近頃何かと話題の「骨格タイプ」。これは、太っている・やせているとか、身長・年齢などに関わりなく、その人の筋肉と脂肪のつき方、そしてシルエットから把握できる体型の傾向のこと。大きく「ストレート」「ウェーブ」「ナチュラル」の3つに分類されます。その特徴は以下の通り。

●ストレート
立体感があり、厚みを感じさせるメリハリボディ。首はやや短めで腰の位置が高く、上重心。筋肉を感じさせるハリのある質感をお持ちです。

●ウェーブ
体は薄く、しなやかな曲線を描くようなカーヴィボディ。首は長めで下重心。筋肉よりも脂肪を感じさせる、やわらかな質感をお持ちです。

●ナチュラル
フレームがしっかりしていて、肉感的な雰囲気を感じさせないボディ。骨格や関節がしっかりしていて、重心の偏りはありません。

実はタイプごとに、同じようなことに悩むケースが多いんです。それでは今回の主役、ナチュラルさんの“あるある”なお悩みとは…？

まず、ナチュラルさんとはどのような骨格タイプを指すのか、もう少し掘り下げてみましょう。
筋肉や脂肪よりも骨や関節の存在感が大きい、直線的で四角さを感じさせるボディ。横から見てもあまり凹凸がなく、ストーンとしたシルエットの方が多い印象や。
特徴的なのが大きめの手。手の甲が筋張っていて手の平は大きく、指の関節がはっきり。顔にもあまり筋肉や脂肪がついておらず、エラやあごが目立つなど骨のカタチがよくわかる、ちょっとごつっとした雰囲気の方が多いかもしれへんなあ。

そんなナチュラルさんからよく聞くお悩みは「可愛い系のファッションが似合わない」とか「合う靴がなかなか見つからない」とか、いろいろ。実際に骨格タイプ診断をしてみると、ナチュラルさんは骨格がしっかりしていて、肩が張り気味などボディラインが四角い傾向があるので、ふわふわ・ヒラヒラがたっぷりついたキュートなアイテムを身につけると、むしろ“たくましさ”が出てしまうのかも。足の骨にもあまり筋肉や脂肪がついていないので靴ズレを起こしやすく、靴モンダイに悩むケースも多々…。

でも、そんなナチュラルさんが体型を引き立てるファッションを身につければ、スタイリッシュかつこなれ感が生まれて、なんとも格好いい雰囲気になるんです！肩ひじ張らないさっぱりした性格も相まって、まさに“媚びない魅力”が醸し出されるんやで～。

たとえ身長がそれほど高くなかったとしても、手足は大きいのがナチュラルさんの傾向。特に手の大きさは自分でもわかりやすく、“顔より大きい”のはナチュラルさんにとって、もはや当たり前。女子でも大きいボールがしっかりつかめるので、バスケ部向きかも？

●ココをチェック！あるあるな理由
全体的に骨がしっかり太く大きめなのがナチュラルさんの特徴。骨格の末端にある手足も同様で、身長の割に手足が大きいのはナチュラルさんに共通する特徴だと、お客様を見ていて感じます。友達と比べて手が大きい、身長の割に靴のサイズが大きいなどで、手足の大きさを自覚しているナチュラルさんも少なくないようやで～。

指は細い、はずなのに、指輪を買いに行くとスタッフがすすめてくれるのはなぜか大きめサイズ。カラーストーンがセンターで輝く中石リングを身につけていても、ふと手を見れば、いつのまにか地金だけのシンプルな指輪に。“あららっ”と手をひっくり返すと、キレイな中石は手のひら側にひっそり移動。そしてナチュラルさんは指輪を回し、中石を手の甲側に戻す…。

●ココをチェック！あるあるな理由
ナチュラルさんのもうひとつの大きな特徴が、関節が太いこと。ところが骨にはそれほど肉がついていないので、関節を通る大きさの指輪を選ぶと、指のつけ根でクルクル回ってしまう。中石リングも、せっかくのセンターストーンが手のひら側に回ったり、指の間にはさまったり(泣)。四六時中直さなきゃならないのが面倒で身につけなくなった、という哀しい体験談も…。

新しい靴を履くときは靴ズレを覚悟、というナチュラルさん多し。中敷きを入れてみたり、履き口にテープを貼ったり…と涙ぐましく工夫を凝らすものの、効果のほどは今ひとつ。いつも靴ズレする場所にあらかじめ絆創膏を貼っておき、さらに予備の絆創膏をポーチにin。特に苦手なのが、重心が前に来がちなヒールパンプス。セレモニーなどでどうしても履かなきゃならないときはスニーカーで現地に向かい、直前に履き替える、なんて生活の知恵も。

●ココをチェック！あるあるな理由
クッションになる筋肉や脂肪が、足の骨にもついていないナチュラルさん。極端な話、骨の上にすぐ皮があるようなものなので、ジャストサイズの靴を履くと、靴と骨とにはさまれて皮がスレるスレる。ならば、と大きめサイズを選べば、靴の中で足が前に滑って親指・小指のつけ根の外側がまたスレて…。よく「革靴は履いているうちに伸びる」と言われるけれど、それまでに足が傷だらけになることを経験上よく知っているナチュラルさんが選ぶのは、結局スニーカー。またそれが良く似合うんやね。

「スカートはロングしか選ばない！」と断言するナチュラルさんは多い。なぜならミニスカートを履くと、ぼこっと大きな膝が目立つから。若いうちはフレッシュな雰囲気で何とかなるけれど、年を重ねるごとに、少ないながらにお肉が膝の上に乗ってきてより存在感が増し、膝上丈がどんどん鬼門に…。

●ココをチェック！あるあるな理由
脚のカタチがもろに出てしまう膝上丈スカート。筋肉や脂肪の少ないナチュラルさんはO脚に見える方が比較的多く、膝の関節もしっかりしているので、この丈のスカートをキレイに履きこなすのが難しい…。なので、脚のシルエットをすっぽり隠せるロングスカートが安心。なんなら地面スレスレのマキシ丈だっていけちゃうで～。

ナチュラルさんのしっかりしたスタイリッシュボディを引き立てるのは、オーバーサイズやゆったりデザインのアイテム。カジュアル感やラフな雰囲気のあるものをまとうと、抜け感がありながらも洗練された印象に。メンズライクなデザインも得意です。
素材はウールやレザー、ムートン、コーデュロイ、麻など、風合いのある天然由来ものを選ぶとええで！

スタイルアップのコツは、ざっくりした素材感のものをふわっとまとって、体のラインを効果的に隠すこと。身長の高い方はトップス・ボトムスともにゆったりサイズでもルーズにならず、スタイリッシュに仕上がります。それほど身長が高くない方はトップスに丈がやや短いものを選んだり、トップスインやベルトを使ってウエストマークを。重心を比較的下に持ってきた方がスマートに決まるで。
とにかく“骨感を出さない”ことを意識してほしい！トップスはデコルテの出ないボートネックやタートルネックのデザインを選び、長袖やドルマンスリーブで肩や肘を隠すのが◎。ボトムスは脚のラインや膝が出ない長さのタイトスカートやフレアスカート、ゆったりシルエットのワイドパンツやカーゴパンツなどがおすすめ。

ファッションアイテムもカジュアル感やラフさがあるものを。バッグはボリュームのあるものがイチオシ。帽子がよく似合うから、これからの季節は防寒も兼ねてニット帽などをどんどん取り入れてや！アクセサリーは天然石や木、革など自然素材を使った大ぶりなものを選ぶと、カジュアルな雰囲気を引き立てながら華やかさもプラスできます。靴は間違いなし！のスニーカーのほか、ローファーや太めヒールのパンプスなど。冬に向けてムートンブーツもええなあ♪

×ザンネン！NGファッションは…

体のラインが出てしまうテロンと落ち感のある素材は、骨ばったシルエットがもろにわかるので、キレイ見せしたいナチュラルさんにはキビしい…。フリフリ&フワフワのラブリーなデザインも、肩回りを膨張させるうえにナチュラルさんのスタイリッシュな雰囲気に馴染まず、ちょっと浮いてしまうかも。キュートさを演出したいときは、体をゆったり覆う素材やデザイン、フェミニンな色を選ぶ、といったテクニックを駆使してな。
ぴったりサイズのものは肩や腰があたるので窮屈に感じるかも。その場合はストレッチが効いた素材のものを選ぶと、心地よく着こなせるで。かっちりした仕立てが多いセレモニーファッションやリクルートスーツをセレクトするときに悩む方は覚えておいてや～。

ナチュラルさんあるある、いかがでした？【骨格タイプ別あるある】コラムも今回で終了！この連載を通じてお届けしたかったのは、どのタイプの方も素敵なところをたくさん持っている、ということ。それを知って自分の“得意”を把握し、“苦手”も押さえておけば、個性を引き立てるコーディネートができて、毎日がぐんと楽しくなるはずや～。

「ファッションナビ プレミアム」では、骨格とカラーのプロフェッショナルがその人をさらにイキイキと魅せるファッションアイテムやコスメの選び方をレクチャー。ファッションタイプ診断の中では骨格タイプについてもチェックするので、コラムを読んで興味を持たれた方は診断を受けてみることをおすすめします！

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