【駐在員レポート】世界の「SDGs×Beauty」はどうなっている?~ロンドン編~
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ロンドンの「SDGs×Beauty」のトレンドは?
洗練された雰囲気が満ちるロンドン。“脱プラスチック”を進める動きも
私たちパリ駐在員はフランス・パリだけでなく、ヨーロッパ各地を訪れ、百貨店をはじめ、さまざまな小売店を視察して、ビューティーやファッション、フードなどのトレンドをチェック。現地の人々の消費行動や意識などもウォッチし、収集した情報を日本に届けています。
ロンドン訪問は4カ月に1度ほど。訪れるたび、いろいろなシーンでパリとの違いを実感します。例えば人々の雰囲気。パリの人たちの多くはメイクもあまりしておらず、服装も着慣れたものを着こなすなど全体的に自然体の人が多いのに対し、ロンドンの人たちはメイクをバッチリして、装いも隙がなく、こだわりが感じられます。街並みも洗練されていて、洒落たセレクトショップやブティックがそこかしこに並んでいます。そんなロンドンに暮らす人々は、商品をセレクトする際の意識も高い!コスメも成分表の内容をしっかり確認し、納得してから購入するようです。
SDGsの面で、ロンドンの人々の関心を集めているのが“プラスチック”。周囲をぐるりと海に囲まれた島国・イギリスでは、プラスチックゴミによる海洋汚染が社会的問題となっており、首都のロンドンではプラスチック使用の削減を呼びかける公共広告がいたるところに掲げられています。ペットボトルの使用量も減らすため、誰もが自由にマイボトルに水を補給できる給水所の設置も進められています。
そんなロンドンで注目を浴びているコスメは?
- “プラスチックフリー”なコスメ
プラスチック使用に対する関心が高いロンドンで注目を浴びているのが“プラスチックフリー”なコスメ。
パッケージやボトル以外にも、実はメイクアップ用のカラーコスメの中には、ラメやグリッターの素材としてマイクロプラスチックを用いているものもあります。これらを含め、まったくプラスチックを使わずにつくられているコスメが支持を集めるようになっています。
- 動物由来の成分を使用しない“ヴィーガンコスメ”
ヴィーガンとは動物由来のものを摂取しないこと。イギリスはヴィーガン大国と言われるほど、ヴィーガン人口が多い国でもあります。こうしたライフスタイルのための商品もさまざまな分野で登場しており、コスメもその1つ。ミツロウなど動物由来の成分を使用せず、安全性の確認などにおける動物実験も行わないコスメが百貨店やドラッグストアなどで取り扱われています。テクスチャーや香りもこれまでのコスメとそれほど違いはなく、環境問題やサステナビリティに関心がある人がヴィーガンコスメを選択するケースも増えています。
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ロンドンの百貨店のビューティーフロアはどんな感じ?
ハロッズやリバティなど、世界的にも有名なロンドンの百貨店。多くの人にとって、百貨店はクリスマスなどの特別なときに足を運ぶ、憧れの場所になっているようです。また、美容やファッション、食の最先端を発信するトレンドセッターの役割も担っています。
SDGsについても独自のアクションを行っているところが多く、例えば感度の高さで知られる百貨店・セルフリッジでは、2020年8月より“RENT(レンタル)”“RESELL(リセール)”“REPAIR(リペア)”“REFILL(レフィル)”の4つのRを全店で推進。ビューティーフロアでは特に“レフィル”に力を入れ、リップやファンデーション、フレグランスなどを中身だけ購入できる取り組みを進めています。現在では、1,000点以上の詰め替え可能なアイテムを取り扱うように。インフルエンサーの発信などによりこうした取り組みが支持されて、若い世代の多くがセルフリッジを利用するようになっています。
他の百貨店のビューティーフロアでも、プラスチックフリーや“Made in Britain”の商品であることをPOPでわかりやすく案内するといったアクションで、ユーザーの「SDGs×Beauty」への取り組みをサポートする動きがみられます。
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今注目の「SDGs×Beauty」ブランドは?
●人も地球もキレイに。ヴィーガンコスメの代表的ブランド〈REN Clean Skincare〉
先ほどご紹介したヴィーガンコスメの代表的ブランドが、2000年にロンドンで誕生した〈REN Clean Skincare〉。動物由来物質を配合しない・人体に悪影響をもたらす可能性のある成分を使用しないクリーンビューティー、動物実験をしないクルーエルティフリー、パッケージをリサイクル可能なものとするなど、“Clean to Skin, Clean to Planet”をコンセプトとしています。
最近ではイギリス国内だけでなくパリの百貨店でも取り扱われるように。私も、このブランドの日中用クリーム「Global Protection Day Cream」を愛用中。日中の肌の乾燥を防ぐ保湿クリームで、なめらかなテクスチャーで肌にすっとなじむ点が気に入っています。
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ロンドンのSDGsアクションを目にして感じること
街を挙げてプラスチック使用の削減を呼びかけているロンドン。出張のたびにその様子を目にして、今では私もマイボトルを持ち歩くようになりました。そして、ビューティーではヴィーガンコスメを積極的に選ぶように。こうしたアクションをしていると、“自分も環境やサステナビリティに貢献できた”と気分もちょっとアガります。習慣として、これからも続けていこうと思っています。
駐在員レポート【ロンドン編】はいかがでしたか?
DEPACOではこれからも、世界各国の「SDGs×Beauty」の最新情報をお届けしていきます。あなたの“一歩先行く”SDGsアクションの参考にしてください。
EDITOR
大丸・松坂屋
パリ駐在員事務所 荒川
入社以来8年間婦人靴を担当し、キャリアを重ねた後、2018年にフランス・パリに駐在員として赴任。パリ生活5年目。コスメについてはかねてより関心があり、現在はヨーロッパのトレンドについて勉強中。趣味は旅行、観葉植物栽培、フランス語。
- ※この記事は、当記事の公開時点のものです。
- ※価格は全て税込です。
- ※写真と実物では、色、素材感が多少異なる場合がございます。
- ※取り扱いの商品には数に限りがございます。
- ※入荷が遅延する場合や急遽販売が中止になる場合がございます。
皆さん、こんにちは!大丸・松坂屋 パリ駐在員(※)の荒川です。パリ編に続き、今回は、ロンドンの「SDGs×Beauty」情報をお伝えします。
日本と同じく海に囲まれた島国の都市であるロンドン。そこに暮らす人々は、「SDGs×Beauty」にどのように向き合っているのか、またロンドンにある百貨店では実際にどういった取り組みが行われているのか、レポートします。
「SDGs×Beauty」に関心のある方はもちろん、“SDGsには詳しくはないけれど、ロンドンのトレンドは気になる”という方も、ぜひご覧ください。
※肩書は取材当時のもの。