KATOCO(右)：最近よく、“オーガニック”という言葉を目にします。コスメはもちろん、スーパーにはオーガニック野菜も並んでいたり。オーガニックって、そもそも何なのでしょうか。

本田(左)：オーガニックとは、化学的に合成された農薬や肥料等を使わず、自然界が本来持つ力を活かして行う有機栽培方法のことです。日本の場合、具体的には国の「有機JAS」という規格に則って生産・管理されたものを指します。農産物・加工食品・飼料・畜産物・藻類の5つが有機JAS規格の対象となっています。
スーパーなどでよく見かけるオーガニック野菜は農産物ですね。農産物では、「生産の2年以上前(※1)から化学合成農薬や化学肥料を使っていない田畑で栽培する」「栽培している間も化学合成農薬や化学肥料を使わない」「遺伝子組み換え技術や放射線照射も用いない」といったルールがあり、これに則って生産されたものを“オーガニック”と呼ぶことができるんです。

KATOCO：オーガニックと呼べるものをつくるためには厳しいルールがあるんですね！そういったルールは、なぜ決められたのですか？

本田：化学的に合成された農薬や肥料など、土壌生態系や河川・海に影響を及ぼす可能性があるものを使わないことで、地球環境の持続的な健康を守るためです。その結果、私たち、そして次の世代もすこやかに暮らすことができるようになります。

※1 多年生作物の場合は、最初の収穫の3年以上前。

KATOCO：オーガニックとは、地球環境の健康を守る仕組みなのですね！それでは、“オーガニックコスメ”はどんなものなのでしょうか。パッケージによく認証マークがついていますが、これにはどんな意味があるんですか？

本田：オーガニックのルールを踏まえると、「オーガニックコスメ＝オーガニック認証機関の認証を取得したもの」と考えられます。日本では化粧品については有機JASのようにオーガニックであることの証となる規格が存在しないのですが、世界各国に認証機関があり、そこを通じてCOSMOS(COSMetic Organic Standard)認証等を取得することができます。
COSMOS認証については、以下の決まりを守って化粧品づくりを行う必要があります。認証マークがついているということは、その化粧品は厳格なルールに則って製造されたオーガニックコスメであることの証となります。

・製造工場
オーガニック品とそうではないものが混在しないように管理し、化粧品製造で使う釜の洗浄剤は石油由来ではない環境に配慮したものを使うこと。
・成分
水を含む98%以上が天然由来素材であり、全配合成分中のうち20％(洗い流す製品を含む水系製品では10%)以上オーガニック成分を配合すること。
・抽出
オーガニック原料から化粧品成分を抽出する際は、圧搾や蒸留など、石油系薬品を使用しない方法で行うこと。
・パッケージ
使用する原材料の量を抑えつつ、再利用または再生利用できる原材料を最大限使用すること。
・トレーサビリティ
原料や製造履歴などを書類にまとめて管理し、年1回、第三者機関により工場と事務所の監査を受けること。

KATOCO：認証マークにはそんな意味があるのですね！“ナチュラルコスメ”という言葉もよく耳にしますが、これはどんなものですか？オーガニックコスメとの違いは何なのでしょうか。

本田：先ほどお話ししたように、そもそも日本ではオーガニックコスメやナチュラルコスメについての明確な定義が存在しないんです。そのため、ブランドによって多種多様な捉え方があります。当社では、COSMOSなどの認証を取得したものやそれに準じたつくり方をしたものを“オーガニックコスメ”、認証は取得していないものの石油由来原料の使用をなるべく抑え、持続可能で環境にやさしい植物・天然由来原料を積極的に採用しながら、製品づくりやパッケージにも環境への配慮を盛り込んだものを“ナチュラルコスメ”と考えています。

KATOCO：“オーガニックコスメやナチュラルコスメを使ってみよう”と思ったとき、どんなことをポイントにしてコスメを選べばいいのでしょうか？

本田：オーガニックコスメもナチュラルコスメも、石油由来ではなく天然由来原料をなるべく多く使うことで“環境へのやさしさ”を目指していることが本質的な価値となっています。一方で、認証マークがついていない場合、“天然由来”の定義はブランドごとにさまざまです。
また、天然由来成分が必ずしも“美肌づくり”につながるとは限らないので、環境への配慮を行うのと同時に、化粧品としての品質を高めていく必要もあります。
気になったブランドはホームページを見たり、美容部員さんに聞いたりして、「このブランドはどのようにオーガニックコスメやナチュラルコスメを開発しているか」を確認し、その姿勢に共感したものをセレクトする、ということもひとつのポイントになるのではないでしょうか。
とはいえ、肌との相性もありますし、ビューティを追求するためには使用感や香りも大切な要素です。肌に合うか、テクスチャーや香りが自分にとって心地よいかどうかも、テスターなどでチェックして選んでいただければと思います。

KATOCO：ジャパン・オーガニック(株)では、国産原料にこだわったオーガニックコスメブランド〈ドゥ―オーガニック〉を展開されていますよね。おすすめのアイテムを教えていただけますか？

本田：ひとつは「クレンジング リキッド」。製品中の約99.7%が天然由来原料、そしてオーガニック原料を15.0%配合しています。水ベースのクレンジングで、肌に素早く伸び広がってメイクや汚れと馴染んで浮かせ、すっきり落とします。濡れた手でも使えてダブル洗顔不要なので、“使いやすい”とたくさんの方に愛用されているんですよ。

本田：2022年2月にデビューしたラディアントシリーズの化粧水「エクストラクトローション ラディアント」と美容液「リプレニッシング セラム ラディアント」も、ぜひご注目いただきたいです。化粧水は天然由来成分99.9%・オーガニック成分12.7%、美容液は天然由来成分99.9%・オーガニック成分30.7%配合です。国産の有機玄米と川北黒大豆(通称：丹波黒)を活かした穀物保湿成分(※2)を中心にこだわりの天然由来成分をたっぷり配合しており、肌をみずみずしく整え、ハリとツヤを与えて輝く肌に導きます。 オーガニック原料の配合や認証工場での製造、ゴミの削減につながるパッケージデザインなどを通じて環境負荷を抑えながら、国内農産物を積極的に使用することで日本のオーガニック栽培の広がりも後押ししていることが〈ドゥ―オーガニック〉の特徴です。

KATOCO：ぜひ使ってみたいと思います！環境への配慮が製品づくりの軸となっているオーガニックコスメ。毎日のスキンケアに用いることで、自然の力を感じながら環境保全にもアプローチできますね。

本田：“未来をより良くするのに役立っている”と思うと、肌だけでなく心も満たされますよね。そして、そんな気持ちがその人の表情をさらに輝かせる。それこそが、オーガニックコスメやナチュラルコスメが持つ本当の魅力なのではないでしょうか。
※2 加水分解コメヌカエキス・加水分解コメエキス・豆乳発酵液(保湿成分)

本田さんのお話を通して、今までよりもオーガニックコスメ&ナチュラルコスメが身近になったでしょうか？
DEPACOでは、今回ご紹介した〈ドゥ―オーガニック〉の商品以外にも、自然派のコスメを豊富にラインアップしています。ぜひ、チェックしてみてくださいね！