正直、夫とはいい関係ではない時期もありました。でもある時、自分だけではなく相手にもさまざまな都合や心の整理が必要なことがあるということに気づいて、夫に対する私の態度が良くなかったな、と思うようになったんです。自分の親に対しては、何の遠慮もなく言いたいことを口にするじゃないですか。それを夫に対しても同じようにしていたんですよね。それからはお互いが思っていることを話し合うようになりました。
自分勝手に想像して、相手は「こんな風に思っているんでしょ」と答えを作ってしまうのは本当に良くないことです。例えば、子どもと夫を置いて自分だけで出掛けることに後ろめたさを持っていたのは自分だけで、夫は何も気に留めていないなんてこともありますから。

子どもに対しての意見はお互いに思っていることを言い合っています。話し合う時は、子どもがいる場でするので、子どもに聞かせたくないというよりも、オープンにみんなで話しています。子どもって、本人が思うようにやってみて、失敗から何かを学ぶというのが理想だと思うんですが、夫も私もついつい口を出してしまうタイプなんですよ。今は私たちの言うことを聞いてくれていますが、そのうち「ほおっておいてよ」みたいになるかもしれません(笑)。

PMSが結構強かったんですが、結婚してからもお互い自由に仕事をしていたので、感情が揺らぐことがあってもそんなに気にならなかったんです。でも子育てをしている中で、そんな感情の揺らぎとストレスが溜まって爆発したことが多くて、どうにかしたいと思っていました。
最初は市販薬やサプリメントを試していたんですが、近所の内科で、東洋医学を大事にされている先生がいる病院に行ってみたんです。そうしたら自分の症状についていろいろ教えていただいて、処方された漢方薬を飲んだら私に合っていたようで、症状も少し和らいだ気がします。
私の場合、糖が体に合わないみたいなんです。自分でもいろいろ調べていくうちに、たんぱく質も摂ったほうがいいというのが分かって、食生活を気遣うようになりました。

犬の散歩をしていたくらいで、特別な運動などはしていませんでしたね。ただ食生活を気遣うことで、肌がキレイになったように感じます。
でも昨年、学生時代にやっていたバレエを再開しました。週1回のレッスンなんですが教え方が上手な先生なので、昔、打ち込んでいた時よりも今のほうが上手なんじゃないかと思うほど(笑)。イラストレーターの仕事って、どんなジャンルも描けるので、何でもネタにしなくちゃと思ってしまうのですが、これだけはバレエが上達していく自分を純粋に楽しめていて、とても新鮮です。

産前までスキンケアもメイクもほとんどしなかったんです。仕事が不規則だったので、メイクしたままウッカリ寝てしまったらよくないと思い、ほぼノーメイクで過ごしていました。なので、産前産後の肌の変化はあまり感じませんでした。逆に産後は、規則正しい生活になったので、メイクをしてもいいかなと思うようになりました。
心掛けているのは、睡眠時間をしっかり取ること。子どもと一緒に8時半には布団に入り、夜の10時前までには寝るようにしていて、毎日9時間ぐらい寝ます。ちゃんと寝ないとパフォーマンスが落ちるということを改めて実感しましたし、きちんと寝ることで肌の調子が整い、頭もクリアになります。以前はお酒が好きだったのですが、朝起きて頭がスッキリしていないことが嫌になってしまって、あまり飲まなくなりました。

雑誌やYouTube、SNSです。ちょうど雑誌でコスメの連載のお話をいただいた頃は、人に見られるためというより、自分のためにメイクやスキンケアをもっと自由に楽しもう、という潮流が生まれた時期だったように思います。ナチュラルコスメが流行り出したり、コスメそのものが一気に多様化したように感じました。
最初は本当にいろいろなことを勉強しましたね。2年ぐらいは新作コスメを中心に紹介をしていたんですが、今は私の好きなことをやっていいと言われているので、メイクだけではなくライフスタイル全般の紹介をしています。私はファッションに興味があるので、今はファッションと一緒にコスメ情報を得ています。それから、本当にコスメに詳しい方のTwitterは、勉強になりますよね。

●よしいさんの愛用アイテム

1. 写真左から順に：
   〈オサジ〉ニュアンス スキンエフェクター(03) 税込3,300円

   ※DEPACOではお取り扱いがございません。大丸・松坂屋の店舗でお買い求めください。
   ■購入できる店舗を探す(DEPACO取り扱いなし)→

   〈オサジ〉はファッションやカルチャーが好きだけど、コスメには縁遠かった方にちょうどいい、自分らしさを表現できるブランドだと思っています。私の中では今季のベスコスというか、私好みのドンピシャなんです。主にハイライトとして使っています。ベージュ系の色味なんですが、青紫パールが入っていて洗練されています。




2. 〈THREE〉バランシングネクター クリーム ウォッシュ(100g) 税込4,290円

   3回リニューアルしていて、2023年春に新しく発売された洗顔料です。ホーリーバジルがキーノートになっていて、その香りの泡に包まれると、まるでハーブソーダを飲んでいるような錯覚に陥るぐらい心地良いんです。スキンケアはルーティンになりがちですが、自分が使うことを楽しめる、テクスチャーや香りが気持ち良いものを選ぶようにしています。そういった意味でもこの洗顔料は私にとって象徴的なアイテムです。




3. 〈RMK〉リクイド リップカラー(02) 税込4,180円

   かつての〈RMK〉はフェミニンなイメージだったんですが、2年ほど前にディレクターがYUKIさんに代わられて、強くて芯のある女性像を想起させるブランドになったと感じます。このリキッドリップも色味がおしゃれですし、しかも唇を美しく見せてくれるんです。最初は違う色を使っていたんですが、デパートのコスメコーナーに行ったらBAさんに違う色を勧められて、試したらすごく可愛い色だったのがこの「02ウォーム バター スコッチ」のカラーです。自分の唇に近い色だったので選ばなかったんですが、逆に似た色だからこそのツヤっとしたテクスチャーが生きてきました。BAさんに選んでもらったからこそ、この色に出合えたことが嬉しくて、毎日のように使っています。

   

SNSやリリースを見て、気になるアイテムをチェックして、実際に試したい時には、デパートのコスメコーナーに行きます。メイクをするようになる前は近寄りがたいエリアでしたが、今では月に1回は足を運んでいます。BA(美容部員)さんは、自分では気づかないけど似合う色味を勧めてくれますし、アイテムの魅力も詳しく教えてくれるプロなので、やっぱり頼りになる存在ですね。買い物全般、その場で決められないタイプなので、BAさんに紹介していただくアイテムも一度考えてからまた買いに行ったり、後からオンラインで購入したりしています。

ひとつは犬やハムスター、子どもが寝ているところを見ることが癒やしになっています。あとはアイロンをかけたり、シンクの水を拭くとか、そういったことにも癒やされていることに気づきました。コロナをきっかけに重みのあるアイロンとアイロン台を購入したんです。アイロン台は、いつでも使えるように寝室に広げたままで置いてあります。良いアイロンを使うと自分が下手でもそれなりに綺麗に仕上がるのが気持ちいいんです。年齢を重ねて掃除が好きになってきたので、それがこれからの癒やしになっていきそうな予感があります。

我慢とか自己犠牲は子どもや旦那さんも望んでいなかったりするので、罪悪感や後ろめたさを持たないで自分が楽しむことを大事にしてほしいです。楽しんでいるお母さんを見た方がお子さんも「大人ってこんなに楽しいんだな」って感じてもらえると思うんです。自分にリミットをかけたり、旦那さんの考えを勝手に想像したりしないで、堂々と自分が楽しんで欲しい。日本の女性は我慢しすぎているところがあるので、旦那さんとコミュニケーションを取って、もっと言いたいことを言っていいと思います。

よしいさんの、朝起きてから仕事をスタートするまでと、仕事が終わった後から寝るまでの家での過ごし方を教えていただきました。

前編では仕事に対する考え方の変化や、「母」である自分と、好きな仕事をする「私」を“スイッチ”するための日課などについて伺いました。

＜よしいちひろさんプロフィール＞
兵庫県生まれ、東京都在住。女性の日常や憧れをみずみずしく、ガーリーなタッチで描き人気を集めるイラストレーター。女性誌や書籍、広告などで幅広く活躍し、関西の情報誌『SAVVY(サヴィ)』(京阪神エルマガジン社)ではコスメ連載も担当する。Instagram(@chocochop2)で発信するファッションや暮らし、子育てといったライフスタイルも注目されている。

編集／㈱メディアム 成田 恵子、執筆／北村 文、撮影／Suat Koylu

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