【前編】Switching Story ~“母”の顔と“私”の顔~Vol.1 よしいちひろ(イラストレーター)<ママ美容インタビュー>
DEPACO編集部
エディター 高梨
2023/07/08
01
イラストレーターになられたきっかけを教えてください。
当時、デザイナーや編集者に憧れていました。でも大学生の時からずっとバンド活動を続けていたので、その活動と両立できる仕事がないかと考えて、雑誌のイラストレーターを志すようになりました。もともと大学の学科も教育学部の美術クラスだったこともあって、イラストを描いたりするのは好きだったんです。でも出版社に作品を持ち込んでみたら、兼業では難しいと言われてしまって(笑)。今の時代だったら両立することが当たり前のようになりましたが、雑誌業界が忙しかったこともあって、すぐ仕事には繋がらなかったんです。それでOLをしていたんですが契約が切れてしまい、改めて編集部に持ち込みに行ったところ、仕事をいただくことができました。それから雑誌内のいろいろな記事でイラストを使っていただけるようになって、イラストレーターとしてのキャリアがスタートしたんです。
02
何系のバンドをされていたんですか?
90年代に流行していた小沢健二さんのようなギターポップ、いわゆる“渋谷系”と言われるちょっとおしゃれな感じのバンドです。新入生歓迎イベントでたまたま手にしたメンバー募集のチラシにピンときて参加しました。歌には全然自信がなかったですし、当時“渋谷系”の楽曲って、そんなに歌唱力を求められないようなイメージがあったので軽い気持ちで入ったのですが、やっぱり上手いに越したことはないと実感しました(笑)。“渋谷系”バンドにしたのはもう1つ理由があって、CDジャケットのデザインや衣装が凝っているところに惹かれていたから。歌うよりも曲を作ったり、フライヤーやCDジャケットを考えたりするほうが好きでしたね。
03
ご出産前、仕事はどのように取り組まれていましたか?
夫は理解があるほうだったので、結婚してからもしっかり仕事をしていました。朝も夫のために起きることはなかったですし、夜中に3時間仕事して寝て、また明け方前に起きて作業するみたいな、今考えると要領の悪いスタイルでした。それでも夕方になると友人と飲みに行ったりして、本当に自由な生活でした(笑)。
今もコスメの連載を持たせていただいている関西の情報誌『SAVVY(サヴィ)』をはじめ、雑誌の仕事はコンスタントにいただけるようになっていましたが、もっと広告や書籍の仕事もしたいと思うようになっていたんです。そうしたら夫の会社が東京に支社を出すことになって、それに便乗して上京しました。2009年だったんですが、その頃が一番仕事をしていたと思います。同じ手帳を10年近く使っていて仕事の締切などを書いているんですが、当時の予定を見るとプロジェクト的な仕事がほぼ同時に8件あって、スケジュールがいっぱい埋まっているような感じで。連載や自分の名前が前に出る仕事は今のほうが多いのですが、当時は単発の仕事をたくさんこなしていましたね。
今もコスメの連載を持たせていただいている関西の情報誌『SAVVY(サヴィ)』をはじめ、雑誌の仕事はコンスタントにいただけるようになっていましたが、もっと広告や書籍の仕事もしたいと思うようになっていたんです。そうしたら夫の会社が東京に支社を出すことになって、それに便乗して上京しました。2009年だったんですが、その頃が一番仕事をしていたと思います。同じ手帳を10年近く使っていて仕事の締切などを書いているんですが、当時の予定を見るとプロジェクト的な仕事がほぼ同時に8件あって、スケジュールがいっぱい埋まっているような感じで。連載や自分の名前が前に出る仕事は今のほうが多いのですが、当時は単発の仕事をたくさんこなしていましたね。
04
妊娠されてからはどのように過ごされていましたか?
そんなふうにハードスケジュールで仕事をしていたので、妊娠したことで依頼してくださる方が遠慮するのではないかと恐れました。なので、あえて関係者に報告をしませんでした。
その当時、母親になること=ほっこりするようなイメージが私の中にあって、メディアの第一線で活躍している女性で母という方が身近にいなかったんです。特にフリーでお仕事をされているカメラマンさんやスタイリストさんは、出産した、子育てをしている、ということを公言する方があまりいなかったように感じます。母親になることでこれまでのように仕事ができなくなるとか、今まで尖っていた部分がなくなってしまうのが怖かった。母親にならずにずっと仕事をするという選択肢も元々自分の中にはあったので、報告しなかったのかもしれません。夫が子ども好きだったので私は母親になることを選びましたが、出産する直前まで仕事をしていました。出産後も病院には3日間入院しましたけど、退院前に打ち合わせの電話をしたりして、とにかく仕事から置いてきぼりにされたくないという思いが強くありましたね。
その当時、母親になること=ほっこりするようなイメージが私の中にあって、メディアの第一線で活躍している女性で母という方が身近にいなかったんです。特にフリーでお仕事をされているカメラマンさんやスタイリストさんは、出産した、子育てをしている、ということを公言する方があまりいなかったように感じます。母親になることでこれまでのように仕事ができなくなるとか、今まで尖っていた部分がなくなってしまうのが怖かった。母親にならずにずっと仕事をするという選択肢も元々自分の中にはあったので、報告しなかったのかもしれません。夫が子ども好きだったので私は母親になることを選びましたが、出産する直前まで仕事をしていました。出産後も病院には3日間入院しましたけど、退院前に打ち合わせの電話をしたりして、とにかく仕事から置いてきぼりにされたくないという思いが強くありましたね。
05
ご出産後はどのように変化しましたか?
出産してからは想像とは違う世界がありました。上京したての頃に比べるとイラストレーターとしての仕事の量は落ち着いていましたが、子どもを産んだことをきっかけに、子育てやインテリアに関連するインタビューを受ける機会が多くなったんです。母親になったことで、これまでとは違う幅広いジャンルの仕事をいただくようになりました。
出産後に仕事をしたスタッフさんでも公言はしていないけど子育てをしている、という方が思っていたよりも多かったのに驚きました。私が出産したのは35歳でしたが、同じ時期に同世代のカメラマンさんやイラストレーターさんも出産していて、キャリア的にそんなことを考える方が多い時期だったのかもしれません。
出産後に仕事をしたスタッフさんでも公言はしていないけど子育てをしている、という方が思っていたよりも多かったのに驚きました。私が出産したのは35歳でしたが、同じ時期に同世代のカメラマンさんやイラストレーターさんも出産していて、キャリア的にそんなことを考える方が多い時期だったのかもしれません。
06
仕事と子育てを両立させるうえで、難しかったことはどんなことですか?
産休明けの方って、以前のような仕事ができないということでストレスを感じることもきっとあると思うんです。私も出産前は「もっとやれるのに」という向上心や目標、夢がありました。でも母親になってからは自分の中で何かが切り替わって、私が今できることをやるしかない、と思えるようになりました。それまでは尖った自分を出していくような作品が多かったんですが、子育てが思うようにできないことを経験したこともあって、自分の仕事に対して俯瞰で見られるようになったんです。
私は子どもが5カ月の時から保育園に預けていたし、夫が産休のような感じで勤めていた会社を辞めて、次の会社に入るまでの期間は子育てをサポートしてくれたので助けられました。産前は気ままに仕事をしていましたが、産後は、子どもが保育園に行って帰ってくるまでの8時過ぎから18時の間にギュッと仕事をやるしかないと思ってしてみたら、逆にパフォーマンスが上がったように感じます。本当に忙しい時は夜中に起きて仕事をすることもありましたが、“育児は母親だけの仕事じゃない”という考え方は夫婦で共有していたので、思うように仕事ができないということでネガティブになったりはしませんでしたね。
でもやっぱり一人の時間を持つのは難しかったですね。今は子どもも小学生になって少し余裕ができたので一人で美術館とかにお出掛けしたりできますが、4~5歳になるぐらいまではずっと我慢をしていました。その期間がすごく長いと感じていて、今振り返るとそのストレスは家族に向いていたかもしれません。本当は自分が一息つける時間が必要だと分かっていても、子どもを置いて出掛けることに何か罪悪感がありましたね。
私は子どもが5カ月の時から保育園に預けていたし、夫が産休のような感じで勤めていた会社を辞めて、次の会社に入るまでの期間は子育てをサポートしてくれたので助けられました。産前は気ままに仕事をしていましたが、産後は、子どもが保育園に行って帰ってくるまでの8時過ぎから18時の間にギュッと仕事をやるしかないと思ってしてみたら、逆にパフォーマンスが上がったように感じます。本当に忙しい時は夜中に起きて仕事をすることもありましたが、“育児は母親だけの仕事じゃない”という考え方は夫婦で共有していたので、思うように仕事ができないということでネガティブになったりはしませんでしたね。
でもやっぱり一人の時間を持つのは難しかったですね。今は子どもも小学生になって少し余裕ができたので一人で美術館とかにお出掛けしたりできますが、4~5歳になるぐらいまではずっと我慢をしていました。その期間がすごく長いと感じていて、今振り返るとそのストレスは家族に向いていたかもしれません。本当は自分が一息つける時間が必要だと分かっていても、子どもを置いて出掛けることに何か罪悪感がありましたね。
07
子育ての悩みはどのように解決されていますか?
私は、子どもの頃から自分のやりたいことを自由にやって育ってきましたし、仕事でもちやほやされてきました。なので、言うことを聞いてくれない“子ども”という存在とずっと過ごすことが本当に大変で、子育ては向いていないとたびたび思います(笑)。そういう時は、子育てをしている友人とSNSで連絡を取り合ったり、ママ友と話したりします。仕事で初めて会った方でも「子育てをしているんです」というお話を聞くと、何だか“仲間だ”と感じますね。シスターフッド的な感覚で、親近感が湧くんです。
08
仕事と家庭の自分を「スイッチ」するために心掛けていることはありますか?
寝る前も朝起きてからも「今日何着ようかな?」って考えるぐらい服が好きなので、いわゆる“部屋着”を持っていないんです。毎日ちゃんと服を選んで、おしゃれをしてメイクすることが、私にとっては1日を始めるためのスイッチになっています。あと犬の散歩も区切りになっていますね。子どもを学校に送っていきながら、そのまま犬の散歩をして、帰ってきてから仕事を始めます。
逆に家事モードへの切り替えはあまりなくて、仕事の息抜きみたいな感じで花の水やりをしたり、近所の農家さんへ買い物に行ったりします。できるだけ家事を増やさないように全自動の家電を活用していますが、料理は作らないといけないので、週に2~3回は買い物に行っています。ちゃんと作るのは夕飯ぐらいで、朝食は作り置きのおかずや夕飯の残り物とごはんで済ませちゃうんです。30分ぐらいで夕飯を作るので、時短料理本のレシピが本当に助かっています。せっかちな性格なので、工程が凝ってる料理はあまり作らないんですよね(笑)。野菜を使った料理が中心です。自分が野菜好きなのもありますが、親から「野菜を食べなさい」と言われて育った世代なので、子どもにも野菜を摂るように口うるさく言ってしまいますね。でも最近はたんぱく質も必要だなと思います。
後編では、産後の美容への取り組みやコスメの愛用品について伺いました。
■後編記事はこちら→
<よしいちひろさんプロフィール>
兵庫県生まれ、東京都在住。女性の日常や憧れをみずみずしく、ガーリーなタッチで描き人気を集めるイラストレーター。女性誌や書籍、広告などで幅広く活躍し、関西の情報誌『SAVVY(サヴィ)』(京阪神エルマガジン社)ではコスメ連載も担当する。Instagram(@chocochop2)で発信するファッションや暮らし、子育てといったライフスタイルも注目されている。
編集/㈱メディアム 成田 恵子、執筆/北村 文、撮影/Suat Koylu
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EDITOR
DEPACO編集部
エディター 高梨
素敵なイラストで多くのファンを魅了するよしいさん。子育てをきっかけにこれまでとは違うお仕事の機会も増えたといいます。自分の変化が新しい世界を切り開いてくれることもあると思うと勇気づけられますね!
旅行誌の出版社で編集職を10年以上経験。出産を機にキャリアを見つめ直し、今後は大好きな美容の情報発信をしたいという想いでDEPACO編集部へ。美容はスキンケアやベースメイクでの“土台作り”が好き。趣味は旅と料理。
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