抱える「自分の収入を得る機会が少ない」「一生懸命に働いても適正な収入が得られない」といった数々の課題を解決する手段に繋がります。女性が経済的に自立し、地域社会で力を発揮するようになれば、衛生状態や教育環境が向上して、その地域の暮らしもより良くなるはずです。
そんな、未来を輝かせる可能性を秘めた“シアバター配合のコスメ”、ぜひ注目してみてくださいね♪
2022年の5月から、SDGsの17のテーマの内1、5、11、12、14、15の6つの目標についてビューティーと関連した取り組みをお届けしました。記事を見て、コスメとSDGsの意外なつながりに気づいてもらえたり、実際になにかアクションを起こしてもらえたりしたら嬉しいです。今後もSDGs特集は続くのでお楽しみに!
【これまでお届けしてきたSDGs記事一覧】
・“環境にやさしい”コスメのパッケージとは?→
・“容器回収”を行っているデパコスブランドを一挙公開!→
・地球環境の保護につながる“オーガニックコスメ”とは?→
・フェアトレードで、キレイと世界の貧困解消が同時に叶う?→
・〈SHIRO〉の“パッケージレス製品”で森林を守ろう→
・原種の「ゆず」が秘めるパワーで、人もまちも元気に!→
EDITOR
DEPACO編集部
エディター YAMACO
入社後1年半、コスメのセレクトショップ「アミューズ ボーテ」で接客担当として勤務。「毎日イメチェン」をモットーに、メイクもヘアも気の赴くままにコロコロ変えるのが好き。特にビビッドカラーのコスメにときめく。趣味は音楽を聴くこと、太陽の光を浴びること。
ご紹介の商品はこちら
- ※この記事は、当記事の公開時点のものです。
- ※価格は全て税込です。
- ※写真と実物では、色、素材感が多少異なる場合がございます。
- ※取り扱いの商品には数に限りがございます。
- ※入荷が遅延する場合や急遽販売が中止になる場合がございます。
DEPACOでシリーズ企画としてお届けしている「SDGs特集」。「SDGs」とは、私たちや未来の子どもたちがずっと幸せな生活を送れるように、持続可能でよりよい社会の実現を目指す世界共通の目標のことです。人権や経済、環境など、地球規模の問題を解決するために17のゴールが設定されています。
今回のテーマは、「5 ジェンダー平等を実現しよう」。男女平等をグローバルに実現し、すべての女性の能力を伸ばして可能性を広げることを目指すものです。
その実現に向け、重要な役割を果たしているのが「シアバター」。多くのコスメに配合されているシアバターは、実は女性のエンパワーメント(潜在的に持っている力を引き出すこと)に大きな関わりを持つ素材なんです。シアバターを通じて女性の自立支援に取り組む、2つのデパコスブランドのアクションをご紹介します♪