声が大きいから損しているのよね。そんないつも元気じゃないんだけど。今、その元気の源を探そうとしているところ。和田さんが亡くなってから寂しいって思っていたんだけど、それを吹き飛ばすように、何かやらなくちゃだめと思い始めたちょうど今が過渡期なのよ。
でもねこの間、電車の中で知らない人が声をかけてきて「レミさんのレシピで料理を作ったら、夫が喜んでくれたんです。」って言ってくれて。急に“ベロ繋がり”で仲良くなって、うれしくなっちゃった。

健康管理なんて何にもしてないのよ(笑)。でも食べた肉の3倍野菜を取るようにしているかな。1食ごとではなく、1日の栄養を考えてバランスよく取るようにしているの。それは和田さんの栄養管理をしていたから、それが身についちゃってるのかも。
病院も行ったことないし、虫歯もないの。それは健康だった祖母や母のおかげもあると思うんだけどね。

ストレス解消法はワインを飲んでよく寝ること。ボトルの半分ぐらい飲むといい気分になって、寝て起きると、 気持ちがマイルドになるの。カレーが一晩寝かすとマイルドになるのと同じね(笑)。
ワインは赤が好きだったんだけど、今は白が好き。高いワインは本当に美味しいんだけど、手頃な価格の美味しいワインってないかしらね。イヤなことや疲れたと思ったらワインを飲むといい気分になれるから大好きよ。でも次の日にテレビの仕事がある時は顔がむくんじゃうし、声もガラガラになっちゃうので、おさえ気味に飲みますね。

朝起きて”アレクサ“で私の好きな曲を聞いている時かな 。和田さんがいつも聞いていた曲を聞いていると、そばにいてくれるみたいな感じがしていいのよ。話し言葉に反応してくれるのも楽しくてね。ちょっとペットみたいな感じかな。

なかなか機会はないんだけど、歌うのは大好きね。普段でも鼻歌でシャンソンは歌っているのだけど、声の調子がいい時はまたどこかで歌っちゃおうかしら、な～んて（笑）。
人前で歌って、思いもよらないたくさんの拍手をいただくときがあるの。すごく自然に歌って、歌い終わった時にブワーっと拍手をもらったときなんかのあの醍醐味はたまらないですよ。だからまたどこかで歌う機会があったらいいな、と思っちゃいますね。

私の自己満足は朝起きて着替えて、美味しいお茶を飲みながら、窓を開けて庭を見て、太陽が部屋にバーッと差し込んでくるだけで、何にもいらない。あーっ気持ちいいな、今日も1日始まるんだ！と感じることがとてもうれしいの。つまらないことかもしれないんだけど、それが大好き。

それはね、やさしさ。人に対するやさしさね。人間にやさしさがなくなったらダメでしょ。だからやさしさを一番大切にしていますね。それしかない。

●平野レミさん愛用アイテム

1. かざれるコースター（私物）
   和田さんが書いた「ひとこま漫画」シリーズの中から選んだ6つの絵柄をコースターにしたのよ。インテリアとして飾ってもいいし、裏面にメッセージも書けるからカードとしても使えるのよ。
2. レミパンプラス(24cm) 税込13,200円
   発売してから20年たつんだけど、コレがあれば何でも作れちゃう。どんどん進化しちゃってるんだけど、食材も飛び出しにくいからあおるのも簡単なのよ。あとハンドルがマグネットになってるから、お玉とかもくっついてくれるから便利よ。
3. エッセイ『おいしい子育て』(ポプラ社) 税込1,540円
   ※DEPACOではお取り扱いはございません。
   
   25年前に出たエッセイに文章を追加して、和田さんのイラストを新たに載せてリニューアルしたの。今読み返すとホント懐かしい。レシピも載ってるから、エッセイと一緒に料理も楽しんでもらえたらうれしいな。

＜平野レミさんプロフィール＞
料理愛好家、シャンソン歌手。NHK『平野レミの早わざレシピ』などテレビや雑誌を通じて、実用的な数々のアイデア料理を発信。レミパンをはじめとするキッチングッズの開発も手掛ける。また講演会やエッセイなどで明るく元気なライフスタイルを提案。料理本やエッセイなど著書は50冊以上に及ぶ。

前編では、レミさんのお料理の秘訣について伺いました。

編集／㈱メディアム 成田恵子、執筆／北村文、撮影／鈴川洋平