心地よい大人美容 VOL.03 ポイントメイク編 ~スペシャリスト3名によるビューティーエッセイ~
DEPACO編集部
編集長 望月
2024/02/01
年齢を重ねるにつれ、これまで通りのスキンケアやメイクに、違和感や物足りなさを感じたことはありませんか。DEPACO編集長の望月も今まさに”迷子状態”!そんな悩める同世代女子に参考にしていただくべく、ビューティー業界で活躍する3名のスペシャリストに「40代になって始めたこと・やめたこと」をテーマにエッセイを書いていただきます。3回目は「ポイントメイク」についてお届けします。
奥行きのあるライン使いが、洗練を運んでくれる。AYANAさん|ビューティーライター
10年ほど前、あるメイクアップアーティストが「大人のポイントメイクには綿棒が必須。とにかくぼかすことに手間を惜しまないでください」と話していらしたのをよく憶えている。そのときはそんなものかなとピンと来ていなかったが、今は痛いほどわかる。
ラインと肌質感の関係性に合点が行き、自然と手が伸びるようになったのがペンシルアイライナーだ。若い頃の私はアイラインといえばリキッド一択。もともと目のフレームラインがはっきりしており、シャープなラインでそれをさらにキリッと仕上げるのが好きだった。けれどまぶたのハリがやわらぎ、目尻もなんとなく下がってきた今、リキッドの強さが表情になじみにくくなった。そもそもラインをまっすぐに引くことが難しいし、さあ引けた!と思っても、ハリが弱い肌の上で綺麗なラインが長時間保たれる保証はない。
しかしペンシルタイプなら、そもそもラインがはっきりしすぎていない。エッジがまろやかだし、チップやブラシ(そしてもちろん、綿棒)でさらにぼかし、シャドウのように使うとさらに表情になじむ。品格、奥行き、ドラマティックな陰影、そんなものが手に入っていく。
大人になるほど、その人の表情となじむメイクアップに価値が宿る。ペンシルアイライナーは、ラインを引くものというよりは、影を仕込むもの。だから個性美が立体的となり洗練が生まれるわけだ。40代にして大好きなアイテムとなった。
AYANAさんの愛用コスメ
コラム、エッセイ、インタビュー、ブランドカタログなど広く執筆。化粧品メーカー企画開発職の経験を活かし、ブランディングや商品開発にも関わる。2021年、エッセイ集『「美しい」のものさし』(双葉社)を上梓。
大人になるほど、リップメイクは楽しい。大塚真里さん|エディター
そのため長年、リップメイクは手を抜きがち。鏡を見ずにカラーグロスだけ塗ったり、朝塗ったら塗り直さずそのまま夜まで……なんて日もよくありました。コロナ禍に突入してますますその傾向は強まっていましたが、いよいよマスクオフとなって、改めてメイクをした自分の顔を鏡で見たら、何かが変。目元と口元のバランスが悪いのです。マスク生活で表情筋が衰え、そして3年の時を経て40代も終わりに近づき、口元にゆるみが始まっていたんですね。口角が下がってリップラインはぼやけぎみ、上唇のボリュームダウンも気になります。
そこで、今までなら避けていたような、しっかりついてくっきりと色鮮やかに発色する口紅を、ややオーバーリップぎみにつけてみました。するとたちまち顔全体の化粧バランスがよくなり、薄かった上唇もボリュームアップ(※)して見え、ゆるみやほうれい線にもそこまで目がいかなくなる気がします。リップひとつでこれほどまでに明るい気分になれるなんて!そこから探求が始まり、リップペンシルを使ってみたり、赤リップを薄く塗ってみたりといろいろトライ。今は、ツヤツヤすぎないニュートラルな質感で発色のいい口紅をたっぷり塗る、という方法に落ち着いています。リップペンシルを使えばより立体感(※)やボリューム感(※)が出るのですが、仕事の合間に塗り直しの手間がどうしても大変。ツヤを抑えた発色のいい口紅なら、ラインもしっかりとれるので1品でOKです。
たったひと塗りで気分を高め、自信をもたらしてくれるメイクってやっぱり偉大。顔だちにさまざまな変化があらわれる40代こそ、自分のルーティンと違う新しいメイクを探してみて。小さな挑戦はきっと、毎日を楽しくしてくれます。
大塚さんの愛用コスメ
※メイクアップ効果によるもの。
『美的』『Oggi』『CREA』などの美容ページを編集・執筆するほか、コスメブランドのブランディングやコピーライティング、商品企画を手掛ける。著書は『キッチンには3本のオイルがあればいい』、『肌がキレイになる石けんオフメイク』(文藝春秋)など。
優しさ、余裕、エレガントな雰囲気をまとうメイクに。須山佳子さん|コンサルタント
まず40代でやめたことは、黒のアイライナーでバッチリ描くこと。以前は目頭から目尻の先までさーっとキャットアイのように1本で描いていましたが、これが強すぎる印象を更に強めていることがわかりました。
最近は明るい茶系の色に変え、まつ毛の下を埋めるように丁寧に描き、目の色も少し明るく優しい印象に仕上げるように気を遣っています。そして目元のくすみやくぼみをカバーする(※)ためにオレンジ&ゴールドラメが入ったハイライトをまずベースに塗り、その上にアイシャドウを塗ることで、時間の経過でくすみが出ても印象に奥行きがでるように仕上げる努力をしています。
チークはベージュとオレンジのミックスカラーを使用し、くすみを隠しながらも骨格を綺麗に魅せ(※)、日によってピンク系、オレンジ系、茶系の塗る場所を使い分けるように変えました。
そして30代の頃はリップを塗り忘れていてもそれほど気になりませんでしたが、今はリップをしっかり塗らずに写真に写ると、まるで血色感のない疲れた印象になることが分かりました。そのため、口元は日に応じて色を使い分けますが、日中も何度か保湿成分の高いハニーのリップを塗り、ツヤ感をアップさせることを心がけています。そして30代の時は絶対に塗らなかったレッドも、40代は意外とありかもしれない!と思うようになり、パーティーやディナーの前にだけつけるようになりました。
最後に、40代になり今まで持っていた化粧筆をすべて熊野筆に変えたところ、驚くほどメイクの質が上がったことを実感しました!一本一本職人が丁寧に作る筆を使用することで、のりが断然違い、またメイクをする時間を楽しくできますよね!
※メイクアップ効果によるもの。
2001年よりパリ在住。日本の美容とライフスタイルをコンセプトにしたEストア「Bijo; Paris」(www.bijo.paris ※外部サイトです)を始め、デパートLe Bon Marche内にJ-Beautyコーナー「Bijo;」、パリ6区にコンセプトア「Bien;/Bijo; Labo」を運営。また定期的に欧州の美容トレンドを日本へ紹介している。
私もまさに「黒のアイライナー」をやめた一人です。今はもっぱらバーガンディやブラウンなどのカラーライナーを愛用中♡色々ぼやけてくるからこそ(笑)醸し出せる、柔らかい雰囲気をこの際楽しんだもの勝ちですよね!(望月)
EDITOR
DEPACO編集部
編集長 望月
同世代、しかもビューティー業界を知り尽くしたお三方が語る「大人の美容法」。「そうそう」「へ~」「そんなやり方もあるんだー」などなど、井戸端会議に参加しているような感覚で読んでもらえたら嬉しいです。
新聞記者やビューティ業界紙の編集記者を経て、大丸・松坂屋に入社。化粧品各社の戦略やビジネスなど、ビューティ業界を見つめて早10数年。年齢に伴う肌悩みに向き合いつつ、無理をしない「ながら美容」を追求する編集部最年長。愛犬の散歩で1日平均1万歩の健脚が自慢。
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